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★4 | 殺人者(コロシ)を追え(1962/日) | 美人の元カノに浮気され美人不信に陥っている小高雄二は、香月美奈子(カワイイ)に対してもツンツンと接するばかりである。訓話のお約束としては、香月が小高を人間不信から解放するのが筋であり、表向きはそうなる。が、 [review] | ひゅうちゃん | [投票(1)] |
★4 | 赤い殺意(1964/日) | 書架の形状が楠侑子の身体に科を作らせ、ストーキングへの憎悪を煽る。日常の凶器物が春川ますみのただの不作為を劇画にする。構造の支えを持たない露口茂はダメを加速させ、もはや憎悪を越えていくが、 [review] | ひゅうちゃん, けにろん | [投票(2)] |
★4 | みな殺しの拳銃(1967/日) | 宍戸がアップの切り返しに巻き込まれると、顔の対比によって彼はアンパンマンという人相学の被験体に過ぎなくなる。そのクラストの厚みはさまざまな不随的事象を体系づける。何よりもアンパンの感情表出が困難だ。 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | イレイザー(1996/米) | カーンの限度を知らない手際が国家不信をはるかに超えてピカレスクの痛快にすら至る。誰がこれを止めるのか。シュワは、大胆な汚職役人とイタリア系土俗倫理の引き起こす化学反応の触媒に過ぎなくなり、正義を実証する無色透明な一個の機制に還っていく。 [review] | DSCH, けにろん | [投票(2)] |
★4 | ドラッグ・ウォー 毒戦(2012/香港=中国) | 凡人こそ殺人マシンとする世界観が、香港人のナショナリズムを仮託されるかたちになっている一方で、凡人の報復を喰らった公安のオッサン(スン・ホンレイ)は、なぜゾンビ化してまで戦うのかという、不思議な情熱で物語を普遍化する。 [review] | DSCH | [投票(1)] |
★4 | ときめきに死す(1984/日) | 釣り、パチンコ、クッキング、ケンカ、セックス。独居中年の生活描写が、それ自体を見世物としながらも沢田の悲劇性を社会化する媒体となるように、筋の経済性が話を下品にしない。 [review] | けにろん, 煽尼采, ゑぎ | [投票(3)] |
★4 | トキワ荘の青春(1996/日) | 独身男の几帳面な生活が四畳半を兵舎化して、キューブリック美術のように廊下が独房のシンメトリーとなる。 [review] | DSCH, けにろん, ぽんしゅう | [投票(3)] |
★3 | 天国から来た男たち(2001/日) | 大塚寧々の芝居を手に余らせるVシネ的感性のくやしさが、遠藤憲一らを操状態に陥れながら、各種の失恋に肉薄してしまう。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012/日) | 冒頭の奪回戦では、受け手の感傷と劇中のアクションがリンクしない。劇中の人間には目的がある。わたしたちは、その目的やキャラの人間性に共感して初めて、活劇を自分のものとして把握できるのだが、この場面では、共感の手掛かりとなるような情報が開示されない。 [review] | pori, おーい粗茶, DSCH, Sigenoriyuki | [投票(4)] |
★4 | 嵐の勇者たち(1969/日) | 裕次郎が小百合を盾にして渡一家と合流するところ。小百合の小顔とあの顔厚が対比され遠近感が狂うあまり、「デケエ面してんな」とメタ突っ込みが入る。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | あるいは裏切りという名の犬(2004/仏) | 叙述的な警察映画だと誤解させてくるから、公務員のラテン的遵法感覚についていけなくなる。ヒゲ面のオッサンたちは眉間を起伏させながら、ひたすら飲酒・喫煙・脱衣・銃撃に勤しみ、肉体主義で質感と劇伴の安さを圧しようと忙殺される。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | ジェロニモ(1993/米) | 昼間の追跡で人の性能を展示し、夕べになれば焚火の前でオッサンが新人に演説を振るう。ジミー大西は素直だからオッサンの雄弁は留まるところを知らない。山場はいずれもオッサンの内紛である。 [review] | けにろん, ゑぎ | [投票(2)] |
★4 | そして僕は途方に暮れる(2022/日) | 寄生術が野村周平の天然に報復されるようなフラストレーションの仕込みと解消のサイクルがどこかで乱調している。リウマチの圧は戯画的な顛末で中和される。しかしそれを中和しては話が終わるから、 原田美枝子の性格は軌道修正してしまう。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | マスカレード・ホテル(2018/日) | 事実上のオムニバスに脈略を与えようとして劇伴が出来事を盛る。ロビーに入った客にオーバーアクトさせ、ホテルの格の指標とする。美術と演出がホテルの質感を保証できないのであり、バックオフィスに戻らないと画面が落ち着かない。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | 毎日が夏休み(1994/日) | 自閉スペクトラムを根性で矯正できるわけがないから因果がおかしくなる。火事場に義父を向かわせたのは拘りなのだが、その現場で矯正が勃発する。しかし向かえた時点で矯正の必要がない。主軸は矯正ではなく意図せざる善にあり、 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | 西鶴一代女(1952/日) | 冒頭から三船の野趣に腰を砕くように、男運の圧によって自在に変形する絹代の粘体感は順応力であり、薄幸の幾何学の型である。不幸の多面体に対応するうちに美術は意匠を失い、ネオレアリズモのような無国籍の郊外となる。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 幕末太陽傳(1957/日) | 個人の事情としては、その性能はここに置いておくべきものではない。局地的なこの遁走願望は階級脱出の体裁をとりながら、マルサスの限界に達した近世社会の窮状を概観する。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★3 | 女囚701号 さそり(1972/日) | 冒頭の川辺と経血に独房の漏水。これは本来タルコフスキーに近い代物と思われるが、東映東京というシステムは怪奇のフォーマットで対応する以外に術を知らない。 [review] | ゑぎ, けにろん | [投票(2)] |
★4 | ハンターキラー 潜航せよ(2018/英=中国=米) | 人を意地の発動へ追い込む段取りがある。主人が寄せてくる情が義理の負債を負わせる。何としても信用に応えたい切迫は同業の連帯感と混線しながら仮想敵に感化を及ぼす。それぞれの現場で培われる義理の網の目は合成され権力の正統性に力の裏付けを与える。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | 素晴らしき哉、人生!(1946/米) | 「友あるものは救われる!」――すいません、友だちいないのですが。 | モノリス砥石, Sigenoriyuki | [投票(2)] |