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ぽんしゅうさんの人気コメント: 更新順(12/149)

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★4息もできない(2008/韓国)いったい人は、なぜ人を殴るのか。それが本能であるかのように、男は人を殴り続ける。男を駆り立てるものは、むろん理屈ではなく言いしれぬ怒りだ。その怒りに純粋な「人」の魂を感じ取る者たちがいる。そして唯一、「人」であることの自覚が暴力の歯止めとなる。 [review]jollyjoker, アブサン, ふかひれ, 水那岐ほか5 名[投票(5)]
★4リコリス・ピザ(2021/米)大きな造作の顔に長い手足がくっついた痩身のアラナ・ハイムはマリオネット人形のようで、ずんぐり体形で短めの首の上に丸顔をのせたクーパー・ホフマンは着ぐるみみたいだ。嫌味なき非美形キャラが実景のなかで現実の恋情をほどよく茶化してコント化する。 [review]緑雨, ペンクロフ, ゑぎ, 太陽と戦慄[投票(4)]
★4教育と愛国(2022/日)「愛国心」が盛り込まれた2006年の教育基本法改正。政府の統一見解重視を求めた2014年の教科書検定基準の導入。2020年の日本学術会議会員の任命拒否。安倍・菅政権による教育分野への介入戦略の実践と背景、あるいはこんな映画を作らなければならない国の不幸の記録。 [review]寒山拾得, jollyjoker, ペンクロフ[投票(3)]
★4ドライブ・マイ・カー(2021/日)感情によって人の行動と言葉が規定され、その言葉と行動によって人の感情が縛られる。ならば「感情」と「行動」と「言葉」を解体することで、妻との距離を見失った家福(西島秀俊)と、自分の存在を消去したみさき(三浦透子)の再生を物語たる、という試み。 [review]ペンクロフ, 煽尼采, もがみがわ, おーい粗茶ほか5 名[投票(5)]
★5鶴八鶴次郎(1938/日)通俗と崇高の差は紙一重であり、物語の中に真の悲劇と喜劇を同時進行で成立さることが可能なことを成瀬は証明している。しかし、これはただごとではないのだが。終幕、向き合った鶴次郎(長谷川一夫)と佐平(藤原釜足)の表情は感情を越えている。 [review]ジェリー, 3819695, Aさの, セント[投票(4)]
★4新 極道の妻たち(1991/日)ただの甘ったれガキにしか見えない高嶋政宏が、最後にはいっぱしの極道に見えてくる血筋の恐ろしさ。組の存続と母親の間で揺れる岩下ママのポジティブな多重人格さが凄いです。・・・本田博太郎かたせ梨乃は得してます。disjunctive, peacefullife[投票(2)]
★4勝手にしやがれ!!黄金計画(1996/日)70年代なら浮遊する挑発者。80年代は実利的リアリスト。この藤谷美紀が体現する自覚無きお馬鹿こそが90年代を象徴するヒロイン像だ。終盤の文字通りの右往左往の反復が「物語」の意味を希薄化し、観客は「映る」ものにただ酔い始める。黒沢清の真骨頂。3819695, 太陽と戦慄[投票(2)]
★4暖流(1957/日)それぞれ1.5倍づつアクを強調したような人物の性格が物語の推進力となって突き進み、大した事件も起きないのにまるでコメディ風味のサスペンスのように目が離せなくなる。これは、今の時代のコミックに通じる面白さ。公開当時は、さぞヘンな映画だっただろう。 ゑぎ[投票(1)]
★4アフター・ヤン(2021/米)この近未来家族が暮らす社会は、どこか冷ややかで"生気"が感じられない。養子。クローン人間への偏見。唐突な隣家の双子姉妹。生成の顛末や定着の履歴が伏せられつつ人間社会に同化している人型AIロボット。人間は生殖能力を喪失してしまっているのではないか。 [review]DSCH[投票(1)]
★4秘密の森の、その向こう(2021/仏)欧州の民にとって"森"が秘める風土的神秘性のなせる技か。セリーヌ・シアマは何のエクスキューズもなく時空の壁を消滅させる。ふたりの少女の出会いと戯れが〈私のママはお祖母ちゃんの娘〉という切れない"糸”を紡ぎだす幸福な時間があってこその別れの結実。 [review]けにろん[投票(1)]
★4勝手にしやがれ!!強奪計画(1995/日)画面中央を起点に左右に深く伸びたY字路の奥から、猛然とで観客に向かって自転車で突進してくる前田耕陽の唐突さ。これぞ活劇の神髄というファーストカットのインパクト。そして、涼しい顔で大胆な七瀬なつみと強面ながら小心な菅田俊の対比の妙。 [review]KEI, 3819695, 太陽と戦慄[投票(3)]
★3LOVE LIFE(2022/日)声を掛け合い人が集散し話が動き出す。数分続く集合住宅群の建物の遠近や高低差を活かした流れるような導入部は古い欧州映画のそれを彷彿とさせる。境界としてのベランダ。懐中電灯やCD盤の光による疎通。中断されたオセロ。狭い室内のパーティ飾りや小さな祭壇。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★3U・ボート(1981/独)閉塞状況に対する打開策が観客と共有されず、水兵さんが勝手に頑張ってるだけでサスペンス映画としては冗長。国家の影や個人の葛藤はほとんど描かれず、ただ爆弾や銃弾がとんでくるだけで戦争映画としては思慮不足。長尺に見合うだけのカタルシスや感慨は無し。ゑぎ, Sigenoriyuki, けにろん[投票(3)]
★3キカ(1993/スペイン)見かけを細工する化粧が仕事の無節操女。表現欲旺盛な快楽殺人者。狭間を覗く趣味が職業になったカメラマン。強姦魔の弟を溺愛する同性愛女と、女なら姉でもかまわない射精男。元精神科医の残虐嗜好ジャーナリスト。つまりは自分が大好きでたまらない人たちの饗宴。ジェリー[投票(1)]
★3君の名は。(2016/日)思考を停止させるリズミカルなカッティング、神木隆之介上白石萌音の清々しい声音の掛け合い、さらに実物よりもリアルで美しい背景画、そして呪文のように韻をふむRADWIMPSの楽曲で、話しの辻褄の合わなさはウヤムヤにされ、ひたすら心地よさだけが残る。 [review]pori, DSCH, ロープブレーク, IN4MATIONほか15 名[投票(15)]
★4国道20号線(2007/日)どこかへつながっているはずの「その道」が見えなくなった男(伊藤仁)は、サラ金ATMで金を借りたその足で無造作に国道を渡り向かいのパチンコ店に向かう。ひたすら閉じられた輪を循環するだけの日常は、閉塞者の特権である「反抗」という武器すら消滅させる。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★3その男ゾルバ(1964/米=ギリシャ)老踊り子と未亡人、二人の女の哀れな無常感が、もう何もない男たちのダンスの妙な爽快さを生む。大波に揺れる船内の右往左往。闖入者に戸惑う修道士たち。老踊り子の形見をあさる女たち。滑落する丸太の高速感。マイケル・カコヤニスのそんな動的演出も魅力。KEI[投票(1)]
★3大殺陣(1964/日)当時の日本映画の閉塞感を象徴する東映時代劇のスタイルを壊した工藤演出の前衛さには敬服する。脚本の緻密さと人物描写へのこだわりがもっとありさえすれば、『仁義なき戦い』よりも先に、そしてより多くを語られる作品になっていたであろう。 太陽と戦慄, disjunctive, ゑぎ[投票(3)]
★4死んでもいい(1992/日)意思を持たない女の魅力は魔力にもなりうる。名美は言う「ここにじっとしていれば今日が明日になって、そして明後日になって・・必ずどうにかなるものでしょ、世の中って・・・」。そんな女をどうにかしようと、ふたりの男がもがき苦しむ。 disjunctive, けにろん[投票(2)]
★4さかなのこ(2022/日)冒頭、唐突に「男とか女とかどっちでもいい」と掲げられる。このひと言ですべてが言い尽くされている。サラシでも巻いたのだろうか胸の膨らみが消滅したのんさんが男でも女でもなく類まれな魚狂の偏人ミー坊にしか見えなくなったとき映画は目的を達成していた。 [review][投票(1)]