コメンテータ
ランキング
HELP

けにろんさんのコメント: 投票数順

★2ローラーボール(2002/日=独=米)70年代であるならば未だしも意味を持ちえた「反権力」を21世紀の映画に於いて何の工夫も無くトレースする錯誤感と肝心の「ローラーボール」のゲームがチマチマして局所的な描写に終始するのが救われない。[投票(1)]
★3スペース カウボーイ(2000/米)頑張る爺ちゃん的コンセプトは相当に黴臭いが、イーストウッドは当然に自虐とは無縁で頑固&助兵衛路線を貫徹する。ただ、今回は良いとこをトミー・リーに全て譲った感があり泣かせる。VFXがドラマと親和しないのは『ファイヤーフォックス』並み。[投票(1)]
★2ハイヒール(1991/仏=スペイン)「母」或いは「母性」と言うものに対する思いのたけのベクトルが理屈では解かってもアルモドヴァル流に捏ねくり回されて提示されたとき、どうも俺にはピンと来ない。アブリル他出演者全て覇気無く燻っている印象。[投票(1)]
★2それから(1985/日)暗い筈の明治をこういうモダニズムでとらえることがありきたりで白けるし、シュールな意匠はオープンセットを組めない逃げにしか見えない。ガタイのでかい優作は精一杯神妙にしてみせても内省的な高等遊民とは程遠い。[投票(1)]
★3はなればなれに(1964/仏)物語を語るのにてらいがあっては観客は白けるのだ。ゴダールはわざとゴッコの振りをし、若干のカリーナへの色気を交えておどけてみせるが正直醜悪である。ただ他の何本かの崩壊し切った代物よりは多少物語の態を成してはいる。[投票(1)]
★3太陽の少年(1994/中国=香港)良く出来た年代記もので且つ少年時代の話というのは王道的売れ線要素だが、一方で余りに多くの作品があるので余程オリジナリティが無いと埋没する。年寄りと子供しかいない空虚な街という設定を活かしきれていない。[投票(1)]
★3運命の逆転(1990/米)さしずめ、日本だと清張原作、野村芳太郎監督作みたいなもの。胡散臭さに於いて当代随一とも言うべきアイアンズクローズの充実演技と米ブルジョワの生活の丹念な描写の珍しさが見所。しかし、モデル存命中で結論付け出来ず盛り上がらない。[投票(1)]
★4悲情城市(1989/台湾)評価が決定的になった侯孝賢が己れの手法に絡め取られたような窮屈さを感じる。同じ構図で再三出てくる坂道のクドさや、いかにもオリエンタル情緒な立川直樹の過剰音楽がうざい。『恋恋風塵』と相似とは言え4男絡みの挿話の詩情は素晴らしい。[投票(1)]
★2去年マリエンバートで(1961/仏=伊)何が本当で何が妄想なのか…この映画を観たことが妄想だったような気がする。難解は嫌いじゃないが、終始ゆっくりとトロトロ移動するカメラの動きの、はまったツボが俺のレム波動だったのであろうか…。[投票(1)]
★4心の香り(1992/中国)この爺さんにしても少年にしても依って立つモノ(京劇)があるから孤独を凌いで行ける。その現実認識がスーパークール。しかも隣家の少女がこれ又スーパークールに可愛い。[投票(1)]
★4あにいもうと(1953/日)保護慾をからっきしそそらない大年増的京マチ子の妹も腺病質的中年インテリゲンチャ森雅之の荒くれ兄貴もそれなりに見れてしまうから不思議である。厭世的成瀬イズムを底辺に流したのが通りいっぺんなお名作に終わらない味を醸し出している。[投票(1)]
★3失楽園(1997/日)原作を読んだわけではないが、割り切ってポルノにすべきだったのを下手におしゃれに細工したのがつまらない。表層的とまでは言わないが行き場を失った男女の刹那的愛慾地獄は感じられなかった。黒木瞳のところどころ地が出るような台詞廻しは良かった。[投票(1)]
★4こころの湯(1999/中国)癒しを標榜する映画は好かないが、これは癒し場を背景にしただけで、その実登場人物達は徹底してドライニ突き放されている。映画の前後に同尺の物語があってもいい、その中盤とも言うべき部分を説明無く抽出したのが、それで語れるという作者の自信だと思う。[投票(1)]
★3天使の涙(1995/香港)ギミック塗れの文体と技法の錯綜が来るとこまで来たという感じで、もともとに共感を抱きようがない登場人物たちがその技法に埋没し全く何も訴えて来ない。ただこういう行くとこまで行きついた振れ切れ方は作家としての通過点としてなら一種清々しい気もする。[投票(1)]
★3ハッシュ!(2001/日)何も未だ起こらない前半は良い。しかし、主人公達が心の奥底を曝け出す筈の中盤以降も秋野暢子の役にやけに露悪的な力点を置いたりして焦点ボケだし起爆剤としてのつぐみの役がこなれてなく唐突。そんななか片岡礼子も感情の波を御しかねている。[投票(1)]
★3暴走特急(1995/米)立った敵キャラもおらず謀略のアイデアも亜流だが、それでも山岳地帯を疾走する列車を舞台にしただけで映画とはかくも面白くなる。疾走感と景観のロマンティシズム。大味且つサービス精神てんこ盛りで恥ずかしげもなく新旧のアイデアをぶち込み飽きさせない。[投票(1)]
★3友へ チング(2001/韓国)どっかで見た印象の話なのは仕方ないとしても、ヤクザの息子を中心に対立軸が優等生とグレていく奴の2つあるのが盛りすぎで結果どっちとも浅い。撮影面での銀残しやライティングやフィルターワーク、70年代を表象する数々の小道具等は素晴らしいのだが。[投票(1)]
★4白いドレスの女(1981/米)新人監督による絵に描いたように巧い50年代「ファム・ファタール」ミステリーの再現に酔うが、オタク的なオマージュに終わらないのは渇いた色気の大女ターナーのプレーンな美貌とド迫力の賜物。それは80年代が纏った明け透けな肉体性を体現している。[投票(1)]
★3男はつらいよ 寅次郎の休日(1990/日)寅どころか満男さえも脇役に甘んじるゴクミシリーズ2作目にして彼女1本かぶりのお話なのだが、それが又何ともありきたりのファザコン内容で、狼狽するだけの唐変木満男に鬱憤が蓄積し寅は寅で夏木マリから歯牙にもかけられないという冴えない内容。[投票(1)]
★4ビューティフル・マインド(2001/米)終映後に甘いタイトルの逆説的な意味を噛みしめながら思った。この映画を余りに卒の無い演出と2段転調脚本の巧みな優等生振りから救ってるのは作り込んだクロウが発する狂気をとそれを受けて立つコネリーの発する迫真のオーラ。普遍は狂気に転ずる。[投票(1)]