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濡れ鼠

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14コメント242
あらすじ4
10POV6

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最近のコメント 10
★4ストレイドッグス 家なき子供たち(2004/アフガニスタン=イラン=仏)絵に描いたような戦災孤児の話であるのに、あまり悲惨な感じがしないのは、素人子役の限界だけでなく、本筋と直接関係のない市井の記録映像の数々(演出されたものとは到底思えないその瞬間、その場所ならではの赤裸々な時代の断片*)が異様に肥大した存在感を誇っているからだろう。子供目線の児童映画としても、劇中で言及されるネオレアリズモより、ザジやモモ(エンデ)のアナーキーで遊び心に溢れた白昼夢の詩情を感じさせる** [review][投票]
★4灰と土(2004/アフガニスタン=仏)一度ならずシャー・ナーメが引用されることから、原作者兼監督が薫陶を受けた教育がペルシア文化圏のものであることを知る。120ページ弱の原作は、もっと巧みな作家であれば短編にまとめられるはずのもの。映像作品のほうがより食指が動くのは、選りすぐりのロケ地と撮影の力(**)によるものが大きいのだろう。本物の土着民のような鄙びた面構えのキャストも、その土地ならではの香りを届けてくれて見飽きるということがない。 [review][投票]
★3囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件(2012/フィリピン=仏=独=英)監督の以前の作品に比べると、自主映画と大手スタジオ映画ぐらいの規模の違いがある。火薬とエキストラの物量において。撮影現場の大がかりさにおいて。そしてその違いに一番戸惑っているのが、メンドサ組一同に思えるのは何故か。時間経過〜位置関係〜群像劇〜どこに起点/支点を置くべきか確たる指針がないので、対テロ戦争の名のもとに太平洋の片隅で一年近くに渡って継続したカオスが何の添木もされないまま緩んで流れ出す。 [review][投票]
★4グッド・タイム(2017/米)NYの裏町をにっちもさっちもいかないまま彷徨する一昼夜の出来事を中心に据えているせいか『アフター・アワーズ』のなかなか醒めない夢の続きを見せられているような熱っぽさがあった。普段は何の接点もない赤の他人同士が思わぬ偶然から人生の岐路を共にしながら、結局何も分かち合うものがないまま袂を別つ末尾のアイロニーは、簡単な言葉では要約できない余韻を残す。 [review][投票]
★5コロンバス(2017/米)建築映画としては、ローマの大聖堂とその作者の生涯を下地にした『La Sapienza』の後に続けて見ると、モダニズムとバロックの様式の違いだけでなく、その背後にある宇宙観の変遷(超越性から内在性へ)まで透けてくるから面白い。建築家が思い描いた世界の<梁と屋根>を虚心になってなぞることで精神に変容をきたそうとするところは、同様に先入観で目を曇らされた男が盲人の導きにより開眼する「大聖堂」**に通底するものがある [review][投票]
★4彷徨える河(2015/コロンビア=ベネズエラ=アルゼンチン)一族郎党を襲った運命の不条理と折り合いをつけるのに、たとえ迷信にしろ、体系的な解釈を必要とするのはギルガメシュの時代から変わらない。そう思わせる悠久の河=意識の流れ。マングローブに覆われた河岸の底知れなさと、緑の壁のように続く樹冠の高み(白黒画面の豊饒さに目を射抜かれる)。聞こえてくるのはオールの立てる音と小鳥の囀りぐらい。異人との邂逅により運命の逆転に掛ける放浪者の悲願。静かだが充実した映画の時間[投票]
★3シティ・オブ・ゴースト(2017/米)ラッカ占拠後の内部映像は貴重。広場へ行くと四六時中人が磔にされており、どこへ行くにもギャングの検問を受けなければならないという恐怖支配の殺気だった空気が生々しい。悪名高いメディアセンター前史も興味深い。親兄弟や仲間がカメラの前で次々と処刑されてゆくのを遠隔の地から見守るしかない活動家達のリアクション映像はさすがにきつい。でも一番えげつないのはドイツに着いてからの反難民デモ隊による歓待シーン 6.5/10[投票]
★3蠍の尻尾に関する殺人(1971/伊=スペイン)消えた100万ドルの行方とか、フーダニットの興味とか、センセーショナルな殺人劇場のお膳立てをするための言い訳に過ぎないことがじきに明らかにされる。そこを割り切ってしまえば、謎解きのための性急な段取りや緩急の意識の低さ、撒き餌のぞんざいな扱いなど(わざとらしい前置きとこれ見よがしなズームイン)、サスペンス演出の手筈の不首尾は気にならなくなる(たぶん)。 [review][投票]
★5オールド・ジョイ(2006/米)本当に我々が大学時代の盟友を帯同して、思い出のハイキングコースを辿り直している気にさせる時間配分。記憶の最もこそばゆいところを刺激してくるショットの瑞々しい喚起力。心からの慨嘆に満ちた言葉とともに紡がれる、無意識の所作と表情の、気配りの行き届いた差配。劇中の台詞「木を通して森を見る」(意訳)を地で行くような、二つの拮抗する細流の出会いとその静かな衝撃を、時代の趨勢の抽出にまで高めようとする思索の跡[投票]
★5ミークス・カットオフ(2010/米)地の果てまで続くような砂礫と灌木の乾いた風景。それが1週間、2週間と続き、あるいはもう何年も経ったのかもしれず、永遠と無限を想起させずにはいない反復の終わりに何があるのか(楽園?神?世界の終わり?)、募りゆく疑念も不安もそのまま、唐突に暗幕が下りる。実際は90分付き合っただけなのに、まるで神隠しにあったような意識の晦冥。このようにして我々はある日自分の死に不意打ちされるのかと[投票]

Plots

最近のあらすじ 5
★4ストレイドッグス 家なき子供たち(2004/アフガニスタン=イラン=仏)タリバン政権崩壊後の首都で路上暮らしを強いられる幼い兄妹の物語。二人の両親は健在だが、父はタリバン側について戦ったために米軍の刑務所に閉じ込められている。母は、父の不在中に再婚したことから不貞の罪を着せられ、獄中で宗教裁判の裁きを待つ身の上だ。毎晩、二人の子供は、戸外の寒さを凌ぐために母のいる牢屋を訪れて、中で一緒に眠らせてくれるように懇願する。しかし、門番のほうも、立場上、そう何度も例外を認めるわけにいかない。兄妹は、母と同様に壁のなかで眠りたいのなら、盗みを働いて自分が囚人になるほかないと助言を受ける。冗談とも本気ともつかない言葉を真に受けた二人は、町へ繰り出し、一体何を盗めば手際よくしょっ引かれるかと、目ぼしい標的を探し始める[投票]
★4灰と土(2004/アフガニスタン=仏)共産党によるクーデターが引き金になって国中を戦火で包み込む内戦が勃発してからどれくらい経ったかわからない頃。人里離れた涸れ谷をトラックの荷台に揺られて運ばれてきた老人と孫が対岸へ向かう分岐点で降りる。二人は国有鉱山への乗り継ぎを求めて橋の袂の検問所を尋ねるが、次の乗合車がいつ通るかわからないとつれない応対を受ける。老人は一度は自力で山を越えようとするものの、すぐに幼い同伴者の足では無理なことを悟る。おまけに、その子は、故郷の村が爆撃を受けたときに聴覚を失い、少し頭がおかしくなっていた。そうでなくても、老人には火急の要件があった。二人は、子供の父親に悪い知らせを伝えにきたのだが、血の気の多い男の反応について最悪の事態を恐れていたのだ[投票]
★3囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件(2012/フィリピン=仏=独=英)Dos Palmas kidnappings(2001.5〜2002.7)の映画化。パラワン島沖のリゾート施設から、イスラム過激派組織アブ・サヤフの一味によって観光客20名が拉致される。この組織はイスラム勢力によるミンダナオ島の奪回を大義に掲げて90年代よりテロ行為を重ねていたが、富裕な観光客の身代金も重要な財源の一部としていた。今回も3名の米国人(映画では仏人1名を加筆)が華僑や現地人と一緒に逗留中のホテルからモーターボートで連れ去られ、500キロ南東のバシラシ島の密林へ強制連行される。ところが軍とテロ団体の間にある根深い不信により、人質解放の交渉は当初から膠着。最終的に最後の一人が救出されるまで一年余りの歳月が流れることになる[投票]
★4グッド・タイム(2017/米)尾根打ち枯らしたチンピラのコニー(ロバート・パティンソン)は、不首尾に終わった銀行強盗の末に何とか追手を巻くことに成功するが、逃げ遅れた弟のニック (ベニー・サフディ)を警察の手に引き渡してしまう。コニーは知恵遅れの弟の身に何かがあることを恐れて、保釈金を支払うのに年増の愛人(ジェニファー・ジェイソン・リー)に頼る。ところが、頭の弱い娘の判断力を信用しない母親にクレジットカードを停止させられてしまい、必要な金額が集まらず、箸にも棒にも掛からなくなる。そんなとき、ニックが収監先で乱闘に巻き込まれて重症を負ったことを知る。弟が入院中だという病室へ向かう途中で、ベッドで寝たきりの弟を病院から車椅子で運び出すことを思いつく [more][投票]
★5コロンバス(2017/米)韓国系アメリカ人のジンは、著名な建築家の父が発作を起こして昏睡状態になったことで、父が入院中の中西部の町から身動きが取れなくなってしまう。図書館員のケーシーは、モダニズム建築の淵叢として知られるコロンバスの名所を残らず諳んじられるほどの<建築おたく>だったが、薬物中毒から更生中の母の面倒を見るために地元に留まるような親思いの娘だった。母の仕事の送迎の際にジンの姿を見掛けた彼女は、敬愛する建築家の肉親に違いないと直感し、声をかける。長年に渡って父と疎遠だったジンは建築の世界にも冷嘲的だったが、そんなジンに向かって市内の名所を案内することを申し出る。それは土地の記憶を留める建築群の遍歴であると同時に、二人の過去の再訪の旅に他ならない[投票]

Points of View

対テロ戦争とイスラム主義[投票(10)]
無差別テロ、戦争犯罪、大量難民、宗派対立、少数民族迫害など、何かと物騒な今日の中東情勢の理解の一助になりそうなものを中心に集めてみました。このようなリストを思い立った直接の契機は、池内恵の著書「サイクス=ピコ協定百年の呪縛」で、『アラビアのロレンス』の分析に丸々一章さかれているのを読んだことにあります。すべてを網羅するのは私みたいな素人の手に余るし、エジプトやトルコ、イランなどの当事国製作のものは外国人にとってアクセスしづらいものが多いので、私個人がこれまで出会ったものを起点にして、随時更新していければと思います。分類はあくまでも暫定的な目安として。 ( A=前史、B=大シリアとトルコ、C=アフガン紛争、D=イラク戦争、E=アジア・アフリカ・湾岸諸国、F=欧米社会のイスラム教徒とテロリズム )