[コメント] 国道20号線(2007/日)
どこかへつながっているはずの「その道」が見えなくなった男(伊藤仁)は、サラ金ATMで金を借りたその足で無造作に国道を渡り向かいのパチンコ店に向かう。ひたすら閉じられた輪を循環するだけの日常は、閉塞者の特権である「反抗」という武器すら消滅させる。
上昇や進展という意志をいつのまにか摘み取られた若者たちは、見えない壁と蓋に閉じ込められ弱火で焙られ続けながらも、生存願望が沸点に達することはない。「欲望」の具現である国道沿いの毒々しい原色のネオンサインのもとで、ただただ消費されるだけの2000年代の青春。
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