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★3 | 映画 聲の形(2016/日) | 声を失った人間の内面に言及が少ないのは、台詞に依存してキャラの感情を説明しようとするロジカルな態度の証左なのだろう。 [review] | 緑雨, ペンクロフ, けにろん | [投票(3)] |
★3 | 天使のはらわた 赤い淫画(1981/日) | 男は性欲を美化したいのだがやはり拘泥はあって、そこに女が惹かれるのも無理がある。その曰く言い難さに苛立つ自警団の不条理な迫力が喜劇じみてくる一方、無茶な恋が無茶だからこそ到達できる感傷もある。 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | AI崩壊(2020/日) | この手のジャンルは彼我ともに何でも出来るゆえにスリラーの均斉が保ち難い。 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | トロイ(2004/米) | 色ボケの無能のせいで殺し合う事態にどう移入すればいいのか。オーランド・ブルームの尻を拭うエリック・バナには苦労人の徳があり、これがブラピと緩い連帯を結ぶ筋となれば、ブルームの無能が有能という現象の引き立て役になる。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 決算!忠臣蔵(2019/日) | テクノクラシー賛歌と思わせながらソロバンが状況を動かすことはない。彼らはただ悲酸と無能を計数化することで、無能が無能ゆえに追い込まれる様を簡潔に表現するのみである。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | フォードvsフェラーリ(2019/米) | 通例、カット割りで表現するしかない速度の体感をベールは凸凹の面貌で体現する。フェラーリとベールでは負け犬同士の潰し合いにしかならないところへ、スピードとは程遠いジミー大西の骨相がラテン人に軽侮を加えてくる残虐劇。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | アウトロー(2012/米) | ナルシシズムを異性との不自然な間合いの中で捕捉しようとする実証精神が、市井の人々との偶然の連帯の中に、観念的自由が具体化する瞬間を目撃する。自由をめぐる社会時評がナルシシズムに隷属することで無毒化されて抵抗なく受容できてしまうのである。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | ゼロ・ダーク・サーティ(2012/米) | 作戦を実行するのはDEVGRUのオッサンらである。その作戦の決行を判断するのもオッサンたちだ。これはマヤがいなくとも成立する話である。少なくともそう見せてしまう。そこに語り手が抱える人生の課題が痛切に表現されている。 [review] | ゑぎ, 緑雨, DSCH, ぽんしゅう | [投票(4)] |
★3 | 洲崎パラダイス 赤信号(1956/日) | 今度生まれ変わるときは河津清三郎になりたい。 | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★4 | 検察側の罪人(2018/日) | “清和会”的センスを嫌悪するキムタクの書斎が何よりも悪趣味な設えなのである。正義の相互嵌入的な営みに言及する筋であるから一見して納得できる意図だが、参禅を始めとするキムタクの悪趣味について、作者が果たして自覚的なのかどうか。 [review] | ぽんしゅう, けにろん | [投票(2)] |
★4 | SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者(2012/日) | 鬱積と浄化のサイクルを精緻に構築する審美感は、人間が互いに暴力を振るい合おうと試みて生に身を投じようとする際には、忖度の応酬となる。因果への固執は偶然への嫌悪に基づいていて、能力は捕捉されるという確信に充溢している。 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | 散り椿(2018/日) | 岡田准一のナルシシズムが西島秀俊の年季の入ったそれに包摂され無毒化され、ふたりのナル合戦に巻き込まれた奥田瑛二と池松壮亮の渋面を享しむゆとりが出てくる。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | 白い肌の異常な夜(1971/米) | 熟女の性欲と女の甲斐性。パラメーターの複雑さがペイジの造形を曖昧にしてサイコ化する筋が、イーストウッドの性欲の在処までも乱調させて不明瞭にする。彼の視点に受け手が定着できず、その被る恐怖が見えてこない。
| DSCH | [投票(1)] |
★4 | 鮫肌男と桃尻女(1998/日) | 浅野忠信の徳操が我修院との関係を通じて高く引き上げられる。ギークとヤクザのマッチングをめぐる作者の羞恥が均斉の妙に達すれば、緩い連帯が何かの予兆となる。文系の意欲に負けてさじ加減を誤ると、便利すぎる我修院が関係者の尽力を台無しにする。 | DSCH | [投票(1)] |
★4 | 残菊物語(1939/日) | 名古屋での復帰でお徳が女難化している。お徳への未練が菊之助の復帰を拒むトレードオフが出来上がる。名古屋が事実上の結末であって、以降は消化試合になりかねないところを、お徳が邪魔をせぬかどうか、その女難化がサスペンス感をかえって高揚させている。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★4 | 人情紙風船(1937/日) | 美術の集積度が窮乏の豊饒さに至る撞着は人間の鋳型の次元へ翻案され、無能の執拗な定義づけを始める。シニシズムは不幸の圧縮と加速には加担せず、長十郎を翫右衛門と対比させることで、ダメ男が退治されるまたひとつの撞着した浄化へと向かう。 | 3819695, 寒山拾得 | [投票(2)] |
★3 | パターソン(2016/米) | アダム・ドライバーの如何にも暗黒面なタイプキャストの不穏で盛り上げるイヤらしさをファラハニが救っている。彼女の痛ましい天然さがカップケーキという生活力に拡張され、好ましさに変わることで。 [review] | 緑雨, 鷂, DSCH, けにろん | [投票(4)] |
★4 | つぐない(2007/英) | マカヴォイの堺雅人状のサイコパス顔にナイトレイの受け口が咬み合うと、慄くような艶冶になる。これはかみ合わせの映画であって、達観しがちなマカヴォイには憐憫の余地が少なく、切実さは心象ではなく地勢に託され、男はダンケルクの立体的な浜をさまよう。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★4 | さびしんぼう(1985/日) | 尾美としのり一派のコメディーリリーフが本編を侵食する恐ろしい冗長。藤田弓子が前触れなく焦点となるあまりにもカジュアルな近親相姦。これらの禍々しさが女子高生モードの富田靖子を引き立てるとき、可愛さという痛切が時間と関連することを知らされる。 [review] | 寒山拾得, ぽんしゅう, けにろん | [投票(3)] |
★4 | アヒルと鴨のコインロッカー(2006/日) | 濱田岳の生活感が瑛太を巡る事件の如何にもな道学臭に至ってしまう諧調のなさを戯れとして消化しようにも、メルヘンは獰猛に受け手の馴致にかかる。これは何か。 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |