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disjunctiveさんの人気コメント: 更新順(24/35)

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★4イントゥ・ザ・ストーム(2014/米)竜巻を周回する巨大物の滞空感に愛嬌がある。莫迦という概念が目に見えるものとして表象されているのである。物体の運動によって担われた“莫迦”は、タイタス号が竜巻の中心に到達するや、今度は光彩によって表象され詩的な催涙喜劇となる。 [review]3819695[投票(1)]
★4故郷(1972/日)民子物が倍賞千恵子のアイドル映画ゆえに、男はつらいよが潜在的に持っている近親相姦的な不穏さが、渥美清の間男的な配役によって本作では美事に露見していて、その緊張が全編を引き締めている。 [review]けにろん[投票(1)]
★4雪の轍(2014/トルコ=仏=独)オッサンがMacBookで毎晩ブログ更新に勤しんでいる。この戦慄すべき俗物根性の発露に語り手の自覚はあるのか。彼が姉に糾弾されるように、確かに語り手の自意識はあって、主人公と語り手を同じ倫理水準に置けない類の話になっている。 [review]けにろん[投票(1)]
★3SAFE セイフ(2012/米)当時流行だったグリーングラス節といえばそれまでだが、志は高いと思うのである。どん底に落ちるステイサムという不可解をやる気の発現の問題と処理していて、覚醒をもたらす善性と遭遇する場面の抑制的な演出がやる気の励起を自然に見せている。 [review]けにろん[投票(1)]
★3るろうに剣心 伝説の最期編(2014/日)そもそも小人数で事件に対処する必要がない。鎮台兵を動員すればそれで終わってしまう。それを合理化するために小細工を重ねるから、たとえば畿内と志々雄甲鉄船と福山雅治隠居所のトポロジーが破綻してしまう。 [review]けにろん[投票(1)]
★3るろうに剣心 京都大火編(2014/日)薫殿が剣心へ殺生の禁止を命じるとき、彼女は自分がメスであることを利用している。それに応じる剣心のオス性の強度如何こそ物語の最大の主題であり難所でもある。 [review]けにろん[投票(1)]
★3るろうに剣心(2012/日)身のこなしがマンガベースであり、人の動作に時間がかかってしまう。演出家の制御が効く単体ならばまだしも、人と人が絡むとなると演技の文法が不明になる。後背のモブが所在なさげで、いかなる挙動をすればいいのか困惑しているように見える。 [review]けにろん[投票(1)]
★3皇帝のいない八月(1978/日)いちばん感激したのは、『戦争と人間』伍代財閥の大莫迦息子、高橋悦史の奇跡のような高度成長。これで地球は安泰だ。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★4殿、利息でござる!(2016/日)松田龍平がサイコパスか否か。これが争点となることにより、何かが恣意的であることの恐怖が地味な政策過程の叙述を政治スリラーと文明批評に変える。 [review]3819695[投票(1)]
★4華氏451(1966/英=仏)風刺に終始しては庶民の無学をあげつらうことになりかねない。リンダの造形には女性嫌悪の含みすらある。しかしオスカー・ウェルナーの船越英二然とした天然が無神経の迫力で事態を推し進めるとリンダに対する同情が生じる。 [review]ダリア, 3819695[投票(2)]
★4スポットライト 世紀のスクープ(2015/米)非当事者という職業の特性がキャラクターを埋没の危機に曝している。彼らの造形が空間の構成に沿って彫琢される一方で、その流動性に抗すべく造形の記号化は進み、物語はオッサンらの魅惑的な着せ替えショーと化す。話は棚ボタである。水那岐[投票(1)]
★3独裁者と小さな孫(2014/グルジア=仏=英=独)架空の舞台の構築に社会科学的なこだわりがない上で風刺を行おうとすると文体がマンガになりかねない。マンガであることは老人のサヴァイヴ能力を魅惑的に見せてくれるが、この老人が魅力的になるほど、苛政を行う人物像と矛盾を来してしまう。 [review]けにろん, ぽんしゅう[投票(2)]
★3無防備都市(1945/伊)マンフレディに対するご婦人のシナの作り様からマリーナの顛末に至るまで攻撃的な母性が充溢するのだが、攻撃性と母性がかみ合わないようにその充溢には不斉がある。 [review]けにろん[投票(1)]
★3母と暮せば(2015/日)爆心下の有様を定常的に観測することで無批評性という洗練の極限に達した精神が、最後には正視に耐えられない悪趣味なまでに絢爛とした画面を構成してしまう。さまざまな文法がただ混濁するだけではなく性質の振れ幅も巨大で戸惑うのである。 [review]けにろん, ぽんしゅう[投票(2)]
★4クレイジー・ハート(2009/米)オッサン向けハーレクインである。展開される現象に概して意味がないのである。趣味の合う異性が都合よく降ってきて、酒臭いメタボのオッサンに口説かれると紅潮する。断酒は一瞬で成功し、曲は作った傍から金になる。これを物語として編成する意味はあるのか。 [review]3819695, jollyjoker[投票(2)]
★3シェルブールの雨傘(1964/仏)発話音節数の制約下に置かれ、自ずと絢爛にならざるを得ないキャラクターの身振りが受け手に好ましく強いるのは、心理の節度が常に危機にさらされているという緊張である。エレン・ファルナーのいかにも俺好みな陰翳もこのストレスの反映である。寒山拾得, 3819695, けにろん[投票(3)]
★4BRAVE HEARTS 海猿(2012/日)この堂々とした航空パニック物は堂々とそれをやるほど海保とは関係のない話になってしまう。また、奉職概念に対する感傷的なアプローチは本作をきわめてドメスティックなものにしている。 [review]3819695[投票(1)]
★3スター・ウォーズ フォースの覚醒(2015/米)アダム・ドライバーのキモさが、人間の重厚さや状況の切迫感を犠牲にして、童貞二人が鞘当をやる少女マンガ的女権ハーレムの構造と中学生日記的青春群像性というシリーズの本質を存分に露曝させている。演出家の資質が活かされたのではないか。けにろん[投票(1)]
★3クリード チャンプを継ぐ男(2015/米)才能も金も女もある門閥貴族の二代目襲名披露そのものを、興行に耐えうる物語に仕立てるのはむつかしいだろう。その才能も金もアドニスの責任の範疇にはないからだ。責任がなければ共感を誘うような課題が生じがたい。 [review]Orpheus, けにろん[投票(2)]
★3アビエイター(2004/米=日=独)男の人生において病歴をどう位置づけるか、確定できないのは現実的だとしても、実際に話として提示されるのは、いかに症状が進んでも仕事には支障がないという不条理である。 [review]3819695[投票(1)]