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ぽんしゅうさんのあらすじ: 投票数順

★2ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2022/日)実家を離れ京都の大学に入学した七森剛志(細田佳央太)は、生まれつき男女という区分けによる感情や常識に違和感があり「恋愛」という感情が持てないでいた。そんな七森は入学ガイダンスで意気投合した麦戸美海子(駒井蓮)と、ぬいぐるみ人形の愛好サークルに入部する。そこは、ぬいぐるみに話しかけて心を癒す学生たちが集うサークルだった。先輩たちのように「人に言えない思い」を人形相手に語り始める七森と麦戸。ところが、もう一人の新入部員・白城ゆい(新谷ゆづみ)は、ぬいぐるみに関心を示さず、そんな部員たちのなか、ひとり本を読みながら時間を過ごしていた。金子由里奈監督による大前粟生の同名小説を映画化。(109分)[投票]
★4レッド・ロケット(2021/米)落ち目のポルノ俳優マイキー(サイモン・レックス)が故郷に舞い戻ってくるが誰からも歓迎されない。そんな彼がドーナツ店の少女ストロベリー(スザンナ・サン)と出会い再起をかけるのだが・・・。持ちつ持たれつでマイキーを家に置いていた別居中の妻レクシー(ブリー・エルロッド)と義母リル(ブレンダ・ダイス)も、そんな身勝手な男のマイペースな言動に苛立ち始める。そしてテキサスの町にトランプとヒラリーの大統領選のニュースが風のように吹き抜けていく。『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』のショーン・ベイカー監督と『WAVES/ウェイブス』の撮影監督ドリュー・ダニエルズの新鋭コンビよる16mm作。(130分) [more][投票]
★4羊飼いと風船(2019/中国)チベット人が暮らす中国青海省の酪農一家。祖父は隠居し働き者の息子のタルギェ(ジンバ)が精力的に牧羊に励む。長男は町へ出て中学に通い、次男と三男はいたずら盛り。働き者の妻ドルカル(ソナム・ワンモ)が献身的に一家を支える。ある日、夏休みの長男と妻の妹で恋に傷つき尼僧になったシャンチュ(ヤンシクツォ)が帰省し一家がそろう。そんなとき祖父が急死。悲しみのなか妻ドルカルは予期せぬ妊娠に気づく。厳しい産児制限で4人目の出産は罰金の対象だが、輪廻転生を信じる夫は祖父の生まれ変わりに違いないと生むように迫る。チベット人作家で映画監督のペマ・ツェテン、3度目の東京フィルメックス最高賞受賞作。(102分) [投票]
★5タルロ(2015/中国)孤児として育ち勧められるままに羊飼いになったタルロ(シデ・ニマ)は、毛沢東語録の暗唱と牧畜で今までに増やした羊の数が自慢だ。誰も彼の本名を知らず特長的な髪型から“三つ編み”と呼ばれていた。家族はなく自分の年齢も分からず自称「40歳は超えている」はずだった。そんなタルロは、役所から身分証明書を作るよう言われて行った町で、若い理容師の女(ジンバ)に誘われるまま一夜を過ごしてしまう。自分は“悪い人”になってしまったと落ち込むが女のことが頭を離れず、羊の世話で大失態をおかしてしまう。チベット人のアイデンティティ喪失を描くペマ・ツェテン自身の短編小説の映画化。東京フィルメックス最高賞受賞作。(白黒/123分)[投票]
★4オールド・ドッグ(2011/中国)1990年代の末。中国の都市部の富裕層の間でチベット(マスチフ)犬のブームが起こりペットとして高額で取り引きされていた。その波はチベット高原の老牧童(ロチ)と息子夫婦が営む牧畜一家にまで押し寄せ、一家の年老いた牧童犬を高額で買い取ると言って付きまとう仲買人や、ついには犬泥棒まであらわれる。息子(ドルマキャプ)は、どうせ盗まれるくらいなら犬を売ってしまおうとするが、老父は絶対にそれを許さなかった。一方そんな老父は、結婚して3年経つのに息子と嫁(タムディンツォ)に子供ができないことを気にかけていた。チベット民族の誇りをマスチフ犬に託して描くペマ・ツェテンの東京フィルメックス最高賞受賞作。(88分)[投票]
★4僕の帰る場所(2017/日=ミャンマー)政情不安から国を離れ東京で暮らすミャンマー人家族。夫のアイセ(アイセ)は入国管理局に難民申請を出し続けているが一向に受理されず、生活のために不法就労を続けなかなか家に帰ってこない。小学校に通う長男カウン(カウン・ミャッ・トゥ)と次男テッ(テッ・ミャッ・ナイン)はすっかり東京生活に馴染み、まるで日本人のようだが父に会えない寂しさを母親に訴えていた。そんな先の見えない生活に、妻ケイン(ケイン・ミャッ・トゥ)は身体をこわし帰国したいと言い出し夫と対立してしまう。つにい、ケインは二人の息子を連れてミャンマーへ帰るのだが・・・。演技経験のない在日経験ミャンマー人を起用した藤元明緒監督の長編第一作 (89分) [more][投票]
★4ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう(2021/英=グルジア)ジョージアの古都クタイシ。ある朝、薬剤師のリザ(オリコ・バルバカゼ)とサッカー選手のギオルギ(ギオルギ・アンブロラゼ)はすれ違いざまに数秒言葉を交わし、その夜、帰り道の交差点でまた出会った。あまりの偶然に心がざわめいた二人は翌晩に橋の近くのカフェで逢う約束をする。ところが、そのようすを見ていた邪悪な「目」の呪いで翌朝二人は、まったく別の容姿のリザ(ギオルギ・ボチョリシヴィリ)とギオルギ(アニ・カルセラゼ)に変えられてしまった。互いに相手が分からなくなった二人は再会を信じて、カフェや橋の近くで別の仕事をみつけ過ごし始める。決して"良くない状況"のなかで起きた小さな街角のファンタジー。(150分) [more][投票]
★4エッシャー通りの赤いポスト(2020/日)気鋭の映画監督・小林(山岡竜弘)の新作の出演者は全員オーディションで選抜されることに。経験の有無を問わないハードルの低さに“映画に出たい人たち”が押し寄せた。なかには助監督ジョー(小西貴大)と分けありな女たちも。一方、脚本に行き詰った監督に代わって元カノの方子(モーガン茉愛羅)が続きを書くことに。そんな方子は、夫に先立たれた若い未亡人切子(黒河内りく)と、気性の激しい殺気立った安子(藤丸千)に目を止めるるが、スポンサー(渡辺哲)の意をくんだプロデューサー(諏訪太郎)の画策が始まる。園子温のワークショップから選抜された俳優たちによる文字通りのオーディション群像劇。(146分)[投票]
★3パンドラの箱(1929/独)孤児で場末のダンサー・ルル(ルイーズ・ブルックス)は、愛人だった新聞社主幹シェーン(フリッツ・コートナー)を手玉にとり名家の令嬢との婚約を破棄させて妻の座に収まってしまう。ところが、夫婦の周りには養父(カール・ゲーツ)ら怪しげな男たちが付きまとい、奔放なルルは夫の息子で秘書の好男子アルヴァ(フリッツ・レデラー)を誘惑し始める。耐えられなくなった夫はルルにある要求を突きつけるのだった。裏切り。殺人。裁判。逃亡。ひとりの女の流転とともの堕ちていくいく者たちの姿を描く物語。ハリウッドからルイズ・ブルックスをドイツに招聘して撮られたゲオルク・ヴィルヘルム・パプスト監督作。(白黒/サイレント/132分) [投票]
★4牝犬(1931/仏)会計係の退屈で冴えない中年男ルグラン(ミシェル・シモン)は会社の仲間から馬鹿にされ、家でも口うるさい妻のせいで唯一の趣味の油絵も描かせてもらえない。ある夜、情夫のデデ(ジョルジュ・フラマン)に乱暴に扱われる美しい娘リシュエンヌ(ジャニー・マレーズ)を助けたことから、ルグランは彼女に夢中になってしまう。ところがリシュエンヌは情夫デデからいくら邪見にされても別れられず、ルグランとは付かず離れずのあやふやな関係を続けていた。そんな二人に目を付けた情夫デデは、リシュエンヌを使ってルグランの絵を売りさばき金を稼ぎ始めるのだった。リシュエンヌ(シエンヌ=牝犬)を巡る男たちの罪と報いの物語。(白黒/96分)[投票]
★3劇場版 センキョナンデス(2023/日)ラッパーのダースレイダーと時事芸人・プチ鹿島のYouTube番組「ヒルカラナンデス」のスピンオフ劇病版ドキュメンタリー。二人は「選挙は最高の祭りだ!」を合言葉に2021年衆院選と2022年参院選で10数名の候補者に突撃取材を敢行。大島新監督の映画で注目された小川淳也平井卓也の香川一区では四国新聞の実態を暴き、日本維新の会に喧嘩を売りに管直人元首相が乗り込んだ大阪では辻元清美松川るい辰巳孝太郎らの戦ぶりを追い、京都の福山哲郎の元へ。そして選挙戦の大詰めに安倍晋三元首相の銃撃事件が起きる。その時の候補者たちの対応は。そしてダースレイダーとプチ鹿島の思いは・・。(109分)[投票]
★3The Son/息子(2022/英=仏)NYのエリート弁護士ピーター(ヒュー・ジャックマン)は、再婚相手のベス(ヴァネッサ・カービー)と生まれたての息子とともに順調な生活を送っていた。そんなとき、前妻のケイト(ローラ・ダーン)から一緒に暮らしている17歳の長男ニコラス(ゼン・マクグラス)が学校に行っていないと相談される。原因が自分たちの離婚にあると感じたピーターはニコラスを引き取りるがベスは戸惑いを隠せない。ピーターはニコラスを立ち直らせようと献身的に接するが事態はどんどん悪化していき、つにい過酷な究極の選択を迫られることになってしまう。フロリアン・ゼレール監督の『ファーザー』につぐ自作戯曲の映画化で家族三部作の第二弾。(123分)[投票]
★4REVOLUTION+1(2022/日)2022年7月8日。選挙遊説中の安倍元総理に向けて41歳の元自衛官川上達也(タモト清嵐)の手製の拳銃から弾丸が放たれた。裕福な家庭に生まれた達也だが、4歳のときに父(高橋雄祐)が自殺し、癌を患っていた兄も片目を失明。失意の母はすがる思いで統一教会の信者となり言われるままに献金を繰り返し始めた。兄(紫木風太)もいつしか心を病み、妹(前迫莉亜)は伯父のもとに身を寄せ家族は完全に崩壊してしまう。生きる目的を失った達也は、自分とは真逆の人生を歩み統一教会を支持する安倍晋三を標的に手製の銃づくりに没頭していく。元総理銃撃事件の犯人をモデルに政治家とカルト宗教の癒着に向けられた宗教2世の心情を描くドラマ。(75分) [投票]
★5零落(2022/日)8年間の長期連載を終えた漫画家の深澤(斎藤工)は、時代とのズレを実感しアイディアも尽き果て創作意欲を完全に失っていた。若い漫画たちの台頭に嫉妬し焦りが募る。担当編集者の態度も豹変し仕事のなくなったアシスタントの富田(山下リオ)からはやんわりと突き上げられる。そんな状況のなか自意識だけは高い深澤は、多忙な漫画編集者の妻(MEGUMI)に理不尽に当たりちらし一方的に離婚まで口にするしまつ。そして空疎な女たちとの性の逢瀬に逃げ込み、やがて"猫の目"をした風俗嬢ちふゆ(趣里)に慰めを見いだし始めるのだった。中年漫画家の焦りと創作者の業を描く竹中直人監督作。原作は浅野いにおの同名漫画。(128分)[投票]
★3オマージュ(2021/韓国)デビュー作で注目を集めた映画監督ジワン(イ・ジョンウン)だが、その後ヒット作が出ず監督生命の瀬戸際に。家では夫(クォン・ヘヒョ)や息子(タン・ジュンサン)に家事を押し付けられて次回作のシナリオも進まない。そんな彼女に1960年代に活動した女性監督の作品「女判事」の音声修復の仕事が回ってきた。作業を進めるうちに検閲によってシーンが欠落していることに気づく。失われたフィルムの行方を追ううちに、過去の女性映画人たちが強いられた理不尽な制作環境が浮かび上がってくる。韓国で二人目の女性監督とされるホン・ウノンをモデルに、いまだに社会に根づく男性中心主義の窮屈さを描くホン・ジェウォン監督作。(108分)[投票]
★4赦し(2022/日)高校時代に同級生を殺害し服役して7年目の夏奈(松浦りょう)に再審の機会が与えられた。弁護士の佐藤(生津徹)は情状が考慮されていないこと争点にし夏奈の釈放を訴える。被害者の父樋口(尚玄)は、ひとり娘の命を奪った夏奈の釈放を阻止するために進んで証言台に立つが、今は再婚して静かに暮らす元妻の澄子(MEGUMI)は裁判に参加することに戸惑いがあった。公判で樋口や澄子の良心を鋭く突く佐藤弁護士の挑発に、樋口は感情的に反発し澄子は心身ともに消耗していくのだった。再審規定のない少年法の問題を見据えつつ、被害者家族と加害者の心の揺れを描く日本在住のインド人監督アンシュル・チョウハンの赦しの葛藤劇。(98分) [投票]
★4神田川のふたり(2022/日)別々の高校へ通う舞(上大迫祐希)と智樹(平井亜門)は、中学時代の友人“神田”の葬儀で久しぶりに再会した。二人は中学時代から意識し合いながらも互いに気持ちを確かめられずにいた。住宅街を縫うように流れる神田川沿いを自転車を押しながら歩く二人。高校生活のこと。進路のこと。亡くなった神田のこと。時間を忘れて会話は弾む。ところが途中で出会った変なオジサンに導かるように夢とも現実ともつかない不思議なことが起き始めた。そして舞と智樹は、とげられなかった神田の思いを叶えるために川の水源、井の頭公園を目指すことに。川崎龍太上野絵美のオリジナル脚本によるいまおかしんじ監督の心優しい弔い青春映画。(83分)[投票]
★4やまぶき(2022/日=仏)岡山県真庭市。この地に流れ着き採石場で働く韓国人のチャンス(カン・ユンス)は、小さな娘のいる美南(和田光沙)と同棲しながら町に定住し幸せな家庭を築こうと仕事に励んでいた。一方、不慮の出来事で母を亡くした高校生の山吹(祷キララ)は、何が正しいのか自分でも判断できないまま、街角でプラカードを掲げて権力に抗議する人々の輪に加わっていた。地元警察の勤勉な刑事の山吹の父(川瀬陽太)は、妻の喪失を埋めるように中国人の娼婦と逢瀬をかさねている。そんな街の夜の酒場には、金の行方をめぐって口論する怪しげな男たちがの姿があった。地元真庭で農業を営みながら映画を作り続ける山崎樹一郎監督による群像劇。(97分)[投票]
★3TOVE/トーベ(2020/フィンランド=スウェーデン)「ムーミン」の原作者トーベ・ヤンソンの前半生を恋の葛藤を軸に描く物語。1944年、大戦中のヘルシンキ。著名な彫刻家の父のもと、油絵で身を立てようとしていたトーベ(アルマ・ポウスティ)は30歳になっていたが芽が出ずにいた。気まぐれに描いたイラストで生計を立て、厳格な父から逃れるようにトーベは一人暮らしを始める。自由を渇望するトーベは妻のいる左翼系ジャーナリスト・アトス(シャンティ・ロニー)と付き合い始める一方、既婚の女性舞台演出家のヴィヴィカ(クリスタ・コソネン)とも激しい恋に落ちる。ムーミンを題材にした小説を発表したトーベにアトスは新聞連載の、ヴィヴィカは舞台化の話しを持ちかけるが・・・。(103分)[投票]
★4アンデス、ふたりぼっち(2017/ペルー)標高5,000mを越えるアンデスの高地にウィルカ(ビセンテ・カタコラ)とパクシ(ローサ・ニーナ)の老夫婦が暮らす家と畑、小さな牧羊場があった。周りに人家はなく二人以外は誰もいないし訪ねて来る 者もすでにいない。完全に孤立した僻地だ。何年も音信のない一人息子が帰っ来ることを期待しているが、身体は日々衰え不安は増すばかり。そしてまた年が暮れ、 新年の占は大きな災いの到来を告げていた。主演は監督の祖父、妻役も演技未経験の老女を起用して現在はペルーでも希少なアイマラ語が使用されたアカデミー賞外国語映画賞候補作。長編初監督のオスカル・カタコラは二作目の撮影中に34歳で急逝しこれが遺作となった。(86分)[投票]