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★4 | イースター・パレード(1948/米) | 潜在的な恋が舞台上の営みを通す以外に露見の術を持たないから、このミュージカルは切実になる。アステアとジュディの不穏な年齢差が、成功者であり彼女に対して優位にあるはずのアステアに視覚上のみじめさをもたらし、彼を緊張と同情の源泉にしている。 | ゑぎ, ぽんしゅう, 寒山拾得 | [投票(3)] |
★3 | メッセージ(2016/米) | 母性であることのストレスという先生おなじみの主題が、タコ型宇宙人の通俗を互いに異質であるがゆえに際立たせ、タコ部屋でエイミーが明瞭な解像を得てしまうと、そのストレス顔がタコを圧殺にかかる。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | あ、春(1998/日) | 藤村志保と富司純子の、ドッペルゲンガーのような互換性に当惑していると、山崎努が母系家族に強姦され代替的な自分を孕んでしまう。二人の女の相似は一種の再帰性の現れなのである。 | けにろん | [投票(1)] |
★3 | 午後8時の訪問者(2016/ベルギー=仏) | 発端となったイベントが、素人捜査に駆り立てるほどの罪悪感をもたらし得るものだったのかどうか。その心もとなさが、出来の悪い火サスのような行動の飛躍をもたらしかねない。 [review] | ぽんしゅう, けにろん | [投票(2)] |
★3 | アデルの恋の物語(1975/仏) | 人を不快に慣れさせないための、漸進的に亢進する病理が、映画の時空間を巻き込み、それを信用におけないものにしている。騎乗演習中のピンソンをストークするアジャーニの移動距離から、瞬間移動的な違和感は始まり、 [review] | 鷂, けにろん | [投票(2)] |
★3 | ダンケルク(2017/英=米=仏) | 浜辺の静寂が意味のない現象としての災難の徒労を訴える。魚雷の夜襲だけなら刹那的な海猿で済むものを、訓練と称して謎次元から小銃弾まで撃ちこまれると、堂々たる佐藤純彌のパニック大作の風格に。ただ、ヒューモアのない純彌なのである。 [review] | けにろん, DSCH, 3819695 | [投票(3)] |
★3 | 燃える戦場(1969/米) | 声の映画である。セクスィヴォイスがマイケル・ケインを只者にはしておかず、海軍の語学屋である彼を密林の戦場に順応させ、拡声器の声の歪みが、高倉健の本性と思われる官僚的な冷たさを露曝せずにはいられない。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★3 | たかが世界の終わり(2016/カナダ=仏) | これはポルノに近いのではないか。対峙する人間の激情に応じて膨張と収縮を繰り返す、内燃機関のようなギャスパー・ウリエルの顎の接写ばかりに力が入り、人々の確執の内容はあまり問われず、対話はポルノやミュージック・ビデオの日常芝居に類似してしまう。 | 緑雨 | [投票(1)] |
★4 | チェイサー(2008/韓国) | 数ある殺人の中でその事件だけが特権化してしまう。しかも顔貌の好い子どもをダシにするため特権化してしまうことが倫理に悖るように見えてしまう。時間制限が緩和され続ける緊張のなさと徒労に冷静さを強いられて、事件が特権化したと認知できるのである。 [review] | 3819695 | [投票(1)] |
★4 | ザ・コンサルタント(2016/米) | 会議室に入ったら、後輩女難のアイコン、アナ・ケンドリックが寝ている。男子の夢と浪漫で充溢したキャンピングトレーラーで永遠の時を過ごしたい身には、こんな恐怖はない。 [review] | プロキオン14, けにろん | [投票(2)] |
★3 | ラ・ラ・ランド(2016/米) | エマ・ストーンが挫折した女優志望者をやる茶番が業界人のオナニーになりそうなところをギリギリでとどまる。事件のたびに、天然隈取りのような、肥大化したあの顔貌の諸パーツが福笑いのようにバラバラになりはしないかと、戦慄が走り続けるのである。 | ぽんしゅう, ゑぎ, けにろん | [投票(3)] |
★4 | ハドソン川の奇跡(2016/米) | 職業病というべきトラウマと失業の恐怖をブースターにした老人の譫妄が見せ物にはなっているものの、劇全体におけるこれらの役割が見えてこないために不可解でもある。 [review] | 週一本, ゑぎ | [投票(2)] |
★4 | ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016/米) | 70年代の想定したコテコテ未来美術を21世紀が追憶する倒錯の苦悶が、勇気が死生観のジャンル的な軽さにしかならない隔靴掻痒と軌を一にしている。 [review] | ゑぎ, DSCH | [投票(2)] |
★3 | バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016/米) | 自分が希少であることに由来する矜持が社会環境とリンクするために、社会や政治の表層をただ撫でるようなカジュアルさが個人的な倫理観の追求に遠心性をもたらしている。何が問題となっているのかよくわからないのである。 [review] | Orpheus, Sigenoriyuki, けにろん | [投票(3)] |
★4 | 地獄でなぜ悪い(2013/日) | 現代邦画らしい、受け手のリテラシーをまるで信用しない回想説明の冗長さは、いつかしか、本来の目的とは逆行して、現実とマンガの境界を曖昧にする。つまり、これは、人が死ぬことができる世界なのか? 死の信憑性の薄さは、フィクションの非実用性を含意する。 [review] | 水那岐, 3819695, DSCH, けにろん | [投票(4)] |
★3 | 哭声 コクソン(2016/韓国=米) | 話の通底にある啓蒙の教化力とそれに伴う実証精神がシャーマニズムを喜劇に見せずにはおかない。そんな中にあって悲劇を構成するのが、どこかで致命的な選択をしてしまったという、難病物が追及する感傷に近いものである。 [review] | 3819695, ぽんしゅう, けにろん, 寒山拾得 | [投票(4)] |
★4 | 沈黙 -サイレンス-(2016/米) | 棄教とリンクする必要から曲芸的とならざるを得ない人々の死に様が、サムライコマンダー菅田俊の東映特撮ヴォイスから浅野忠信の安定のサイコパス顔に至るカオスも手伝って、国籍不明のアトラクションになっている。 [review] | 3819695, DSCH, ぽんしゅう, けにろん | [投票(4)] |
★3 | パブリック・エネミーズ(2009/米) | デップのロマンスにクリスチャン・ベールの童貞軍団が煽られるまではよいとしても、けっきょく両者に話の段取りを語らせるほどの能力はなく、事件は偶然に振り回される。この中折れ映画に活を入れるのがわれらが“大佐”スティーブン・ラングである。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★4 | お嬢さん(2016/韓国) | 段階を踏まない性欲の性急さを解答編すら説明しようとせず、むしろ性欲を増強してその質量で一点突破しようと謀るので、感情が形式に引きずられてしまう掴みどころのない浮遊感に悩まされる。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | ヴィンセントが教えてくれたこと(2014/米) | 介護施設の支払いが滞留したら即退場で自身の借金すら卒中で帳消しになる。多段式ロケットのような捨て身の迫力である。 [review] | 3819695, けにろん | [投票(2)] |