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ぽんしゅうさんのあらすじ: 投票数順

★3ザリガニの鳴くところ(2022/米)1969年。米ノースカロの湿地帯で町の有力者の跡取り青年チェイス(ハリス・ディキンソン)の死体が発見される。わずかな証拠と住民の偏見から「湿地の娘」と蔑まれていたカイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)が殺人容疑で逮捕された。6歳のときに彼女の家族は離散。以来、この湿地帯でひとりで生き抜いてきた。そんな生い立ちを知るのは雑貨店の黒人夫婦と初恋の青年テイト(テイラー・ジョン・スミス)くらいだった。住民たちの偏見にさらされ陪審員裁判にのぞむカイヤの弁護を、すでに引退していた老弁護士トム(デヴィッド・ストラザーン)がかって出るのだった。原作は動物学者ディーリア・オーエンズのミステリー小説。(125分) [投票]
★4リコリス・ピザ(2021/米)1973年、ロスアンゼルス郊外。15歳の自称天才子役のゲイリー(クーパー・ホフマン)は、25歳のアラナ(アラナ・ハイム)をナンパ。年下の誘いにとり合わないがまんざら悪い気はしないアラナ。そこで恋人は無理だがゲイリーのビジネスパートナーになった。それをきっかけに彼女は、女優としてオーディションを受け、ハリウッド俳優(ショーン・ペン)や監督(トム・ウェイツ)、名物プロヂューサー(ブラッドリー・クーパー)との珍事を経験し、若き政治家(ベニー・サフディ)の選挙ボランティアへと退屈な日々が変転する。歳の差カップルの付かず離れずの恋愛模様を描くポール・トーマス・アンダーソンの青春ラブストーリー。(134分)[投票]
★3MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022/日)大手広告会社の下請け企画会社。ステップアップの転職が内定しているワーカーホリックぎみの吉川(円井わん)は、ひとりで仕事を背負い込み部員を巻き込みながら一週間後のプレゼンに向けてドタバタの日々。そして泊まり込みの土日出勤をこなしプレゼン当日の月曜日にオフィスで朝を迎えた・・・のだが。不思議なことに部員たちは"この月曜日”に向かっての「地獄の一週間」をタイムループしながら何度も繰り返していた! それに気づき始めた部員たちはループの原因が部長(マキタスポーツ)にあるとにらんで脱出計画を実行するのだが・・。YouTubeを手掛ける夏生さえり脚本を同じく多彩な映像分野をこなす竹林亮監督が劇場映画化。(82分)[投票]
★4あちらにいる鬼(2022/日)1966年。気鋭の作家として注目されていた長内みはる(寺島しのぶ)は講演旅行で一緒になった戦後派文学の旗手白木篤郎(豊川悦司)が放つ"男の色気”に胸騒ぎを覚えた。気持ちを抑えきれないみはるが、口実を作って訪れた白木の家には幼い娘と妊娠中の妻笙子(広末涼子)の姿があった。しばらくすると今度は白木が、みはるが若い男(高良健吾)と同棲している瀟洒な家に突然やってきた。やがて二人は深い関係になるが、女性にだらしない白木に、みはるの心は揺れる。そんな二人の関係を知りながらも笙子は淡々と良き妻であり続けるのだった。父親である井上光晴瀬戸内晴美の不倫をもとにした井上荒野の同名小説の映画化。(139分)[投票]
★5窓辺にて(2022/日)自分の気持ちに正直で少し不器用なフリーライターの市川(稲垣吾郎)は、ある悩みを抱えていたが誰にも相談できずにいた。そんなとき友人のプロスポーツ選手・有坂(若葉竜也)から引退の話を聞かされ、文学賞の取材で知り合った女子高生作家・久保留亜(玉城ティナ)から個別に会いたいと連絡が入る。女性タレント(穂志もえか)と浮気する有坂と、その妻のゆきの(志田未来)。久保留亜が小説のモデルにした青年(倉悠貴)たち。そして編集者で担当の人気作家・荒川円(佐々木詩音)と不倫している市川の妻・紗衣(中村ゆり)。周りのみんなも、それぞれ悩みや後ろめたさを抱えていた。今泉力哉のオリジナル脚本&監督作。(143分)[投票]
★4アフター・ヤン(2021/米)近未来。ジェイク(コリン・ファレル)とカイラ(ジョディ・ターナー・スミス)夫婦は中国系の養女ミカ(マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ)のシッターとして購入した"長男”のAIロボットのヤン(ジャスティン・H・ミン)ともに暮らしていた。ところが突然ヤンが故障し動かなくなり落胆したミカは学校へも通えなくなってしまう。修理に奔走するうちにジェイクは、ヤンに法律では禁止さていた記憶メモリーが内蔵されていたことを知り、そこに残されていた若い女性(ヘイリー・ルー・リチャードソン)の断片映像を頼りにヤンの記憶をたどる。それは「テクノ」のと呼ばれるAIロボットの無意識(遺伝子)にせまることでもあった。(96分)[投票]
★3空、見たか?(1972/日)1960年、瀬戸内の高校。規則や制約に囚われない行男(吉澤健)は優等生の光子(吉岡ゆり)との関係を夢想しながら奔放な陽子(宮崎ふみえ)と体の関係を結んでいた。それを咎められ大阪の兄のもとに身を寄せるが、そこでも兄嫁(吉田日出子)と関係してしまう。父親の情死も重なり、京都で世捨て人として暮らすが気ままな照子(岩崎恵美子)の誘いで情欲生活に戻ってしまう。数年後、大学生となった光子と再会し同棲を始め仲間の男子学生らと青春を謳歌していた。しかし二股をかけていた良子(工藤和子)の妊娠を機に彼女の故郷倉敷でトンカツ屋の店主に納まるが・・。10年に及ぶ青年の性の放浪を描く青春映画。(白黒/スタンダード/102分) [more][投票]
★4教育と愛国(2022/日)2006年の第一次安倍政権の「教育基本法改正」に端を発し、淡々としかし確実に進められ今(2021年)へと至る“教育への政治介入”の実態を追ったドキュメンタリー。大手教科書出版社を倒産へと追い込んだ教科書検定制度。自虐史観の排除を唱える教科書の「慰安婦」「南京虐殺」「沖縄集団自決」の記述問題。さらに菅政権下で断行された「日本学術会議任命拒否問題」まで教育への政治の侵食が、教科書編集者と執筆者、自虐史観提唱学者と賛同右派、現場教師、自治体首長たちのインタービューや記者会見での言動によって検証されていく。毎日放送で長年教育問題に取り組む斉加尚代のギャラクシー賞大受賞番組に追加取材を加え再構成した劇場版。(107分) [投票]
★3LOVE LIFE(2022/日)夫と離婚し6歳の息子・敬太(嶋田鉄太)がいる妙子(木村文乃)は、市役所の福祉課勤務の二郎(永山絢斗)と再婚しようやく落ち着いた生活を取り戻し始めていた。ただ同じ集合住宅の一画に住む二朗の両親(田口トモロヲ/神野三鈴)は、初婚の息子の相手が子持ちの離婚経験者であることにわだかまりを持っていた。そんなとき思いがけない出来事が家族を襲う。さらに、それをきっかけに行方不明だった敬太の実の父で妙子の元夫のパク(砂田アトム)が現れた。韓国人で聾啞者のパクの出現で妙子と二朗の間に微妙な溝が生まれ始めるのだった。矢野顕子の楽曲「LOVE LIFE」に着想を得た深田晃司の脚本・監督作。(123分)[投票]
★4夜明けまでバス停で(2022/日)アラフォーの三知子(板谷由夏)は細々と自作アクセサリーを売りながら、夜は居酒屋のパート店員として生計を立ている。チェーン店の跡取りで傲慢なマネージャーの大河原(三浦貴大)と、彼に従順な若い正社員店長の千晴(大西礼芳)はパート(片岡礼子/ルビー・モレノ/土居志央梨)たちからうとまれていた。そして2020年春、コロナ禍が世間を襲い緊急事態宣言を受け店は休業。店員たちは一方的に解雇されてしまう。路頭に迷った三知子は、いつしかホームレス老人(柄本明/根岸季衣)たちの輪のなかにいた。2020年に起きた女性ホームレス撲殺事件に着想を得て自己責任世代の覚醒を描くラディカルなポリティカルドラマ。(91分) [投票]
★3もっと超越した所へ。(2022/日)中学の同級生で定職のない過干渉男・怜人(菊池風磨)に転がり込まれた衣装デザイナーの真知子(前田敦子)。気が小さくノリだけで生きるフリーター泰造(オカモトレイジ)と同棲しているバイトギャル美和(伊藤万理華)。風俗嬢・七瀬(黒川芽以)の常連客は仕事はないがプライドだけは高い売れない俳優の慎太郎(三浦貴大)。元子役の鈴(趣里)は、甘ったれでナルシストのお坊ちゃんゲイの富(千葉雄大)と同居してた。そんなダメ男に惹かれる女たちの愛憎劇が時空を超えてまみえる怒涛のラブコメディ。劇作家の根本宗子の原作・脚本を、話題のMV、CM、TVドラマを手掛ける映像ディレクターの山岸聖太が映画化。(119分)[投票]
★4秘密の森の、その向こう(2021/仏)祖母が亡くなり8歳の少女ネリー(ジョセフィーヌ・サンス)は、両親と共に遺品整理のため母マリオン(ニナ・ミュリス)が少女時代を過ごした森の中の実家を訪れた。思い出の品々を前に、いたたまれなくなったのか母が突然いなくなってしまう。父(ステファヌ・ヴァルペンヌ)と母の帰りを待つネリーは、かつて母が遊んだ森を散策するうちに同じ年頃の少女(ガブリエル・サンス)と出会う。少女は母と同じ“マリオン”とう名で、訪ねた家は“祖母の家”だった。そして“マリオン”のお母さんは若き日の祖母(マルゴ・アバスカル)だった。演技経験のない双子姉妹を起用したセリーヌ・シアマ監督による母娘三代の惜別の物語。(73分)[投票]
★3鄙より都会へ(1917/米)ワイオミングの若きカウボーイ・ハリー(ハリー・ケリー)は、牧場主(L.M.ウェルズ)の娘ヘレン(モリー・マローン)にプロポーズ。気むずかしい父親の許しも得てはれて婚約した。ところがヘレンは、都会からやってきた馬の調査官でスマートなソーントン(ヴェスター・ペグ)に誘惑され気もそぞろに・・・。ついに駆け落ちするようにソートンと一緒にニューヨークに行ってしまった。落胆する父親の姿を見たハリーは、意を決して単身で大都会へ乗り込むが、右も左も分からず途方に暮れてしまう。ジョン・フォード監督の6作目の長編映画。邦題の「鄙より」は「いなかより」と読む。(白黒/スタンダード/サイレント/54分) [投票]
★5グッバイ・クルエル・ワールド(2022/日)暴力団の資金洗浄現場を男女五人組の強盗(西島秀俊/斎藤工/玉城ティナ/宮川大輔/三浦友和)が襲い大金の強奪に成功する。奴らは互いに名前も素性も知らないその場かぎりの強盗団だった。組幹部のオガタ(鶴見辰吾)は、配下の蜂谷(大森南朋)を使って強奪現場にいたチンピラたちを追及し一味を追い始める。理論的で冷静な蜂谷の尋問はまるで刑事のように的確で、まず現場ホテルの従業員(宮沢氷魚)に目を付けた。手繰り寄せられた奴らの行方の先々では、どうしようもないクズどもの容赦のない潰し合いが待っていた。高田亮のオリジナル脚本による大森立嗣監督のクライム&バイオレンス・エンターテインメント。(127分)[投票]
★4さかなのこ(2022/日)魚のことで頭がいっぱい。勉強はいまひとつ。ちょっと変わった小学生ミー坊(西村瑞季)を、お母さん(井川遥)は否定せず“やりたいこと”はすべて叶えてくれた。高校生になっても魚のこと以外には目もくれずマイペースのミー坊(のん)に、地元のツッパリ(磯村優斗/岡山天音)たちもタジタジ。そのなかに幼馴染のヒヨ(設楽優弥)もいた・・。やがて一人暮らしを始めたミー坊は、魚関係の仕事を探すが要領が悪くてどれも続かない。そんな日々を過ごすうち、昔からミー坊のことを知ってくれている仲間と再会し、自分を必要とする人たちとつながり始めるのだった。タレントで魚類学者のさかなクンの自叙伝を翻案映画化。(139分)[投票]
★4三姉妹(2020/韓国)故郷を離れソウルで暮らす三姉妹はそれぞれ心に闇を抱えていた。裕福な教授夫人の次女ミヨン(ムン・ソリ)は敬虔な信者として宗教に傾倒し周囲や家族を支配し完璧な女として振る舞っている。後妻として夫と高校生の連れ子と暮らす劇作家の三女ミオク(チャン・ユンジュ)は「普通の家庭」の築き方が分からず酒に溺れ破天荒な言動で周囲を困惑させていた。そんな二人は小さな生花店に嫁ぎ自己肯定感が低く夫や娘にうとまれながら借金を繰り返す長女のヒスク(キム・ソニョン)を蔑んでいた。幼少期に姉妹は母と弟とともに父親の理不尽な暴力にさらされ、互いに被害者と庇護者、そして傍観者として負った複雑な心の傷を抱えていた。(115分) [投票]
★4時代革命(2021/香港)2019年の香港。犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案に反対し「改正案完全撤回」「普通選挙の導入」などを五大要求を掲げ約180日間に渡り展開された大規模デモを記録したドキュメンタリー。立法会占拠に端を発した抵抗運動は自殺に訴える抗議者の出現により10〜30代の男女を中心に自主管理のもと香港の人口の約3割を占める約200万人(主催側発表)が参加するまでに拡大した。市街地や地下鉄駅、香港中文大学の封鎖とうねりが広がるなか暴力行為や謀略も辞さない香港警察の対応はエスカレートし香港理工大学の攻防へと至る。ついに2020年、より強圧的な香港国家安全維持法が施行され、200万人の民意は封殺されてしまう。(152分) [more][投票]
★3ファミリー・ネスト(1977/ハンガリー)ハンガリーの首都ブタペスト。住宅難のため住む家がなく、しかたなく夫の両親の狭い家に幼子を抱えながら同居する若い夫婦がいた。義父(クン・ガーボル)は家賃を払わず住み続ける嫁のイレン(クン・ガーボル)が気にくわず、毎日のように嫌味を言いきつくあたる。そんなおり兵役を終えた夫ラツィ(ホルヴァート・ラースロー)が帰還。イレンは不満と不安を訴えるが、夫はそのうち何とかなると曖昧な態度をとり続けるのだった。公営住宅への入居をめざして役所にも通い続けるが数年先の目途さえ立たない状況だ。将来の生活が見通せない若い夫婦の姿を、疑似インタビューのような体裁で描く22歳のタル・ベーラ監督デビュー作。(白黒/105分)[投票]
★4アウトサイダー(1981/ハンガリー)精神病院の看護師アンドラーシュ(アンドラーシュ・サボー)は、バイオリン奏者としてもいい腕を待っていた。夜ごと酒場で仲間たちと騒ぎ興に乗じて見事な演奏を披露していた。しかし、音楽で身を立てる意志があるわけではなく生活者としては不適格。自分の子供を産んだ恋人の元を去り酒の失敗で看護師の職も失ってしまう。次に見つけたケーブル工場の職は単調で辛いものだった。相変わらず仲間や兄とつるんでだらしのない生活を続けていたアンドラーシュは、酒場で知り合った女性カタ(ヨラーン・フォドル)と結婚するのだが・・・。当時の体制よりのハンガリー映画に反発して撮ったというタル・ベーラ監督の長編第2作。(カラー/128分)[投票]
★4ダムネーション/天罰(1988/ハンガリー)鉱石を運ぶゴンドラが軋みながら延々と連なり中空を流れていく寂れた鉱山町。中年男カーレル(ツェーケリ・B・ミクロシュ)は、不倫相手のクラブ歌手(テメッシ・ヘーディ)とのよりを戻そうとしつこく迫るが追い返され、夫(ギェルギ・ツェルハルミ)からも二度と妻に近づくなと警告される。そんなとき、女が歌うクラブの店主(パウエル・ギュラ)から小包を運ぶだけで金になる怪しい仕事を紹介されたカーレルは、夫に仕事を任せてその間にまた歌手を口説こうとする。そんなカーレルにクローク係の女(テメッシ・ヘーディ)は「あの女は魔女よ・・・」と警告する。憂鬱な気配のなか破滅へ向かう男女の腐れ縁が描かれる。(白黒/121分) [more][投票]