最近のコメント 10 |
★2 | ノースマン 導かれし復讐者(2021/米) | 作家性の発露の前にもうちょっと単線的な復讐譚の強度を信じて身を任せる柔軟性を持った方がいい。キッドマンの顛末も意外性こそあれカタルシスを遠ざける。壊すというならいっそ母殺しにまで踏み込んでカオスに塗れて欲しい。画の暗さもメリハリを欠く。 | [投票] |
★3 | グッバイガール(1977/米) | メイスンとカミングス母娘にまつわる話は素晴らしいし愛おしいとも思える。両者の演技はキュートそのものだ。だが一方でドレイファスの奇矯なキャラクターが何とも鬱陶しい。作り込みすぎだろう。もっとストレートに愛の歌を紡いで欲しかった。 | [投票] |
★4 | その日、カレーライスができるまで(2021/日) | 安アパートでどってことないカレーを作る。その安普請な取柄無さが、彼に起こったことが明らかになるにつれ側側と心に沁みてくる。夜の静寂を弥増させるラジオ・雨・隣室の音は世界を沈澱させるだけ。だけど、やがて電話は鳴るだろう。その時曙光はさすのだ。 | [投票] |
★3 | ブロークン・アロー(1996/米) | 鈍重な役者たちと辟易するCGの汚濁にまみれて香港の鬼才はハリウッドの大量生産公式に飲み込まれてしまった。最早どこにでも転がってる凡百のアクションのひとつにしか過ぎない。それだけに申し訳程度に見せるジョン・ウーの印の片鱗がかえって侘しい。 | [投票] |
★3 | 愛人ジュリエット(1951/仏) | 女々しくて辛いよは分かるが、夢や幻想は現実世界の生業と相対してこそ意味を持つ。後者がほぼ無い為に一方的な世迷いごとを見せられ続けてるような退屈さを感じる。終盤、現実世界に回帰した映画は撮影・美術の粋とも言える深みを増すが時既に遅しだった。 | [投票] |
★4 | 夏の嵐(1954/伊) | ヴィスコンティのマゾヒスティック志向がリアリズムからバロックへの手法の変遷と同期し一大転換点となった。冒頭に持ってきたオペラ観劇シーンが基調を確定し中身に欠ける泥沼の愛憎劇を崇高なまでに高めている。浅はか女の転落譚は語り口で修飾される。 | [投票] |
★5 | そして僕は途方に暮れる(2022/日) | ダメ男を描いた映画は数多あるのだが、ダメの遺伝にまで領域を広げて改めて考えさせられる。魂の叫びがてんでお話にならないヘタレも常道を覆す離れ業。2段落ちの構成が示唆する人生の辛酸。そんなとき俺も独り言つのさ「おもしろくなってきやがったぜ」と。 | [投票(1)] |
★3 | 黒い警察(1972/伊=独) | 前後する『ダーティハリー2』と同工異曲のネオファシズムものだがマカロニウエスタンの国らしい扇情的な泥臭さ。しかし、おもろい。法的制裁をかいくぐる外道どもを処刑しまくるってのは快感だが危うい。その辺、遵法派の主人公がバランスを取ってはいる。 | [投票] |
★5 | みんなのヴァカンス(2020/仏) | 遊びを本気と勘違いするアホと其奴に付き合うお人好しと彼らに騙されるボンクラの数日間。マザコンネタから始まり無駄に意地張るサイクリングや1人悦に入るカラオケ。女に縁ない野郎どものオフビートな小ネタの連鎖はやがて一握りの幸福に繋がる。肯定せよ。 | [投票] |
★3 | 七年目の浮気(1955/米) | 神経症的な分析考察が煩わしいが妄想話で終始するアイデアは良しとする。しかしコードを越境する際どさが悲しいかな最早余りに手緩いのだ。トム・イーウェルも洒脱さに欠け鈍重。モンローのスカートが幾らはためいても今更歴史的価値しか見出せない。 | [投票] |
最近のあらすじ 5 |
★4 | マロナの幻想的な物語り(2019/仏=ルーマニア=ベルギー) | 血統書つきの父犬と優しい雑種の母犬のあいだに産まれたマロナ(リジー・ブロシュレ)は9匹兄弟の末っ子。彼らはほどなく貰い子に出されていく。マロナは大道曲芸師のマノーレ(ブルノ・サロモネ)に引き取られアナと名付けられる。彼の曲芸のパートナーとして活躍したマロナは可愛がられて幸せな日々であった。そんなマノーレに仕事をステップアップするチャンスが訪れる。しかし、それにはマロナが障害。そのことを知った彼女は…。2020年東京アニメーションアワードフェスティバル長篇グランプリ受賞。ドキュメンタリー出身のアンカ・ダミアンアニメーション第2作。 | [投票] |
★4 | 白昼の決闘(1946/米) | 先住民の血を引くパール(ジェニファー・ジョーンズ)は父が母の不倫を知り射殺、自らは死刑となり、父の昔の知己ローラ(リリアン・ギッシュ)に預けられる。ローラの夫のマキャンレス(ライオネル・バリモア)は大牧場主だが混血のパールに冷淡であった。長男ジェシー(ジョゼフ・コットン)は進歩的な青年で、一目でパールに惹かれる。そしてまたパールも彼に思いを寄せるのであった。そんな折、旅に出ていた次男のルート(グレゴリー・ペック)が戻ってきたが…。デヴィッド・O・セルズニックが第2の『風と共に去りぬ』を謳い文句に自ら脚本を書き妻を主演させた超大作。 | [投票] |
★5 | 僕の好きな女の子(2019/日) | テレビ脚本家の加藤(渡辺大知)は今日も今日とて美帆(奈緒)との待ち合わせの場所に向かう。そして、やってきた彼女のペースに合わせて毒にも薬にもならない受け答えを嬉しそうにする加藤であった。友人たちは、そんな2人の関係を見て、本命男との間隙を埋める都合のいい男でしかないと詰るのであったが、加藤は判ってたまるかと嘯く。が、内実はその通りだとわかっているのだ。そんなある日、美帆が本命男に振られたと聞いた加藤は、決意を胸に待ち合わせ場所へ向かうのだが…。『劇場』のプロモーションの陰で吉本配給でひっそり封切られた又吉直樹のエッセイの映画化。玉田真也監督第2作。 | [投票] |
★3 | ソワレ(2020/日) | 役者を志し上京した翔太(村上虹郎)はオレオレ詐欺の受け子で食い扶持を稼ぐ荒んだ日々。劇団が故郷、和歌山の介護施設で演劇教室の仕事を受け故郷に再び向かう。施設で彼は1人の介護士の女性が老人の悪戯に過剰反応するのを目撃する。彼女の名はタカラ(芋生悠)。かつて父親からの性虐待にあった過去を持ち父親が近く出所することで不安に駆られていた。夏祭りの日、タカラの家に迎えにいった翔太は異変を感じ家に踏み込むと父親が彼女を襲っていた。咄嗟に救った翔太だったが逆に押さえつけられる。そのときタカラが裁ち鋏をもって飛び込んできた…。豊原功補、小泉今日子らによる新世界合同会社第1回プロデュース作品。 | [投票] |
★4 | 怪猫トルコ風呂(1975/日) | 昭和33年4月1日。売春防止法が施行され遊郭を経営していた柿沼(殿山泰司)は業態をトルコ風呂に変え、店の女の子たちも請われるままトルコ風呂従業員となった。しかし、雪乃(谷ナオミ)は恋人の鹿内(室田日出男)との新生活を夢見て誘いを断る。しかし、鹿内は雪乃を働かせてヒモ生活を送るつもりだったのだ。結局、彼女はトルコ風呂で再び働くことになった。そんなとき高校を卒業した雪乃の妹、真弓(大原美佐)が上京してきて居候することになる。真弓に目をつけた鹿内は雪乃を住込みにさせ、彼女を強姦するのであったが…。山口和彦監督第14作。 | [投票] |