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★4 | キツツキと雨(2011/日) | 基本は業界人の自慰であり役所広司はオカズに過ぎない。しかし、自慰の道具ゆえの惹かれ方の極端さが無骨の徳を謳う。その度量は婦人会の竹槍の件になると復辟する。演出に対する助監や技術職の叫びが轟くのである。 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | エデンの東(1955/米) | マッセイとダヴァロスの顛末だけを見れば、無能が滅びたとしか言いようがなくなる。もっとも、マッセイの無能さを薄めるために、レタス冷凍ネタがあるのだが。その彼が最後にやってしまうのがディーンの可能性を遮断することで後味が悪い。 [review] | けにろん, DSCH | [投票(2)] |
★4 | WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜(2014/日) | この強烈な未来傾斜原理の物語は死後の地上の実感を信仰として捉えている。しかし、無辺際という染谷将太の徳が霊媒となったとき、それは下心をも宰領し、誇示なき自己展示へと発展してまさみを惹いたのではなかったか。
| けにろん | [投票(1)] |
★4 | 工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男(2018/韓国) | 当事者は所長のオッサンであって、ファン・ジョンミンが悩む権利を模索するうちに、スリルと格調を刹那的に追及するやくざ映画の俗物根性がリベラルの心性を破綻的に内包する。自己を偽るジョンミンが素に帰った時、戻るべき自分を見失うのである。 | けにろん | [投票(1)] |
★4 | ザ・フライ(1986/米) | ジェフへの憐憫を全うできたジーナの徳が、もはや退治の可否をめぐる緊張を許さない。その徳は肉体が人格を宿すという男の信仰を包括する。相反する感情から嵩じてくるやさしい心持の揺曳は陰惨なセンチメンタリズムそのものだ。 | DSCH | [投票(1)] |
★4 | 殺し屋1(2001/日=香港=韓国) | 菅田俊のアイドル映画でないか。定型サイコの浅野忠信よりも、この苦難を消化する菅田俊の方がよほどアレではないかと。彼が受け手の常識を担うほどに益々、常識から外れていく。この認知の不協和はたとえば、電話口での不明瞭な口舌として露見する。
[review] | DSCH | [投票(1)] |
★3 | 眠狂四郎勝負(1964/日) | 俺様の加藤嘉が幸福になりますように、間違っても落命しませんように、とドキドキしながらも、何となく須賀不二男の「ふふふ」笑いの虜にもなってしまう三隅研次のprofoundな語り口。 | 寒山拾得, ぽんしゅう, ゑぎ | [投票(3)] |
★3 | ローリング・サンダー(1977/米) | 殴り込みにトミー・リーを巻き込むことへ呵責が存在しないことの好ましさ。あるいは、Let's clean upの呼び声に反応するその挙措の昂奮。これは何か? かつての訓練によって習慣化した徳性が倫理を圧し殺した時、彼らは逆説的に自由という現象を体験しているのだ。 | たろ, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★3 | 叫(2006/日) | 如何にもすぎて一見のところ俗物趣味な風景もセットも、イヤらしさが高じてコントの感受性と近似するとき、そこになぜか品位と普遍性が誕生してしまう。むろん、いつものパターンではあるが。 | 寒山拾得, DSCH, 3819695 | [投票(3)] |
★3 | ラストキング・オブ・スコットランド(2006/英) | 感性の危うさで人格を造形する戦略なのに、漸進的な凋落は視圏の外で知らない間に進行し、事件はいつも唐突すぎる。図解的なカメラと素朴な知性は、事をスリラーとして処理するほかない。 | ペンクロフ, DSCH | [投票(2)] |
★4 | カリートの道(1993/米) | ドジの応報性がパチーノの悲劇を緩和。他方で喜劇というには構成の欠けるショーン・ペンの文系暗黒面。代わりに、メタボや竹内力らの肉体や知性の特性を利用した空間の解囲劇が、いい年こいたオッサンたちの織りなす現場主義の悲痛を訴える。 | DSCH | [投票(1)] |
★4 | 善き人のためのソナタ(2006/独) | 女優とよろしくやってるイケメン演出家とアパートにデリヘルを呼ぶ孤独なおやぢ(=俺)。壁が崩れて以降、目から汗が止まらなくなる。 [review] | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★4 | 悪人(2010/日) | たとえば、ママチャリのリングロックの開錠音が奏する貧困の轟きのような、深津絵里の薄幸を図像化する試みが成功しているだけに、満島ひかりという女難の襲来に脅かされるロードムービーが辛抱堪らなくなるのである。しかし、本当の女難は満島ではないのだ。 [review] | 3819695, DSCH, ぽんしゅう, けにろん | [投票(4)] |
★3 | 日本の首領 完結編(1978/日) | なぜか文太に舞い降りる近代的経営のセンスと地味に殺人マシーンと化した高橋悦史。そして、無垢な女学生の群衆に包囲され含み笑いを漏らす佐分利を以て、東映実録ファンタジーは極限に至るのだ。 | ゑぎ | [投票(1)] |
★3 | やくざ戦争 日本の首領(1977/日) | 実録物の典則そのままに混濁する若者の場末感と意外に余裕のないキュートな大人どもの分水嶺で秩序をもたらすのは、高橋悦史の広大な鼻孔である。 | ゑぎ, 寒山拾得 | [投票(2)] |
★3 | ハクソー・リッジ(2016/豪=米) | 痴性を聖化する営みが保守的な政治観と連携している。フォレスト・ガンプ的であり、聖化がスコケマシに派生するように、具体的な状況設定にも共通するものがある。 [review] | DSCH, けにろん | [投票(2)] |
★4 | 空母いぶき(2019/日) | 本田翼の場違にも程がある媚態が西島秀俊の英雄劇の一環を構成するどころか西島の操を試すような修辞的暴走となり、社会時評を装う本筋が訴えるのは抗事実的な叙事と主題である。 [review] | ぽんしゅう, けにろん, サイモン64 | [投票(3)] |
★4 | 日日是好日(2018/日) | 感情を言葉で説明して寄りたいものに寄らずにはいられない具象化の力が、深みを剥奪しながら目論むのは、「時間化」という俗の極限であり、ジャンクフードのような豊穣が茶という究極の俗物趣味を迎え撃つのである。 | 緑雨, けにろん | [投票(2)] |
★3 | 狂った野獣(1976/日) | この話の下世話さは、鶏小屋に突っ込むバスによく表れていて、実に他愛もない場面を高速度撮影で一大事のように扱う大仰さがある。混乱するばかりだった乗客たちをマスメディアの前では豹変させて和解を演じさせる批評精神にも良い印象がない。ただ、 [review] | ゑぎ, けにろん | [投票(2)] |
★4 | キングダム 見えざる敵(2007/米) | 何とも後ろめたいウルルン滞在記を紛らわすためには、クリス・クーパーや現地軍の怖いオヤジの姿態に横たわるような悠久たる人間愛に身を任せた方がよほど楽だと思うが、そこをあえて超人化した捜査員らの暴力の謳歌で応えるのはこれはこれで冒険だと思う。 | ゑぎ | [投票(1)] |