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ぽんしゅうさんの人気コメント: 更新順(9/149)

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★3エッセンシャル・キリング(2010/ポーランド=ノルウェー=アイルランド=ハンガリー)逃げるという行為は黎明期からの映画の基本モチーフのひとつで、古今東西、出つくした感の「ただ逃げるだけ」の話しなど、と期待と不安半々で臨む。スコリモフスキは、物語でも撮影でもなく編集で、それも映像というより音響編集でこの今さらな題材をねじ伏せた。 [review]jollyjoker, DSCH, 赤い戦車, 3819695[投票(4)]
★4無法松の一生(1943/日)60年前の映画に“斬新”という言葉は適切ではないが、この実験的な撮影表現はまぎれもなく前衛である。松五郎の子供時代の回想シーンは目を見張る。 [review]けにろん, りかちゅ, 甘崎庵, 町田ほか6 名[投票(6)]
★3熱砂の秘密(1943/米)いち英国軍人(フランチョット・トーン)のヒロイックなサスペンス&純愛ものの体裁を借りながら、物語を通底するのはフランスを見捨てた「ダンケルクの戦い」におけるイギリス軍撤退の贖罪と鎮魂。アン・バクスターに捧げられる砂漠の“日傘”が哀感を誘う。ジェリー, けにろん[投票(2)]
★4ポテチ(2012/日)きっと、自分に素直に生きて来たらいつのまにか泥棒になっていた馬鹿正直な青年の心根の優しさと、自他共の期待に応えんがために懸命に重ねてきた努力が、あと一歩のところで実らない青年の意地が、きらめくカクテル光線の下、熱く交錯するさまに思わず涙する。 [review]KEI, tkcrows[投票(2)]
★3バグダッド・カフェ(1988/独)鮮やかに彩られた心象風景、現実の断片が脳裏をよぎるがごときカッティング、奥の深いフレームの中でイン・アウトを繰り返す人物達が不思議な期待感を煽って心地よい。なのに、二人の女の結末が余りにもステレオタイプな価値に収斂し終わってみればただの凡作。緑雨[投票(1)]
★4やがて海へと届く(2022/日)ガーリーだったすみれ(浜辺美波)の髪は月日を経るごとに短くなっていく。そんな彼女を見つめる真奈(岸井ゆき)の視線。恋情に至らないまでも二人の間に確かに存在するジェンダーの揺らぎ。すみれのビデオカメラは心の揺らぎを制御するフィルターなのだろう。 [review]IN4MATION, セント[投票(2)]
★3劇場版 センキョナンデス(2023/日)旧態然のイデオロギーは無視して選挙状況とスタイルを面白がる緩めのマイケル・ムーアアプローチ。真摯ながらもルーズな突撃に図らずも見せる候補者の思惑や政党の不要な頑なさは可愛らしくもあり滑稽でもある。良くも悪くも、この浮世離れ感は確かに祭り。 [review]ペンクロフ[投票(1)]
★4ドライビング Miss デイジー(1989/米)「あたなには運転手が必要だ。そして、私には仕事が必要だ」という経済合理性の裏に隠れた階級的不条理の根深さ。〈制度的な心の壁〉は自覚的な改革によってしか超えられないが、〈心情的な心の距離〉は物理的な距離や経過した時間によって埋まるという一抹の光明。緑雨, けにろん[投票(2)]
★4フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017/米)パステルカラーで見たくないものを塗り潰した世界を、見たくないものの存在すらまだ知らない子供たちが闊歩する。その芝居っ気のない暴走を放置する母親を、倫理で責める虚しさ。それでも見捨てない管理人(ウィレム・デフォー)の良心。そんな嘘のなさが救い。 [review]KEI, ドド, DSCH, けにろんほか5 名[投票(5)]
★5イニシェリン島の精霊(2022/英)一方は受け継がれ永遠に残るのは「優しさ」だと言い、片や「創造性」だと主張する。守るべきは平穏な"今"の幸福か、新たな"次"への意志か。どちらも正しい。そもそも比べることじゃない。相手を理解することを放棄した意地の張り合いは理性を失い後戻りできなくなる。 [review]けにろん, ペンクロフ, おーい粗茶, jollyjoker[投票(4)]
★4愛してる!(2022/日)SMに目覚め世の中に向け魂を解放した(つもりの)ミサ(川瀬知佐子)が「愛してる!」と叫ぶとき、その対象は極めて私的で限定的に閉じられているという矛盾が露呈する。愛とは解放ではなく収斂と執着だという"性のどうしようもなさ”が垣間見えるところが面白い。 [review]けにろん[投票(1)]
★4シャドウプレイ〔完全版〕(2018/中国)映画の大半は時制が複雑に入り組んだ“過去”の描写で構成される。しかも手持ちカメラの映像は唐突に始まり激しく揺れ、流れ、焦点を失い、不意に終わる。それは金銭と愛欲にまみれた亡霊たちの影であり世紀を挟んだ中国の姿だとロウ・イエは言っているのだろう。 [review]けにろん, ペペロンチーノ, セント[投票(3)]
★3コンパートメントNo.6(2021/フィンランド=露=独=エストニア)モスクワの大学に通い同性の教授と愛し合うフィンランドの留学生(セイディ・ハーラ)。ウォッカを煽りながら傍若無人に境界を越えて無神経にふるまうロシア人労働者(ユーリー・ボリソフ)。大国ロシアに翻弄されてきたフィンランドの歴史が二人に重なる。 [review]jollyjoker[投票(1)]
★5逆転のトライアングル(2022/スウェーデン)平等という建前は"取り引き"という格差隠ぺいシステムのもとで保たれ、互いに相手より優位に立ちたいという本音を満たす。そんなエゴイズムに支配された資本主義社会の危うさと醜悪さをリューベン・オストルンドは皮肉たっぷりにスクリーンにぶちまける。 [review]jollyjoker, 袋のうさぎ[投票(2)]
★3現代インチキ物語 騙し屋(1964/日)占領下に置かれ続ける沖縄。福祉が及ばず街頭に立つ傷痍軍人たち。加熱する大学受験と裏口入試。東京オリンピック前夜の経済成長に沸くニッポンの裏に隠れた問題をさりげなく皮肉る社会派コメディ。個々のエピソードは面白いけど構成に起承転結がなくコント集の感。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★5海辺の彼女たち(2020/日=ベトナム)登場人物はほぼ三人のみ。画面構成も徹底している。中盤まですべてのショットに必ず三人が映り込む。この世には彼女たち以外誰も存在しないかのようだ。三人の距離は物理的にも心理的にも近いが、日本社会からは遥かに遠い。“隔絶”、そんな言葉が頭に浮かぶ。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★4ケンとカズ(2016/日)役者の面構えが好い。思いを飲み込んだように物言いたげなカトウシンスケの目。制御不能な苛立ちが炸裂する毎熊克哉の強面。露骨な上から目線を強いる高野春樹の半笑い。そんな男どもの「顔」の連打が物語の推進力となって、他の類似映画と一線を画す。 [review]irodori[投票(1)]
★4ラストエンペラー(1987/英=中国=伊)観終わって数日たっても次々とシーンがよみがえってきた。力のある映像とは、こういう事だろう。ベルトルッチが志向しヴィットリオ・ストラーロが試みたのは、錨を断ち切られ時代のうねりに流され漂う巨大なシステム(その象徴とししての紫禁城)の映像化だ。緑雨, けにろん, お珠虫, いくけんほか5 名[投票(5)]
★1十年 Ten Years Japan(2018/日)この企画は若い作家にとって意義深くとても貴重なチャンスのはずなのに。がっかりしました。どの作品もアイディアに乏しく、語り口(作法)もありきたり。何よりも、たとえ答えが間違っていようが自分の思いを伝えたいという意志や気迫をまったく感じませんでした。 [review]ダリア[投票(1)]
★3別れる決心(2022/韓国)刑事と被疑者。互いの"想い"を言葉にできない関係だからこそ言葉に翻弄される。多弁なキューピット(翻訳機)も意味は伝えるが意思は伝えない。初めから事件の真相と想いの真意が交わるはずもなく、最後まで刑事は刑事の、被疑者は被疑者のままの二人を深い霧が包む。 [review]ペペロンチーノ[投票(1)]