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[コメント] 劇場版 センキョナンデス(2023/日)

旧態然のイデオロギーは無視して選挙状況とスタイルを面白がる緩めのマイケル・ムーアアプローチ。真摯ながらもルーズな突撃に図らずも見せる候補者の思惑や政党の不要な頑なさは可愛らしくもあり滑稽でもある。良くも悪くも、この浮世離れ感は確かに祭り。
ぽんしゅう

以下、映画を観ての私見です。カメラが写した現実ではあっても真実かどうかは分かりません。各自ご判断ください。

選挙好事家、近年注目の香川1区。熱血小川淳也に密着する大島組の映画撮影を妬みつつ無視を装う平井卓也の悪代官ぶりと、その取り巻き連中の暴走に磨きがかかる。今回、自らその一味だと白状させられる「四国新聞」の醜態。田舎の似非ジャーナリズムのぶざまなこと。

単身、維新退治に大阪に乗り込んだ元首相管直人の舌鋒の衰え著しく痛々しいばかり。反対に維新に乗り込まれた京都の福山哲郎はいつも通り口先とがらせて喧嘩腰。興奮気味のオラオラぶりで人間性が・・・。そんな二人の間を早足で通り抜け"無難"を崩さない泉健太党首。三者三様、たいして大きくもない政党なのに足を引っ張り合う民主党由来の悪癖か?、とりあえずの野党第一党。

そんな周りのことなど意に介さない大阪のおばちゃんが二人。方や外交官出身のエリートおばちゃん松川るい、方や下町庶民派おばちゃん辻元清美のマイペースぶり。スタイルは違えど、その人たらしぶりの強かなこと。

組織戦スタイルを崩さず安定感は抜群ながら今さら急伸長など望めない自民党と共産党。どちらも動員力にモノを言わせる昭和以来の頑な「選挙保守」ぶり。特に自らの限界を知ってか知らずか共産党の自己陶酔ぶりは宗教がかる。志位和夫委員長の在任期間は今年(2023)で22年。悪夢のような長期安倍政権の倍以上。

で、その安倍銃撃に遭遇しつつも懸命に冷静さを保とうとするダースレイダーとプチ鹿島のスタンスに、大人の遊びと「選挙」を揶揄しながらも民主主義の根幹として「選挙(言論)」を信じる誠実さを確認しました。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ペンクロフ[*]

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