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ぽんしゅうさんの人気コメント: 更新順(3/149)

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★4風と共に去りぬ(1939/米)動乱の地域性と時代を的確に伝えるスケール感、その背景の濃さを鈍重に感じさせないメリハリの利いた語り口。強固な演出のバックボーンが作劇のダイナミズムを生み、スカーレットの激情とレッドの達観、メラニーの誠実とアシュレーの優柔ぶりを際だたせている。disjunctive, ダリア, りかちゅ[投票(3)]
★437セカンズ(2019/日=米)障害者は「不便」だが「不自由」ではないと乙武洋匡は自著「五体不満足」で書いていた。不便は社会的な仕組みや設備の改善によって「便利」に置き換わるが、我が身にふりかかる不自由を解消するためには自らが主体となって「自由」を獲得しなければならない。 [review]ひゅうちゃん, , けにろん[投票(3)]
★4ロブスター(2015/アイルランド=英=ギリシャ=仏=オランダ=米)黙って管理される側(独身者たち)の無抵抗が滑稽で不気味なのだが、現実社会で暗黙の圧力に耐えている人々もこう見えるのかもしれない。そして、それは自分なのかもしれない。だから随所に仕掛けられた「笑い」を、素直に笑ってしまうと気まずい気がするのだろう。DSCH, けにろん[投票(2)]
★3風、スローダウン(1991/日)過ぎ行く時に「置いて行かれる」という状況に焦らず、チンピラ長原成樹やお坊ちゃん西川忠志の甘えに流されることもなく、淡々とバイクに時間をささげる石田靖のオサムに好感が持てる。予想はしていたが、終盤の抒情垂れ流しの自己陶酔にはドン引き。寒山拾得[投票(1)]
★3オールド・ジョイ(2006/米)車で山へ向かう二人は途中で道に迷う。目的地にたどり着こうと努力する男と、目的地に着くことが「目的」かどうか疑わしい男。ことさら「危さ」を煽る演出はなされないが、旧交を手繰る二人の微妙な所作や言動から「危うく曖昧なズレ」のようなものが伝わってくる。 [review]jollyjoker[投票(1)]
★5ショーイング・アップ(2022/米)そんなものにかまっていられないのだろう。リジー(ミシェル・ウィリアムズ)の衣服はルーズで野暮ったい。所在なげに立ち尽くす寸胴体型の後ろ姿から、ああこの人は善い人に違いないという気配が漂ってくる。こういう真面目で不器用な人ってとても人間的だ。 [review]jollyjoker[投票(1)]
★4太平洋ひとりぼっち(1963/日)敗戦のあおりで渡航の自由を奪われた日本青年の行為を、冒険による快挙ではなく半鎖国状態の中で加速する情報化と経済化の「スピード」からの無意識の逃走と捉えた和田夏十市川崑の視点が面白い。結果として冒険談への期待に肩透かしを喰わせたが。, おーい粗茶, 煽尼采, ペペロンチーノほか5 名[投票(5)]
★3最前線物語(1980/米)淡々と時間が進み、淡々と戦地を巡り、淡々と死が通り過ぎる。命を奪われないために命を奪う。決して命を奪うことが目的ではないという原理が守られている点が救い。描かれるのはドラマではなく、結果、最後まで生き残った者が綴った「戦場散文詩」のようなもの。モノリス砥石, けにろん, 寒山拾得[投票(3)]
★4シークレット・サンシャイン(2007/韓国)「密陽ってどんな街?」。どこにでもある、ありふれた地方都市。希望のいとぐちから絶望のどん底へ、あるいはその逆を、何時、誰がたどってもおかしくない場所。すなわち我々の日常は「密かな陽ざし」を求め、彷徨い続ける危うさのなかに成立しているということ。 [review]ひゅうちゃん, irodori[投票(2)]
★2カジュアリティーズ(1989/米)告発的な題材を扱っておきながら観終わった後に「いまさら何を」という感想を抱かせてしまうほど罪なことはない。残虐を描くことを目的としながら、ひたすら感傷的な音楽を垂れ流すのは、題材からの逃避であり告発行為に対する侮辱とみなされてもしかたない。 jollyjoker, disjunctive, Myrath, けにろん[投票(4)]
★4エゴイスト(2022/日)情景描写は最小限に止められミディアムかアップで顔が捉えられ登場人物の表情が繊細に描かれる。表情への注視は、私(観客)の視線を彼らゲイカップルとその母の閉じられた心の内へ内へと導いていく。立ち現れるのは本人たちも気づかなかった互いの純化された想い。 [review]ダリア, なつめ[投票(2)]
★3空中庭園(2005/日)しつこいまでに彷徨い揺れるカメラは確かにある種の不穏をもたらしてはいたが、結局は「空中庭園」を造り出した女の葛藤と、その場での生活を強いられた者たちの歪みは相容れたのか否なのか。やり直しは、繰り返しなのか。お茶を濁された感がある。 [review]寒山拾得, 煽尼采, クワドラAS, 秦野さくらほか5 名[投票(5)]
★4枯れ葉(2023/フィンランド=独)解雇、怪我、紛失。身から出た錆か男の不運が続く。解雇、倒産、アル中嫌い。立ち直れそうでいて女の不運も続く。そんな二人の不器用な「出会い」もまた奇跡のように続く。富で愛は買えないが境遇は愛を育むのだ。カウリスマキのささやかで上品なプロレタリア映画。, jollyjoker[投票(2)]
★3スパルタカス(1960/米)60年前後に頻出した他のハッタリ・スペクタクル映画に比べ、主人公が決して超人ではないという負のヒロイズムに共感できて好きだ。ローマ軍のマスゲームのような隊列の美しさと不気味さや、議会シーンの斬新な美術は印象深く、やはりキューブリックならでは。モノリス砥石, りかちゅ[投票(2)]
★2大人は判ってくれない(1959/仏)ヌーベルバーグとはよく言ったもので、確かにその映画群が束ねられたときに起こった「うねり」の価値は映画史上認めざるを得ない。しかしその一本一本の評価となると、無邪気で素人的な傲慢さと表現上の確信犯的美しさの欠如が鼻につきどうしても疑問が残る。緑雨, sawa:38[投票(2)]
★4青い山脈(1963/日)初作から14年を経てテーマがいささかも古びていないところに、かえって日本社会の封建性の根深さを感じてまうのだが、それはさておき、さすが60年代日活映画。圧倒的なスピード感と娯楽性で49年版を圧倒する面白さ。理事会シーンの名優達の楽しい共演は圧巻。disjunctive, りかちゅ[投票(2)]
★4上海から来た女(1947/米)見えているものが何かではなく、どう見えているかに気をとられたとき人は真実を見失う。むさ苦しい男達の中で輝くリタ・ヘイワースに目を奪われ、次々に繰り出されるバランスを欠いたショット群に幻惑され、いつしか心地良い虚構の中にいる自分に気付く。ジェリー[投票(1)]
★3PERFECT DAYS(2023/日=独)孤独を「強さ」に変えてしまった男を描いて秀逸なのに何も心に響いてこない。あの変な形や色をした公共トイレのせいだろうか。視覚的に主人公と対等に扱われる日常の中の「非日常的異物」は物語からリアルさを奪ったうえファンタジーとしての昇華も妨げていないか。 [review]けにろん, 緑雨[投票(2)]
★4ほかげ(2023/日)ブラックホールの底から絞り出されるような女(趣里)の声音は希望を絶たれた怨念の響きのようだ。飽和点に達した怒りを抱えた男(森山未來)の呆けた彷徨は虚無と紙一重。澄んだ瞳でそんな惨状を見つめる少年(塚尾桜雅)の心には何が映っているのだろう。 [review]けにろん[投票(1)]
★4トラック野郎 故郷特急便(1979/日)どこか日活アクションのムードを漂わせる中島丈博脚本を得て、森下、石川のツインマドンナがさえる。特に、文太を相手に石川さゆりが見せる葛藤と哀惜が素晴らしく、何故女優も続けなかったのか惜しまれる。それに比べて男どもが今ひとつなのが残念。ひゅうちゃん, 寒山拾得[投票(2)]