コメンテータ
ランキング
HELP

disjunctiveさんの人気コメント: 更新順(3/35)

人気コメント投票者
★4658km、陽子の旅(2022/日)菊地凛子は生体として逞しい人だ。漲る活力は観察しがいのある挙動を全編に渡ってもたらすが、完成体だから達成されるのは成長ではなく野性化であり、本来の自分に戻ったにすぎない。 [review]ひゅうちゃん[投票(1)]
★4女王陛下のお気に入り(2018/アイルランド=英=米)時代劇を共時的に語る矛盾がエマ・ストーンのIQから文化的背景を脱落させることで、政治の裏付けを欠いた野望が目論見を果たした際、何もやることがなくなるという寓話を達成している。 [review]DSCH, けにろん[投票(2)]
★4風と共に去りぬ(1939/米)幼年期が強制終了しても恋愛ファーストがつづく錯誤は、事を郷愁として扱う政治的背徳に苛まれた無意識の産物だ。劣化した成熟は時にコミックリリーフとなりながらも、メラニーの聖性が夫婦漫才をついに恋の焦らしへ精製する。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★437セカンズ(2019/日=米)紙媒体になぜこだわったのか。同人サイトを経由するのが普通だろう。雑誌がイベントの起点になるから前提の弱さが以降の尤もらしさを損なう。またヒロインには才能も度胸もあり最初から完成されている。自分の中には課題がないから自分探しは外へ向かう。 [review]ひゅうちゃん, けにろん, ぽんしゅう[投票(3)]
★4レイジング・ブル(1980/米)キャシー・モリアーティへの猜疑はヤクザ絡みで発動するように見えるが、ペシが猜疑心に呆れるように、ヤクザによる社会化の圧を逸らす処方になっている。 [review]けにろん[投票(1)]
★3コーダ あいのうた(2021/米=仏=カナダ)災厄に応じてコロコロと怒り泣き歪むお顔が、エミリア・ジョーンズのアイドル化をいよいよ甚だしくし、階級脱出劇はますます嘘くさくなる。代わりに課題として浮上するのは笑顔で人の足を引っ張る恐るべき母の自立だが、 [review]けにろん[投票(1)]
★4青い山脈(1963/日)芦川いづみの不感症を前にした二谷英明は顔を張られたという曖昧な物証に頼るしかない。感情は自らの外化のためにラヴコメ的スキンシップに邁進し、藤村有弘のプライヴァシーを侵害する。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4アメリカン・ギャングスター(2007/米)各々のくやしさに思想の裏付けがあり、彼らの啓蒙思想は道具や振舞によって可視化されている。デンゼルとラッセルは思想的に互換するから、序盤でデンゼルの課題が解決しても啓蒙が侵されたくやしさはラッセル組に継承される。 [review]けにろん[投票(1)]
★3危いことなら銭になる(1962/日)たとえば、武智豊子の老醜が、シガーというガジェットによって好意的に包摂される。遁走する宍戸の、脱兎のようでいて同時に緩慢な逃げ足の醸すこそばゆい滞空感が、話のこうした親和力を象徴するかのようだ。 [review]ゑぎ, けにろん[投票(2)]
★4ダブルボーダー(1987/米)管理職の大人たちは孤立に耐えかね既に廃人に達している。意外な戦場で同族を見出した獣たちには一時の交歓が訪れた。居場所を抹消した彼らの集団的な顛末はペキンパーというよりは戦国自衛隊である。 [review]けにろん[投票(1)]
★3ロング・ライダーズ(1980/米)ローカリズムを義賊行為の根拠にした強盗団を退治するのはブルーステートのそれである。この無思想はスロー濫用のヒロイズムを動物ドキュメンタリーの無感動で眺めながら、強盗の傍らで幾度も繰り返される男たちの求愛アピールに気まずさを効かせる。 [review]けにろん, ぽんしゅう[投票(2)]
★4アステロイド・シティ(2023/米)テネンバウムズ家を踏襲する際にトム・ハンクスを義理の父にしたために、死別した妻が人間関係を凝集させる。人々のかみ合わせが要求するこの精度を達成するために、50年代の時代設定と科学賞が民度を蒸留する。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★4こわれゆく女(1975/米)筋の成立は症状の亢進を前提とするが、最初から振り切れているジーナにはもはや演技の引き出しが枯渇している。活を入れるべく共同体体質のピーター・フォークがやたらと人を連れ込んでくる。 [review]けにろん[投票(1)]
★4ヘルドッグス(2022/日)デザイナーズマンションで地上を覆い尽くしたい審美感には含羞があり、その笑いの紛らわしは非ゲイアピールをゆるふわにしつつ、坂口健太郎の善性を誤用してしまう。 [review]けにろん, ひゅうちゃん[投票(2)]
★4縞模様のパジャマの少年(2008/英=米)早熟を強いられた少年との苛烈な対比によって、未成熟を糾弾する父権の神話へと社会小説が変貌する。それはインテリの暗い嗜虐と共謀して、成熟を逸した人間たちを始末する悪趣味な手際へと飛躍するが、同じ心性は元医師の囚人には同情的な造形を実装する。jollyjoker[投票(1)]
★4Revolver リボルバー(1988/日)サイコを退治する自警行為の俯瞰図は、自警が違法だからこそ無意識の営みに落とし込まれる。沢田から少年へ銃をリレーするのは徳のタイプキャストである小林克也である。 [review]けにろん[投票(1)]
★4ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018/米)そもそも完成されている少年少女なので成長譚としては弱く、むしろ少年少女地獄変であり、折角築かれたオッサンらの屍の山が無駄に見えてしまう。 [review]DSCH, シーチキン[投票(2)]
★4泥の河(1981/日)現代を主張してやまない橋の欄干や路面に仮構の苦悶がある。出来杉た田村&藤田夫婦の聖性は、昭和後期のモラルと人相の産物なのか、その人固有の善なのか。 [review]けにろん[投票(1)]
★4反撥(1965/英)内省は発見されるがそこには語るべきものがない。物に代言されるメンタルは女の後背で交通事故を引き起こすが、彼女は内省の及ぼした世界改変に気づくことなく雑踏を通り過ぎる。これはダンディズムである。 [review]けにろん, DSCH[投票(2)]
★4キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014/米)茶番に社会的実体を与えようとすると却ってリアリズムの苦悶に陥る。各人の運動能力の秤量に由来する負荷はスタンのIDクライシスのヒロイズムを損なう。レッドフォード劇場は月面のようなその顔の古層にエヴァンスの嘘くさいスリックな相貌を告発させる。 [review]けにろん[投票(1)]