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★4 | インターステラー(2014/米) | クリストファー・ノーランは初期から時間を主題に追い続けているが、これは金字塔。時間の本質把握を目指し成功。かつ人類に迫るデッドエンドの緊迫感、全生涯をかけて使命を遂行する意志の尊さを、広大で深遠なSFの中で戦列に輝かせた。 | [投票] |
★4 | あした来る人(1955/日) | メロドラマのようでいてサスペンスフルな展開にしびれる。日本調の湿った画質とは縁遠い、ハリウッド直系のイディオムを縦横に駆使した構図、カッティングが実に気持ち良い。
学習能力の高い俊才が監督したという印象を強く持たせる。 | [投票(1)] |
★4 | 仁義なき戦い 代理戦争(1973/日) | この映画は観客のための丁寧な描写を叩き壊して成功した。突如の銃撃。突如の手打ち。突如の裏切。シーンと無関係な流行歌。新聞紙面とナレーションだけで描写されるプロット。スチル写真でしか出てこない神戸と広島の大ボスたち。最高だ。 | [投票(1)] |
★2 | 旗本退屈男 謎の怪人屋敷(1954/日) | 展開がシリーズ中異質。女優のしどころの多い華やかな一編となった。しかし、巨悪の始末が史実の制約で不透明。脚本は登場者の身分の飛躍が著しすぎて理解に苦しむ。市川右太衛門御大は原作通りの磊落さ。進藤英太郎が出番少ないが見事の一言。 | [投票] |
★4 | 日本侠客伝 雷門の血斗(1966/日) | 高倉健の耐え方をどう彩るかが、このシリーズの見どころだが、一層磨きがかかった印象がある。村田英雄、島田正吾、藤山寛美、藤純子他、すべての脇役に感謝。「朧」を使う夜景撮りの光量の神々しさに陶然となった。 | [投票] |
★3 | 緋牡丹博徒 お命戴きます(1971/日) | 劇画のようなお竜の創造。構図の角度や、固定キャメラの長回しなど独特な味わいが加藤泰の特徴。他監督作品以上に、お竜に貫禄と懐深さが出る。ロケ撮、セット撮の配合がうまく、地域性や季節感が香り立つ。河津清三郎が天津敏を超えた。
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★2 | MEG ザ・モンスター(2018/米=中国) | 「古代生物」もののバリエーションの上にジョーズを組み合わせた着想はまあ良い。しかし、人物関係が明瞭になるまでに時間がかかりすぎる上に、怪物の全貌を見せるエスタブリッシングショットが弱いので全体がたるんでしまった | [投票] |
★4 | アイアン・スカイ(2012/フィンランド=独=豪) | 参った。不謹慎を架空の絵にして見せることで、現実世界の不謹慎さを浮かび上がらせた。差別性が強く、あざけりも破壊的だが、真摯な絶望感を裏打ちにして知的な娯楽にしているので許容できる。視覚効果技術や美術設計は本格的で、どこかの本家筋以上である。 | [投票(2)] |
★1 | 飢える魂(1956/日) | 旅の解放感と上流生活の贅沢感を糖衣にして、主題である男女間のむずむずを観客が堂々と鑑賞できるよう作られている。じれったい進行が性描写以上に恥ずかしい。三橋達也の目つき・行動は今ではストーカーだろう。続編を見る気失せる。 | [投票] |
★4 | DUNE/デューン 砂の惑星(2021/米) | 地表全土を砂が覆うという架空空間を臨場感豊かに活写したことが、映画成功の土台。そこに救世主信仰や英雄成長譚の成分で装飾し、抑えた色調で物語を重厚にまとめ上げた。母と子が対等に危機を切り抜ける展開が、マッチョドラマからの脱出を予感させる。 | [投票(1)] |