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けにろんさんのコメント: 投票数順

★3サウンド・オブ・サイレンス(2001/米)ブリタニーが出色なこともあり導入部分は『羊たちの沈黙』逆バージョンとして期待も高まるのだが、単なる記憶探しに話が縮こまってしまい、つまんないことこの上ない。映像表現も役者も1級といっていい出来なのに脚本の練りが全然足りない。勿体無い。[投票]
★3レインメーカー(1997/米)コッポラらしい冴えが見られないと言うより、最早、ある意味らしいと思えてしまう弛緩ぶりが侘びしいなりにも納得させる普通の映画。撮影や美術に決定的タレントを欠いたがミッキー・ロークを筆頭に脇を固めるキャストが辛うじてらしさを感じさせた。[投票]
★3ナイト・オン・ザ・プラネット(1991/米)ダラダラとピリッとしないのが身上のジャームッシュが小粋な話を狙ったものの、結局どの挿話も案の定に締まらない。乗れない者にはとことん乗れない。キャスティングのみが彼我のリスペクトを拮抗させ小粋だ。「パリ」と「NY」が敢えて言うなら好み。[投票]
★4勝手に逃げろ/人生(1979/スイス=仏)ミエビルヨーコ・オノみたいなものなんだろう。だとすれば、これはゴダール版「ダブル・ファンタジー」で、となれば当然カリエールの手によると思われるユペールパートに尽きる。ブニュエル臭溢れる執拗な変態味がマジ笑えるのだ。[投票]
★2路〈みち〉(1982/スイス=トルコ)獄中より指示しての作業でどれ位作品を支配できるのか解らぬが劇作はともかく描写は西洋文化のフィルターを通したものにしか見えなくて凡庸。切実な悲嘆や絶望は表層化され薄っぺらい。カンヌ受賞はジャーナリスティックな側面抜きには考えられなかったろう。[投票]
★3トリコロール/赤の愛(1994/スイス=仏=ポーランド)イレーネがどうにもモデルに見えず設定に疑問を持つ一方でトランティニャンの出歯亀爺いをヤケにもったいぶって見せるがさしたる内実を欠いている。単一テーマで強度を得た前2作に比し総括的な何かを模索した形跡はあるのだがスカシっ屁で終わった。[投票]
★3身代金(1996/米)誰でも一度位はアイデアを思い付く。問題はそれを如何に深化させ派生の枝を広げ物語の揺るぎない骨子と成し得るかだが、本作は拡散して焦点ボケした。演出も丁寧だが律儀すぎてメリハリに欠け脚本の欠点を補えていない。パラノイアも昇華せずに糞づまりだ。[投票]
★3陰謀のセオリー(1997/米)前代未聞とも言える魅力的なパラノイアキャラをヘルゲランドは創造し得たと思うしメルギブのテンションも世界を補完するのだが、御用監督での製作となって緩んだことが惜しい。もっと偏執的にキャラを突っ込んでいけば、もしやと思わせた作品だった。[投票]
★3スラム砦の伝説(1984/露)あまり深く考えずにイメージの世界に浸ろうとしたが、深く考えなかったのが災いし物語がさっぱり入って来ず「砦」とか「伝説」といった中世的イメージとは無縁の土着世界に戸惑うだけ。復讐をめぐる編年奇譚は画力への注力の後方で内実を訴求することはない。[投票]
★2スパイキッズ2 失われた夢の島(2002/米)子供が主人公の映画が嫌いなわけじゃないが作り手の大人が子供に媚びた映画は反吐が出そうだ。葛藤というものがない迎合的な出来合のお子様ランチを嬉々として作る大人は気持ち悪い。1作目の不快部分の拡大再生産。ハリーハウゼンも墓場で泣いている。[投票]
★3死霊のはらわた(1981/米)皆余りに簡単にゾンビになっちまって、しかも出ずっぱりに出るもんだからサスペンスというものが無い。恋人同士の交わす視線の思わせぶりの馬鹿マジさや終盤のアヴァンギャルド風味なたたみかけ等好きなとこも多いのだが…。スタディカムは使いすぎやろう。[投票]
★1日本の黒幕(1979/日)山本大島ヴィスコンティの間で揺れ惑うに降旗では凡庸すぎ。多分に壮大だったたらしい意欲的題材なのに末端ファクターのテロリストや近親相姦がらみの愛憎劇で幕間をつなぐしかなかったのが情けない。それは上辺と拮抗してこそのものだ。[投票]
★3シャーロックホームズの冒険(1970/英)パロディとしての彼是は俺には解らぬのもあり舞台がロンドンの前半はけっこうダレる。スコットランドに移ってからの描写の方が好き。後半、漫画に堕したと言おうが哀切極まりないラストだけでも見る価値あり。ニヒリズムとペーソスのブレンド加減がいいのだ。[投票]
★3ディスクロージャー(1994/米)セクハラという「売り」を除いたときに浮かび上がる、ギミック無い真っ当な企業内サスペンスを平凡とは思わなかった。クライトンが『ライジング・サン』と連発したこれは面白くは出来てるが、レビンソンの演出があんまり「変」じゃ無い分つまらない。[投票]
★2ユーズド・カー(1980/米)荒野に道を隔てて向き合う中古車屋の販売合戦という如何にも映画的な設定。なのに全然面白くない。カート・ラッセルがコメディに向いてないのもあるのだがアメリカン・ローカルなギャグの釣瓶打ちが性に合わない。自棄のようなクライマックスは虚しい。[投票]
★2おかしなおかしな大追跡(1972/米)スラプスティックはシテュエーション・コメディより難易度が高いことをマザマザと見せつけられる。命を張らんばかりの芸のみが感銘を与え得るのに坊ちゃん嬢ちゃんのママゴト芸を頭でっかちが撮ったって小賢しさしか覚えない。[投票]
★4カントリー(1984/米)労働を描き声高に抑圧に抗することを描くと左がかる。『怒りの葡萄』から『プレイス・イン・ザ・ハート』に至るまで巧みにそれを回避し得たのは抑制でありこの映画にもそれがある。ラングのピークを形成する作品でありピアース一瞬の瞬きでもあった。[投票]
★3資金源強奪(1975/日)肝心の襲撃計画なぞが「絶対に成功する訳ない」と思えるぞんざいなものでクライムアクションとしては最低なのだが、梅宮の極道デカが出てきて俄然、画面は躍動を始める。汚い奴らの騙し合いを、もっとスマートに描けていたらと思うが無い物ねだりだろう。[投票]
★3おせっかいな天使(1993/仏)とりたてて美人でもハンサムでもない女と男たちが、何の計算もない転がり放題のストーリーを駆け抜けて行く。それも又人生とは言え乗り損なうと全く乗れない。心を病むということが過剰に喧伝される今、この軽やかさと衒いの無さはある種の本質をついている。[投票]
★2陽炎(1991/日)藤純子みたいな嬢さんキャラが演じる女博徒であればこそ出てた悲哀や筋を通すというロジックが能面的樋口では今一出ないうえエロくも下世話にも成りきれない。従って上っ面をはったりのみでトレースした五社演出は浅薄で徹底的にアホらしいのだ。[投票]