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ぽんしゅうさんのあらすじ: 投票数順

★3Mank マンク(2020/米)1940年、ハリウッド。酒びたりの脚本家マンクことハーマン・J・マンキーウィッツゲイリー・オールドマン)は、24歳の気鋭O・ウェルズ(トム・バーク)から次作を依頼され筆記者のリタ(リリー・コリンズ)と缶詰にされる。完成期限は60日後。マンクは実在の新聞王ハースト(チャールズ・ダンス)をモデルに『市民ケーン』の執筆にとりかかる。―1930から34年頃。女優マリオン・デイヴィス(アマンダ・サイフレッド)を通じてマンクはパトロンのハーストと知り合い目をかけられる。やがて、不況下で行われた州知事選を巡りマンクはMGMプロデュ―サーのメイヤー(アーリス・ハワード)やハーストに不信を抱く。(白黒/131分)[投票]
★4まともじゃないのは君も一緒(2020/日)女子高校生の香住(清原果耶)は、教育事業に取り組み子供の未来を熱く語る青年企業家の宮本(小泉孝太郎)に心酔するあまり恋焦がれていた。そんな香住には、恋バナで盛り上がる友人たちが幼稚に見えてしまう。予備校の個人教師、大野(成田凌)を相手に愚痴をまくし立てるが、数学のことしか頭になく世間知らずの大野のとの会話は噛み合わず苛立ちは増すばかり。そんななか、宮本に美奈子(泉里香)という婚約者がいることを知った香住は、恋愛音痴の大野に世の中の“普通”を教えてあげると称して美奈子との仲を取り持ち婚約を破談させようと画策するが・・・。高田亮脚本&前田弘二監督コンビのスクリューボール・コメディ。(98分)[投票]
★3わが生涯のかがやける日(1948/日)1945年8月。青年将校、沼崎(森雅之)はポツダム宣言を受諾した大臣・戸田光政を暗殺する。3年後、戦禍の残る銀座裏のビルに薬物にまみれ落ちぶれた沼崎の姿があった。今は、博徒あがりの右翼系業界新聞の社長佐川(滝沢修)の手先として裏社会の汚れた仕事をこなしていた。そんななか佐川は、沼崎に自分が経営するキャバレーの新人ダンサー節子(山口淑子)を情婦にするために連れてくるように命じる。なんと、節子は沼崎によって命を奪われた戸田大臣の娘だった。運命のいたずらに気づかない二人は、さらに沼崎の旧友高倉(宇野重吉)と節子の義兄で元検事の平林(清水将夫)の戦時下の因縁に翻弄されるのだった。(モノクロ/101分) [投票]
★4ハムレット(1964/露)デンマーク王の急死を聞いて留学中の王子ハムレット(インノケンティ・スモクトゥノフスキー)は急遽帰郷する。城では王の葬儀も早々に、母である未亡人王妃ガートルード(エルザ・ラジン)と亡き王の弟クローディアス(ミハイル・ナズバーノフ)の挙式が披かれていた。驚きで憔悴したハムレットの前に亡き王の亡霊が現れ、私の死はクローディアスの陰謀だと告げる。ハムレットは狂気を装い叔父への復讐の機会をうかがうが、その姿をみてハムレットとの結婚を信じていた内大臣の娘オフェリア(アナスタシア・ヴェルチンスカヤ)の心は揺れる。シェークスピアのソ連版ハムレット。ベネチア映画祭 審査員特別賞(シネマスコープ/白黒/150分)[投票]
★3無頼(2020/日)1956年、静岡。地元の名士の井藤家は財産を失い、幼さが残る中学生の正治(中山晨輝)が酒びたり父親のもと日雇いで一家を支えていた。4年後、安保闘争に社会が揺れるなか、デモ学生をカツアゲしたのが正治(松本利夫)の“無頼人生”の始まりだった。東京オリンピックに湧く1964年、ヤクザともめ服役した正治は、出所後に兄(中村達也)の仲介で地元の川野組組長(小木茂光)と盃を交わして一家を構えることに。高度経済成長がピークを迎えた1971年のことだった。その後の石油危機、バブル崩壊、暴対法施行と激動の昭和から沈滞の平成へと向かう日本の姿が、表社会の波に乗じ、ときに翻弄される“無頼者”たちを通してあぶり出される。(146分)[投票]
★3スタフ王の野蛮な狩り(1979/露)18世紀が終わろうとする年。民俗学を研究する学生ベロレツキー(ボリス・プロートニコフ)は民話を取材するため白ロシアを訪れていた。豪雨の夜、宿を借りに寄った領主ヤノフスキー家の古い館で、若く美しい女主ナジェージタ(エレン・ディミートロワ)に出会う。彼女が語るには、かつてこの地に農奴制の改革を唱えたスタフという王がいたという。農民の支持を集めるスタフ王をうとましく思った彼女の先祖は王を殺害してしまう。以来、ヤノフスキー家の一族は王の呪いで次々に命を落とし、彼女が最後の血縁者なのだという。一族に興味を抱いたベロレツキーは、彼女の周りで起きる奇怪な出来事を目撃し奇妙な人々と出会うことになる。(109分)[投票]
★4あのこは貴族(2020/日)東京の松濤の開業医の三女華子(門脇麦)は名門女子大出のお嬢様。27歳になるが仕事はせず家事手伝いと称し日々を送っている。一族がそうであるように結婚こそが幸せと信じているが良縁に恵まれず薦められるままに見合いを重ねていた。一方、富山の平凡な家庭で育った美紀(水原希子)は努力のすえ慶応大学に進んだが父親が失業。夜のバイトで学費を稼ぐが行き詰り中退。今は仕事にやりがいを見いだせないまま惰性で東京暮らしを続けていた。そんな住む世界の違う二人が、政治家も排出する名門家の独身弁護士幸一郎(高良健吾)を接点に出会い、一瞬交錯する。山内マリコの原作を長編二作目となる岨手由貴子監督が映画化。(124分)[投票]
★3天国にちがいない(2019/仏=独=カナダ=カタール=トルコ=パレスチナ)イスラエル国籍のパレスチナ人で映画監督のエリア・スレイマンが住むナザレの家の周りには、彼を“隣人”と呼ぶなれなれしい男たちが出没する。そんな町を後にして、監督は自身の映画企画を売り込む為にパリへ旅立つ。お洒落なパリジャンが行き交う美しい街だが、唐突に貧困や怒りや権力の姿が顔を出す。売り込んだ企画は「パレスチナらしくない」と良い返事がもらえない監督は、次にニューヨークへ向かう。そこもまた暴力の気配のなかで、あたりまえのように人々が行き交い、警官たちが天使を追いかけ回す町だった。エリア・スレイマン監督自身が寡黙な監督を演じる、皮肉とユーモアに富んだナンセンスコメディ。カンヌ映画祭 特別賞。(102分)[投票]
★3生まれながらの悪女(1950/米)富豪のカーティス(ザカリー・スコット)との結婚を控えた編集者ドナ(ジョーン・レスリー)のアパートに、社長の姪クリスタルベル(ジョーン・フォンテイン)が学校に通うために寄宿する。田舎育ちで上昇志向の強いクリスタルベルは、その美貌でドナの友人の作家ニック(ロバート・ライアン)を虜にし、モデルとして新進画家ガビー(メル・ファーラー)にも接近。さらにカーティスの結婚の相談相手となって策略を仕掛けドナから彼を略奪してしまう。カーティスの財産を使って慈善事業を行い上流社会に地位と名声を築いたクリスタルベルだが、愛のない結婚生活にあき足りず再び作家ニックと関係を持つのだった。(90分/白黒/スタンダード)[投票]
★4セノーテ(2019/日=メキシコ)メキシコのユカタン半島北部の石灰岩地帯には、陥没穴に地下水が溜まった約3500の泉が点在している。セノーテと呼ばれるその泉は、水中洞窟により迷宮のようにつながっているという。セノーテは古代マヤ文明の時代から、人々の生活を支えてた水源であり、雨乞いのために生贄が捧げられた聖域でもあった。その生と死の境界を越えて、水底に姿を消した者は決して戻ってこないと言い伝えられている。今もその地に暮らす人々の原風景の記憶が、セノーテの眩ゆく輝きゆらめく映像と、幻聴のように交錯する音響で綴られる。第一回大島渚賞受賞した小田香の長編ドキュメンタリー。 (75分) [投票]
★3鉱 ARAGANE(2015/ボスニア・ヘルツェゴビナ=日)ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ近郊。100年の歴史を持つブレザ炭鉱で働く男たちを見つめるドキュメンタリー。重機の轟音が鳴り響き続けるなか、死と隣り合わせの世界で肉体を酷使し岩盤と格闘する工夫たち。彼らのヘルメットランプの光跡があたかも剣のように地下300メートルの暗闇に交錯する。小田香の初長編監督作で、小田が一期生として学んだフィルムスクール「film.factory」の主催者タル・ベーラ監督が監修。山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015アジア千波万波部門特別賞を受賞。(68分)[投票]
★4ノイズが言うには(2010/日)海外で映画を学んでいた愛称カッチ(カオリ)は夏休みを利用して帰国した。事前に家族には23歳の誕生日に重要な話があると告げていた。その日、カッチは自分が同性愛者であることを母と二人の姉、そして別居している父に告白する。が、自分の苦悩を理解してもらえず、戸惑い沈黙する家族たちにカッチもまた苛立ち混乱する。そこでカッチは、そのときのみんなの反応を、そのまま家族に演じてもらい映画にして、もう一度彼らに提示する。小田香のセルフドキュメンタリー。なら国際映画祭 2011NARA-wave部門観客賞受賞(38分)[投票]
★3あの優しさへ(2017/日)初監督作『ノイズが言うには』が秘めていたある種の暴力性に悩み、その後小田香は「自分は、いったい何を撮りたいのだろうか」という迷いを抱えていた。そんな小田は、3年間学んだサラエボのフィルムスクール「film.factory」時代の未使用映像や、作品化を途中で断念した映画、そして初長編作『鉱 ARAGANE』を見つめ直し日本で撮った映像を加えながら新たな方向性を模索していく。小田香が自身の精神的再生のステップとしてまとめ上げたパーソナルドキュメンタリー。(63分)[投票]
★3無責任時代(1937/米)ニューヨークの花形記者ウォレス(フレドリック・マーチ)は、新聞拡販のネタに放射線中毒で余命のない娘ヘーゼル(キャロル・ロンバード)に目をつける。当時、時計工場で塗装作業をしていた女性工員たちがラジウム中毒になり命を落す事件が社会問題化していたのだ。ところが彼女の病気は田舎医者(チャールズ・ウィニンガー)による誤診。それとは知らずウォレスは、彼女を病に侵されても健気な悲劇のヒロインとして取りあげ大衆もその姿に熱狂する。気を良くしたヘーゼルは本当のことを隠し通そうとすのだが・・・。メディアと大衆を皮肉るウィリアム・A・ウェルマンのコメディでC・ロンバード唯一のカラー作品。(スタンダード/76分)[投票]
★3れいわ一揆(2019/日)自分に最も素直なスタイルとして女性服を着る“女性装”を実践する東大教授の安冨歩は「れいわ新撰組」の山本太郎代表の要請を受け2019年(令和元年)の参議院選に出馬。安富は「子どもを守り未来を守る」をスローガンに、既成の選挙活動を否定し白馬を連れて全国を遊説する。その姿を中心に山本を始め、公明党批判を繰り広げる創価学会員野原善正、本部から契約解除された元コンビニオーナー三井義文、自称元ホームレスでシングルマザーの渡辺照子ら多彩な候補者たちを点描しつつ選挙戦を追うドキュメンタリー。後に監督の原一男は、撮影当時は彼らの活動に「戦後民主主義の再出発」の予感を抱いていたと述べている。(248分) [投票]
★4蒲田前奏曲(2020/日)東京の蒲田を題材に「売れない女優マチ子」の周りで起きる出来事を描くオムニバス作品。マチ子を演じる蒲田出身の女優、松林うららが、4人の若手の監督を起用して旬の俳優を迎え自らプロデュースした意欲作。かすかに街に残る空襲の記憶。地元の女子校出者たちの群像。映画オーディションのセクハラ事情。地方から東京へ向けられる視線。そんなテーマで4つ物語が綴られる。(117分) [more][投票]
★3THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女(2018/中国)深圳で中国人の母と暮らす女子高生ペイ(ホアン・ヤオ)は越境通学で香港の高校に通っていた。天真爛漫で麻雀で生計を立てる母(ニー・ホンジエ)に反抗的なペイは、ときおり香港で別の家庭を持っている父(リウ・カイチー)の職場に顔を出す。一番の夢は親友のジョー(カルメン・タン)と一緒に日本へ行って雪をみることだ。そのためにコツコツとバイトし資金を溜めていた。そんな日々、ペイはジョーの彼氏ハオ(スン・ヤン)が密輸組織の運び屋として深圳へスマホを運んでいることを知り一味に加わることに。制服姿で香港と大陸を行き来する女子高生を誰も疑うことはなかった。バイ・シュエ監督の長編第一作。(99分)[投票]
★3エドワールとキャロリーヌ(1951/仏)パリの質素なアパートで暮らす若い夫婦エドワール(ダニエル・ジェラン)とキャロリーヌ(アンヌ・ヴェルノン)。なかなか目の出ないピアニストの夫のために、妻の叔父が披いてくれるパティ―に二人は出かけようとしていた。そこで夫エドワールのピアノの腕を披露して社交界の名士たちに売り込もうという計画だ。ところがエドワールのタキシードのチョッキが見つからない。妻のキャロリーヌは叔父の息子アラン(ジャック・フランソワ)に借りようとするがエドワールはそれが気に食わない。さらにキャロリーヌが自分のドレスの裾を“今風に”短く改良してしまい大喧嘩に。ジャック・ベッケル監督のラブコメディ。(白黒/スタンダード/85分)[投票]
★3ホモ・サピエンスの涙(2019/スウェーデン=独=ノルウェー)時代、性別、境遇、年齢も異なる人々の30余話の逸話を、ワンシーン・ワンショットの固定画面で綴るロイ・アンダーソン監督の詩集的作品。シャガールの絵のように空に浮かぶ恋人。久々に会った昔の友人に無視された男。悪夢にうなされる牧師。銀行が信用できす部屋に金を溜め込む男。十字架を抱えて丘を登る現代のキリスト。汽車から降りた迎えのいない女。帰りのバス時刻が迫った精神科医。片方の靴のかかとが壊れた婦人。シベリアへ向かう捕虜の隊列。土砂降りの道で靴ひもを結ぶ父娘。道端でダンスを踊る3人組みの若い女。地平線まで続く荒野で車が故障した男。みんな大なり小なり問題を抱えた者たちだ。ベネチア映画祭 最優秀監督賞。(76分)[投票]
★4音楽(2019/日)喧嘩の強さから他校でも評判の不良高校生・研二(坂本慎太郎)は、ある日偶然にベースギターを手に入れる。楽器など縁のなかった研二だが、思いつきでツレの太田(前野朋哉)と朝倉(芹澤興人)を誘ってバンドを結成。セオリー無視のベース2本と太鼓2台の構成で「古武道」と名のり活動を始めたが、校内に森田(平岩紙)が率いる「古美術」というバンドが存在していることを知り“あいさつ”に行くことにする。石井輝男監督のもとで美術や録音スタッフを務めたのち、独学で手描きアニメーション制作を始めた岩井澤健治監督の初長編作。オタワ国際アニメーション映画祭グランプリ、アヌシー国際アニメーション映画祭音楽賞受賞。(71分)[投票]