最近のコメント 10 |
★4 | The Harimaya Bridge はりまや橋(2009/米) | 描かれる戦争の禍根が緩和される切欠には完璧に納得しつつも作劇としては安易な妥協と思う。しかし、演者が皆想いを込めつつ静かな炎を交わす醍醐味に射られる。何より中堀の『鏡の女たち』を彷彿とさせるカメラ使いが遠くレネからの脈歴へ誘うのだ。 | [投票] |
★3 | Cloud クラウド(2024/日) | 老境に差し掛かる黒沢の70年代映画への郷愁を塗した出涸らし集大成の感があるのだが、乾いた反リアリズムの一方でナウな時代性への追っつかなさが露呈して気持ち悪い。『クリーピー』で到達した映画言語弄士の域からの後退。買えるのはバスシーンのみ。 | [投票(2)] |
★3 | ゾンビ・ストリッパーズ(2008/米) | 安い序盤に辟易感があるが、ストリップ小屋に舞台が移ってからは、それなりにおもろい。ゾンビ化した女に野郎どもが興奮する理解不能の境地はズル剥け天国と頭蓋爆裂とオ○コ圧連射で無我の境地に至る。先行したロドリゲスに半周遅れで息絶えたバカ作。 | [投票] |
★4 | アリゾナのバロン(1950/米) | アリゾナをまんま詐欺ろうとした男の実話で、その周到な準備も含めてエピソードは枚挙に暇ない筈が100分弱の尺に収めてみせる新人フラーの漢気にチミノや黒澤他数多の巨匠は頭垂れるかも。「バイブルだよ」の締めの潔さも峻烈な余韻を残す。 | [投票] |
★4 | アラトリステ(2006/スペイン) | 行間を省いた叙事的な編年記体が淡白すぎて惜しい。多くの登場人物がエピソードの表層をかすって行く。しかし、終盤の幾つかの挿話で浮かび上がる主人公の想い。人妻と友人の遺児へ報いを求めぬ真の男気には激烈に打たれる。美術と衣裳の厚みも素晴らしい。 | [投票] |
★3 | 悪魔と夜ふかし(2023/豪) | 巧妙な贋作器は出来上がったものの中に入れた料理はやっつけ感拭えない。どうせなら紛い物で押し通せばよかったのに何かやろうとして追っついてない。邪教集団とフリーメイソン擬き、亡妻と精神科医など撒き散らしたネタが半端。行ってこいのラストは良い。 | [投票(1)] |
★4 | レナードの朝(1990/米) | 2人の役者の演技は各々の芸風を抑制しつつ四つに組む感があるが相乗効果とまでは言いがたいし、展開も余りに平易なものなのだが、この映画を包む女性監督らしい慈愛に充ちた優しさには素直に打たれる。それは何かを確信してる者だけが為し得る強度なのだ。 | [投票] |
★2 | 鍬と星(1936/米) | アイルランド独立なんざご熱心な方々で勝手にやってちょという人々をフォードがどういう了見で撮ったのか知らんがヒロイズムの欠片もないどころかエゴイズムが前面に出て不快。夫助かりゃ他が死んでもいいという妻や商店から火事場泥棒しまくる市民とか。 | [投票] |
★3 | チョコレート・ファイター(2008/タイ) | 自閉症の設定が技習熟の方便としてしか機能せず疑問だし、阿部寛含む大人の三角関係話も濡れてはみせても心を穿つことはない。でジージャーですが、彼女はよろしいな!技を出す瞬間に一瞬タメるんです。それがいい。ラストバトルだけなら5点もん。 | [投票] |
★5 | ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024/日) | 幼い頃お袋と茶店に入ってパフェを食べたこと。パチンコ屋でばったり親父と会い帰り道お袋との若い頃の話を聞いたこと。流れる日々の中そんな些細な出来事は心の何処かに仕舞われてるけど何かの拍子に鮮烈な郷愁として蘇る。そのイメージ喚起が余りに鮮やか。 | [投票(1)] |
最近のあらすじ 5 |
★4 | マロナの幻想的な物語り(2019/仏=ルーマニア=ベルギー) | 血統書つきの父犬と優しい雑種の母犬のあいだに産まれたマロナ(リジー・ブロシュレ)は9匹兄弟の末っ子。彼らはほどなく貰い子に出されていく。マロナは大道曲芸師のマノーレ(ブルノ・サロモネ)に引き取られアナと名付けられる。彼の曲芸のパートナーとして活躍したマロナは可愛がられて幸せな日々であった。そんなマノーレに仕事をステップアップするチャンスが訪れる。しかし、それにはマロナが障害。そのことを知った彼女は…。2020年東京アニメーションアワードフェスティバル長篇グランプリ受賞。ドキュメンタリー出身のアンカ・ダミアンアニメーション第2作。 | [投票] |
★4 | 白昼の決闘(1946/米) | 先住民の血を引くパール(ジェニファー・ジョーンズ)は父が母の不倫を知り射殺、自らは死刑となり、父の昔の知己ローラ(リリアン・ギッシュ)に預けられる。ローラの夫のマキャンレス(ライオネル・バリモア)は大牧場主だが混血のパールに冷淡であった。長男ジェシー(ジョゼフ・コットン)は進歩的な青年で、一目でパールに惹かれる。そしてまたパールも彼に思いを寄せるのであった。そんな折、旅に出ていた次男のルート(グレゴリー・ペック)が戻ってきたが…。デヴィッド・O・セルズニックが第2の『風と共に去りぬ』を謳い文句に自ら脚本を書き妻を主演させた超大作。 | [投票] |
★5 | 僕の好きな女の子(2019/日) | テレビ脚本家の加藤(渡辺大知)は今日も今日とて美帆(奈緒)との待ち合わせの場所に向かう。そして、やってきた彼女のペースに合わせて毒にも薬にもならない受け答えを嬉しそうにする加藤であった。友人たちは、そんな2人の関係を見て、本命男との間隙を埋める都合のいい男でしかないと詰るのであったが、加藤は判ってたまるかと嘯く。が、内実はその通りだとわかっているのだ。そんなある日、美帆が本命男に振られたと聞いた加藤は、決意を胸に待ち合わせ場所へ向かうのだが…。『劇場』のプロモーションの陰で吉本配給でひっそり封切られた又吉直樹のエッセイの映画化。玉田真也監督第2作。 | [投票] |
★3 | ソワレ(2020/日) | 役者を志し上京した翔太(村上虹郎)はオレオレ詐欺の受け子で食い扶持を稼ぐ荒んだ日々。劇団が故郷、和歌山の介護施設で演劇教室の仕事を受け故郷に再び向かう。施設で彼は1人の介護士の女性が老人の悪戯に過剰反応するのを目撃する。彼女の名はタカラ(芋生悠)。かつて父親からの性虐待にあった過去を持ち父親が近く出所することで不安に駆られていた。夏祭りの日、タカラの家に迎えにいった翔太は異変を感じ家に踏み込むと父親が彼女を襲っていた。咄嗟に救った翔太だったが逆に押さえつけられる。そのときタカラが裁ち鋏をもって飛び込んできた…。豊原功補、小泉今日子らによる新世界合同会社第1回プロデュース作品。 | [投票] |
★4 | 怪猫トルコ風呂(1975/日) | 昭和33年4月1日。売春防止法が施行され遊郭を経営していた柿沼(殿山泰司)は業態をトルコ風呂に変え、店の女の子たちも請われるままトルコ風呂従業員となった。しかし、雪乃(谷ナオミ)は恋人の鹿内(室田日出男)との新生活を夢見て誘いを断る。しかし、鹿内は雪乃を働かせてヒモ生活を送るつもりだったのだ。結局、彼女はトルコ風呂で再び働くことになった。そんなとき高校を卒業した雪乃の妹、真弓(大原美佐)が上京してきて居候することになる。真弓に目をつけた鹿内は雪乃を住込みにさせ、彼女を強姦するのであったが…。山口和彦監督第14作。 | [投票] |