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disjunctiveさんの人気コメント: 更新順(10/33)

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★3パシフィック・リム(2013/米)この隊長の源氏物語には、トロの欲望亢進に構造的障害をもたらしている。トロの邪念は、芦田愛菜に鬼気迫る演技をもたらす一方、凛子にはまるで火がつかない。 [review]DSCH, 3819695, けにろん[投票(3)]
★3マグニフィセント・セブン(2016/米)戦線の構築がむつかしい開けた地形が災いしているのか、被写体の位置や攻め手が進行する方向が明瞭さを欠いている。見た目優先でレンズが選択されるから、被写体間の距離もつかめない。 [review]DSCH, ぽんしゅう, けにろん[投票(3)]
★4運び屋(2018/米)プロローグが12年前設定で演じ手が米寿の老人であるから、ここから12年飛んで本編に入ると、この老人は何者なんだとならざるを得ない。あとはもう死人の夢で、その内容はヤクザ社会の方々で歓待されてしまう『哭きの竜』のような稀人ヤクザ物である。 [review]DSCH, ロープブレーク, ぽんしゅう, けにろん[投票(4)]
★4ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男(2017/英)史実の教科書的理解に基づけばダンケルクの成功で宥和派が失脚したことになるのだろうが、この話は虚構の地下鉄場面をでっち上げて、あたかもダンケルクの帰結が不明なうちに決断が行われたかのような印象操作をする。 [review]緑雨, ゑぎ, けにろん[投票(3)]
★4東京家族(2012/日)吉行和子が卒倒する場面が好きだ。彼女が階段を上って行って異変を起こすまでの尺は、ほぼ恐怖映画の間の感覚である。異変に気付いた橋爪功が階段に向かうまでがワンカットなのもそれっぽい。 [review]緑雨, けにろん[投票(2)]
★4ア・ホーマンス(1986/日)寝袋や焚火といったガジェットから野宿者の徳を構成するミニマリズムが、回顧的に見れば80年代半ばという定義しにくい時代を無時間へと転用して、ノスタルジーを凌駕している。ゑぎ[投票(1)]
★4風花(2000/日)器質性に基づく苦悶を精神論でアプローチしようとするパターナリズムはどうなのか。小泉今日子の、顔貌とアニメ声のミスマッチが究極的には女難として徴表されることで作者の自意識が明らかになるが、事件に応じて浅野忠信の人柄が一定しなくなるのも事実で、 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4ディア・ドクター(2009/日)余貴美子と井川遥が鶴瓶を追い詰める男性嫌悪が、最後の鶴瓶を死神のように解釈させる誤配に至っている。この話の技術志向が、劇中で自己言及されるように、事を自己決定権の問題ではなく医療過誤に見せてしまうからだ。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★4フィッシュストーリー(2009/日)全貌の露見に至って判然となるのは、隠蔽された筋というよりはむしろ、おかしなことをおかしく表現してきた舞台調のオーヴァーアクトによって仕込まれていた誠意の圧である。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4天城越え(1983/日)人権侵害を捌口にして、渡瀬恒彦にアドレナリンは、抑えるために誇張する老け演技の矛盾へと解き放たれる。 [review]けにろん[投票(1)]
★4キングダム(2019/日)フレームに寄られるたびに長澤まさみの姉御顔が春秋戦国を足立区へ変貌させる。コスチュームプレイに羞恥を覚えるどころか、むしろ水を得たように大沢たかおはナルシシズムの光耀に満たされる。 [review]けにろん[投票(1)]
★4明治侠客伝 三代目襲名(1965/日)鶴田浩二のスケベが筋に組み込まれるように、出来事を構造に織り込む力は彼を津川雅彦の物語の傍観者にしておかない。軟体のように伸びる鶴田の鼻の下は、丹波哲郎の棒読みに繰り込まれるまま、任侠映画という構造そのものに達する。 [review]けにろん[投票(1)]
★4ベルリンファイル(2013/韓国)チョン・ジヒョンの薄幸力がベルリンを神田川三畳一間の情調へ落とし込む。ベルリンで事をやる意味がない以上、窮乏が三畳一間へ空間を改編して舞台の必然性を調達する。その編成の媒質としての、リュ・スンボムの西村ひろゆき顔の明るき寄る辺なさ。けにろん[投票(1)]
★3ソーシャル・ネットワーク(2010/米)プロジェクトや感情移入のきっかけとなるスケベゴコロが、スクールカーストをベースにした説明台詞を出ず、過程という概念も乏しい。物語の目論見としてはスケベゴコロの実体化に関心が向かったようで、真顔で鼻の下が延びる一発芸に帰結。これは見事。寒山拾得, DSCH, 3819695[投票(3)]
★4カメラを止めるな!(2017/日)演出家が演技をすることで本音を出せて役者に報復しえたように、事象のトレスで人格の本質が顕れ、かえって自由になれてしまう。反復であり答え合わせである記述という営みが何ゆえ美的経験をもたらすのか。 [review]t3b, DSCH, ぽんしゅう, けにろんほか5 名[投票(5)]
★4女相続人(1949/米)デ・ハヴィランドがここで抱える外貌や性格の課題は、観察対象としては頼りない。貧乏で汚らしい世間一般のオッサンが被る重篤な障害と比すれば。 [review]ぽんしゅう, 寒山拾得[投票(2)]
★3エスケープ・フロム・L.A.(1996/米)役者根性を試しにかかるこのコスチューム劇はラッセルをナルシシズムに憩わせない。劇中で幾度も自己言及される彼の体のバランスの悪さは、ルームランナー、グライダー、津波を通じて罰ゲームのように絶えず実体化される。 [review]DSCH, ゑぎ[投票(2)]
★3ミッドウェイ(2019/米=中国=香港=カナダ)エド・スクラインの顔面映画である。エメリッヒ作品の湿ったセクシャリティを濃縮したようなあの顔が、極彩色の海原上をスペルマの飛沫の如く飛び交う曳光弾をかいくぐり、トヨエツ&浅野の二大ネオモンゴロイド顔と交錯。國村隼を大いに困惑させる淫猥さけにろん[投票(1)]
★4ナイト・オン・ザ・プラネット(1991/米)人の発見に長けたこの密室劇は、ベニーニのサイコ性をも的確に抽出せざるを得ない。前半の人情噺はこれでぶち壊しになるも、諦観に安住する趣味の悪いヘルシンキの結末にサイコの物的な迫力が何かしらの感慨をもたらしていると思う。けにろん[投票(1)]
★4対馬丸 −さようなら沖縄−(1982/日)磯野家をミサイルが直撃するのはこの手のジャンルとしては常套としても、順序がおかしいから本当にいきなり直撃してしまう。直撃後の漂流の尺が長い。それがおかしいのである。 [review]けにろん[投票(1)]