コメンテータ
ランキング
HELP

jollyjokerさんのお気に入りコメント(1/65)

どうすればよかったか?(2024/日)★4 自戒と懺悔と追悼のドキュメンタリー。映画は映像のない画面に響く姉の嬌声で始まる。その音声記録は当時の姉の様態を医者に知らせるために記録したのだという。やがて映像制作に携わることになった作者の藤野知明はホームビデオ感覚で家族を記録し始めたようだ。 [review] (ぽんしゅう)[投票(1)]
愛に乱暴(2024/日)★4 淡々と日常を“こなしている”ように見える桃子(江口のりこ)だが、終始、彼女にまとわりつくような視線(カメラ重森豊太郎)が、この女の“ただならなさ”を暗示して不穏だ。その不穏が彼女の外部に起因するのか、内側から発散されているか、初めは分からない。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023/米)★4 昔のユニバーサルロゴ(Rレイティング表示及びミラマックスロゴなども)。溶明する前に指揮者の声が聞こえ、溶明すると男性ばかりの聖歌隊(クワイヤボーイズ)。大好きな賛美歌「あゝベツレヘムよ」を唄い出す。あゝクリスマスの映画だ、と思う。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
関心領域(2023/米=英=ポーランド)★3 エリートではないが職務を忠実にこなし、家族もないがしろにせず父親としても過不足はない。平凡な家の出であろう妻は、そんな夫がもたらしたプチブル生活に心底満足している。これは凡庸な小市民の偽らざる姿だし、私だって周りのことなど意に介さなくなると思う。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
夜明けまでバス停で(2022/日)★2 市民運動にとって本作の柄本明みたいな、いまだに造反有理アタマの中核系の老人ほど迷惑な輩はいない。しかも実行する気はないらしく、腹腹時計まで持ち出したあげくに都庁前の自嘲ではフィクションとしても酷かろう。肝心な処で逃げ出す情けない全共闘世代に居酒屋で長い愚痴聞かされた気分。 [review] (寒山拾得)[投票(2)]
せかいのおきく(2023/日)★4 小さな物語が好感度高く、とりわけ江戸末期の『糞尿譚』詳述が素晴らしい。しかし文明開化礼賛はいろいろ辛気臭いし、これがキネ旬1位とは小さかろう。 (寒山拾得)[投票(2)]
福田村事件(2023/日)★4 加害側の動機が綿密に描かれるのが大いなる美点、恐怖は人を狂わせる。放心したような最初の婦人が忘れ難い。朝鮮飴売りの碧木愛莉が可哀想で真剣に腹が立った。 [review] (寒山拾得)[投票(1)]
国葬の日(2023/日)★4 アベ支持者の可視化が実に面白い。何でみんな判で押したように「親しみ」なんて単語を使うのだろう。政治の噺はタブーの下関の喫茶店潜入がスリリングで、『REVOLUTION+1』は本篇よりこちらの方が格好いい。 (寒山拾得)[投票(3)]
怪物(2023/日)★5 是枝とは信じられない駆け足描写が終盤に来て突然に充実し始め、クリスティの推理劇のように全てが連関を始める。『奇跡』の無垢な新幹線は経験の廃電車となったが、もう『誰も知らない』のモノレールに乗ることはあるまい。小さな声に耳を澄ませた秀作。 [review] (寒山拾得)[投票(1)]
愛しのタチアナ(1994/フィンランド=独)★4 常に画面の中央に人間がいて、それなのに何もしない無愛想さがとても際立つ。それでもタチアナと心通わす成り行きは、派手ないきさつ渦巻く巷のラヴストーリーを蹴散らす力強さがあり、たまらない。 (動物園のクマ)[投票(3)]
12日の殺人(2022/仏=ベルギー)★3 猫の映画。冒頭は、犬が走るが。猫は、路上、被害者の写真の中、容疑者の1人であるDV男の彼女の部屋、そして墓地で映る。被害者が猫好きなのは確かだが、DV男も多分猫好きなのだろう(これの真偽も分からないが)。 [review] (ゑぎ)[投票(3)]
落下の解剖学(2023/仏)★3 「徐々に仔細が開示され事情が判ってくる」構成にするために最初から多くの手札が伏せられてるのは、誘導が露骨で気に入らない。頭いいやつがバカを騙してるみたいだ(オレがバカ役)。 [review] (ペンクロフ)[投票(3)]
コヴェナント 約束の救出(2023/英=スペイン=米)★3 山間の道を空撮真俯瞰の移動撮影。ドローンだろう。灌木や低木の山。アフガニスタン。字幕で状況説明が入る。冒頭は2018年。ジェイク・ギレンホール−キンリーのチームのメンバーを1人1人字幕を出して紹介するのは、フェイントだ。 [review] (ゑぎ)[投票(3)]
ヴェルクマイスター・ハーモニー(2000/ハンガリー=伊=独=仏)★4 鬱屈した空気のなかヤーノシュ(ラース・ルドルフ)は、自身の拠りどころを不変の象徴としての天体法則や、生命の偉大さの体現であるクジラの巨体に漠然と見いだしているようだ。主体性の喪失は停滞と軋轢、扇動と暴走、暴力と自滅を経て振り出しにもどる。自戒の物語。 [review] (ぽんしゅう)[投票(1)]
善き人のためのソナタ(2006/独)★4 共産主義の苛烈さって、この映画を遥かに超えるところにある。その悪い部分を引き継いだプーチンが現代に見せてくれてるんだが、今も闘っている人はいる。 [review] (t3b)[投票(1)]
3時10分、決断のとき(2007/米)★3 主役二人は大変。どっちにも見せ場が必要やし。誰が印象に残ったかといえばチャーリー。(2024/03/01/KOBCL) [review] (USIU)[投票(1)]
落下の解剖学(2023/仏)★3 上昇志向が強く自己実現のためなら家族(制度)は二の次だが、息子への愛情はないわけではなく、母親としてとるべき距離をとれない後ろめたさを、夫の弱点を(おそらく無意識に)過剰に利用することで心の平静を保ちつつ、制度に捕らわれない自身の性的嗜好には従順。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
ある精肉店のはなし(2013/日)★4 「瞬間」を捉える嗅覚に並外れて優れた撮影・録音スタッフや、カット間・シーン間・シークェンス間いずれの構成力にも長けた天才的な編集者でも擁するのでない限り、ドキュメンタリ映画が成功を収める鍵は「題材」ではなく「人物」が握っている。被写体たる人物の魅力が映画の面白さに直結する、はずだ。 [review] (3819695)[投票(2)]
ある精肉店のはなし(2013/日)★4 脳天へ一撃くらい、命ある存在から他者の命を育むべき食物へと牛が転生するさまは、神々しい陶酔感に包まれる。「生から死、そして新しい生」を導き出す儀式に没頭する者たち。彼らは神の畏怖を代理して、さらには人の業を代行して肉塊と格闘していようにみえた。 [review] (ぽんしゅう)[投票(1)]
ある精肉店のはなし(2013/日)★4 牛捌きの詳述を見るのは生まれて初めてだったが、人として知っておくのが当然だったという感想。そういえば牛の輪切りの件のある『木靴の樹』と本作は似たテイストがある。 [review] (寒山拾得)[投票(2)]