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けにろんさんのコメント: 投票数順

★1俺は上野のプレスリー(1978/日)制作当時でさえアナクロであった純情男の恋がヘナチン男なのに簡単に成就してしまうのが温すぎるし超迎合的である。、しかも、それをクド過ぎる吉幾三カルーセル麻紀をサブストーリーに配し縁取るとあっては見てるのが一種の苦行にさえ思えてくる。[投票]
★3ボクサー(1977/日)絶妙にクールな因縁関係の師弟を設定し程良い前衛を交えて過不足無い展開を見せるのだが文太のやさぐれ感はともかく天井桟敷による又かの市井の人々が過剰であり、又具志堅等の本物を出してしまったのが否応なく虚構を浮かび上がらせてしまった。[投票]
★1ベンジー(1974/米)動物を擬人化して描く胡散臭さに目を瞑っても余りにベンジーが良い子ちゃんを演じてるのが明らさまで飼い馴らされることに迎合的なのが不愉快。何よりこんなしょもない映画がヒットすることで調教師のデブ爺がどえらく稼いだと思えば心中穏やかでは見れない。[投票]
★3ダンテズ・ピーク(1997/米)火山噴火の描写を溶岩とか火山弾ではなく火砕流中心に描いたビジュアルが新鮮で粉塵に街が飲まれるシーンだけでも見る価値はある。物語が余りに在り来たり且つ局所的すぎてスケールを貶めてしまったが、自然災厄映画として頃合いの真摯さとドライネスを持つ。[投票]
★3ピロスマニ(1969/露)数多ある没後に評価された薄幸の画家物語として殊更心揺さぶるものでもない。基本働くの嫌い酒大好き野郎なので冷視線を拭えないのだ。が、ピロスマニの作品を丸ごとフィルムに定着させたかの如き一貫したトーンの統一がなされ意図せぬギミックに溢れている。[投票]
★3母を恋はずや(1934/日)オープニングとラストが欠落状態では肝を欠いたも同然だが、にしても何の変哲もない母物で可もなく不可もない。先腹実腹の同趣向設定の裏を当然に行くかのような展開が品位にしてもドラマトゥルギーの発露は抑制される。没落の加虐性も哀惜にすり替えられた。[投票]
★3ロビン・フッド(1991/英)製作マクティアナンが何処まで噛んだのかは知る由もないが、『プレデター』のジャングル描写にセンスを感じた者なら本作のシャーウッドの森にもその片鱗を嗅ぐかも知れない。アーヴィンにしては意外な程堅実な出来だが主役を含め役者に華が無さすぎ。[投票]
★3炎の肖像(1974/日)ろくすぽストーリーを構築する気もなくでっちあげたシラケ&ド艶歌紋様だが、関わり合う男も女もロックスターのステージの裏側の空虚な孤独を浮き上がらせる為に意味不明の記号として配置されたのがいっそ心地良い前衛加減。ライブシーンもいいさびになった。[投票]
★4アルフレード・アルフレード(1972/米=伊)この世の異界に引き込まれてしまったかの如きシチュエーションは伊映画界にひとり放り込まれたアメリカ人のホフマンだからこそ醸し出せた味だったかも。女難と離婚のジェルミ自家籠中題材への執念を感じるしサンドレッリの可愛い悪妻が又ナイス。[投票]
★3ワンス・アンド・フォーエバー(2002/米)ドラッグもストーンズも未だ無いベトナム。完膚無き負け戦にまみえた50年代アメリカ理想主義は友愛精神も高らかに未だ穢れを知らない。斜に構えぬ平明な描写は悲惨な戦闘状況を的確に描写するがイラク戦争下でこれが製作された意図は際どく図りかねる。[投票]
★2ハリウッドにくちづけ(1990/米)スタ誕』の昔からめんめんと語り継がれる食傷気味なハリウッド内幕再生物語に何ひとつ新味ある解釈を加えずに御用監督に成り下がったニコルズ演出も黄昏の醜態を晒す。せめて、リアリズムかコメディか位は明確にしてほしかった。バルハウスも大甘。[投票]
★3サウンド・オブ・サイレンス(2001/米)ブリタニーが出色なこともあり導入部分は『羊たちの沈黙』逆バージョンとして期待も高まるのだが、単なる記憶探しに話が縮こまってしまい、つまんないことこの上ない。映像表現も役者も1級といっていい出来なのに脚本の練りが全然足りない。勿体無い。[投票]
★3レインメーカー(1997/米)コッポラらしい冴えが見られないと言うより、最早、ある意味らしいと思えてしまう弛緩ぶりが侘びしいなりにも納得させる普通の映画。撮影や美術に決定的タレントを欠いたがミッキー・ロークを筆頭に脇を固めるキャストが辛うじてらしさを感じさせた。[投票]
★3ナイト・オン・ザ・プラネット(1991/米)ダラダラとピリッとしないのが身上のジャームッシュが小粋な話を狙ったものの、結局どの挿話も案の定に締まらない。乗れない者にはとことん乗れない。キャスティングのみが彼我のリスペクトを拮抗させ小粋だ。「パリ」と「NY」が敢えて言うなら好み。[投票]
★4勝手に逃げろ/人生(1979/スイス=仏)ミエビルヨーコ・オノみたいなものなんだろう。だとすれば、これはゴダール版「ダブル・ファンタジー」で、となれば当然カリエールの手によると思われるユペールパートに尽きる。ブニュエル臭溢れる執拗な変態味がマジ笑えるのだ。[投票]
★2路〈みち〉(1982/スイス=トルコ)獄中より指示しての作業でどれ位作品を支配できるのか解らぬが劇作はともかく描写は西洋文化のフィルターを通したものにしか見えなくて凡庸。切実な悲嘆や絶望は表層化され薄っぺらい。カンヌ受賞はジャーナリスティックな側面抜きには考えられなかったろう。[投票]
★3トリコロール/赤の愛(1994/スイス=仏=ポーランド)イレーネがどうにもモデルに見えず設定に疑問を持つ一方でトランティニャンの出歯亀爺いをヤケにもったいぶって見せるがさしたる内実を欠いている。単一テーマで強度を得た前2作に比し総括的な何かを模索した形跡はあるのだがスカシっ屁で終わった。[投票]
★3身代金(1996/米)誰でも一度位はアイデアを思い付く。問題はそれを如何に深化させ派生の枝を広げ物語の揺るぎない骨子と成し得るかだが、本作は拡散して焦点ボケした。演出も丁寧だが律儀すぎてメリハリに欠け脚本の欠点を補えていない。パラノイアも昇華せずに糞づまりだ。[投票]
★3陰謀のセオリー(1997/米)前代未聞とも言える魅力的なパラノイアキャラをヘルゲランドは創造し得たと思うしメルギブのテンションも世界を補完するのだが、御用監督での製作となって緩んだことが惜しい。もっと偏執的にキャラを突っ込んでいけば、もしやと思わせた作品だった。[投票]
★3スラム砦の伝説(1984/露)あまり深く考えずにイメージの世界に浸ろうとしたが、深く考えなかったのが災いし物語がさっぱり入って来ず「砦」とか「伝説」といった中世的イメージとは無縁の土着世界に戸惑うだけ。復讐をめぐる編年奇譚は画力への注力の後方で内実を訴求することはない。[投票]