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disjunctiveさんのお気に入りコメント(3/39)

マスカレード・ホテル(2018/日)★4 仕事に対して明確なポリシーを持つ者同士のガチ確執という一線を崩さない作劇は男と女のよろめき展開を許さない。それがまさみの圧倒的な脚線露出を間近にしてさえもってのが映画的レトリック。定番グランドホテル形式の食傷はセット美術の贅が相殺する。 (けにろん)[投票(5)]
毎日が夏休み(1994/日)★3 ファーストカットの入道雲からラストの芝生の俯瞰迄なんとも魅力的な間に溢れる作品。驚くべきことに佐伯日菜子の台詞回しのたどたどしさが悪くない。特に彼女のモノローグは酷い出来だがそれだって悪くないのだ。ただし火事のシーンは性急かつ平板。また高橋ひとみの役割が中途半端。さらに風吹ジュンのキャラクター造型も中途半端。 (ゑぎ)[投票(2)]
毎日が夏休み(1994/日)★4 娘(佐伯日菜子)と義父(佐野史朗)が漂わせる飄々としたムードによって二人の非常識と母親(風吹ジュン)=世間の常識が逆転するさまが心地良い。金子修介は日常のリズムを壊すことで、日々の不安と窮屈さの中から安らぎを抽出してみせた。 (ぽんしゅう)[投票(3)]
西鶴一代女(1952/日)★3 墜ちゆく女の人生の幾つかの局面を櫛団子方式でつなぐ脚本は目まぐるしい展開力で飽きはこないのだが大局的な奔流は零れ落ちる。栄華の時期は華が欠け悲嘆の時代は徒に自虐的な田中絹代の演技。明確なポリシー欠く演出と撮影もそれ程のものとは思えない。 (けにろん)[投票(1)]
西鶴一代女(1952/日)★3 一貫性の無い行動の全てが裏目に嵌る主人公おはる最大の悲劇は”産みの親”が「その文体は女の体温よりは小判や刀の冷たさに適切」と評された西鶴だったことであるのかないのか。その数奇な運命に感慨を感じないではないが溝口が東宝系で撮った作品はメッセージ性ばかりが前に出、美術映像関係の充実がさほでもないので不満が残る。 (町田)[投票(2)]
女囚701号 さそり(1972/日)★3 東映ロゴの時点で「君が代」が流れる。日の丸。所長の渡辺文雄の表彰式。そこに警報が鳴る。刑務官(看守)たちが慌てて走り出し、表彰状が踏まれる。刑務所の外には湿地帯がある。 [review] (ゑぎ)[投票(2)]
ハンターキラー 潜航せよ(2018/英=中国=米)★4 潜水艦とシールズを合体した手垢塗れのジャンル混合物だが、背骨に現場主義的ノンキャリ魂が図太く通ってベタを押し通す。この男たちは命を賭すことを厭わないだけでなく互いをとことん信じるし決して裏切らない。プロとは何かのアナログな回答が気持ちいい。 (けにろん)[投票(3)]
素晴らしき哉、人生!(1946/米)★4 再見、皆でプール落ちの幸福感がいい、これで酔えると思わせたらそうはいくかと、家族に八つ当たりする緊張から解き放たれ。もはや嘔吐のような感動ですかね、、、この映画甘すぎやしないかという思いと、監督の信じる何かの力のせめぎ合いのようなもの。。。あと、カラスが気になった。 (モノリス砥石)[投票(2)]
ある男(2021/日)★3 鏡と男の絵。ルネ・マグリットのシュールな絵画。これが2回出て来るが、特に2回目の使われ方は、震撼とするレベルだ。何て鮮烈な絵画の扱い。 [review] (ゑぎ)[投票(4)]
ある男(2021/日)★3 ある男の得体が知れるにつれ全てが腑に落ちてしまい身も蓋もない。新たな『砂の器』としてなら窪田の来し方への寄添いが、『』的な心理の迷宮なら柄本の仕掛けが半端。サクラ筆頭に役者陣が総じて演り切れてない感があるなか小籔だけ充足。 (けにろん)[投票(2)]
ザ・バンク 堕ちた巨像(2009/米=独=英)★4 巨大銀行の犯罪を扱った社会派かと思ったら、限りなくフィルム・ノワールに近い、闇にうごめく者達の姿を描いている。とりわけ名もなき暗殺者ブライアン・F・オバーンの描写は秀逸で、『ジャッカルの日』を彷彿させ、クライムサスペンスの佳作と言える。 [review] (シーチキン)[投票(2)]
ヴァイブレータ(2003/日)★4 女も男も、人物設定はベタと云えばベタなのだが、ベタなりに徹底的によく考えられて造形されている点は感心する。寺島も大森もその掘り下げられたキャラクタを十分に表現できていると思う。 [review] (緑雨)[投票(4)]
ヴァイブレータ(2003/日)★4 あくまで自己完結した女の理想郷願望話には「はあ、さいでっか、よろしおましたな、ほなさいなら」としか思えないが、トラックが行く冬枯れの辺境のロケ効果が抜群で、それを一切装飾せずにスクリーンに移植し得ている。廣木のダサい演出が功を奏した。 (けにろん)[投票(5)]
ヴァイブレータ(2003/日)★5 31年間溜め込んだ負の欲求を、手を延ばせば男の肌が届く密室の中で吐き出しつつ続く女の旅。心や態度が優しいのではなく、存在そのもが優しい男。それは優しさを求めながらも、拒み続けてきた者の苦悩の間隙に一瞬だけ感じるこができる優しさなのだろう。 [review] (ぽんしゅう)[投票(6)]
ワイルド・スピード スーパーコンボ(2019/米)★3 キャラ対照の妙味は瞬く間に失せて2マッチョが全篇暑苦しく暴れ回るだけなので酸欠になりそうだ。そんな中、敵役アルバの微妙な屈託とカービーの絶妙な廉価感が辛うじて風穴を開ける。朴訥ドウェインの嬉し恥ずかし風情がむず痒くも微笑ましい。 (けにろん)[投票(1)]
Wの悲劇(1984/日)★5 誰しも、その場その場で何かの役を演じているものだ。そんな自分が好きになれるか嫌いになるか、その迷いを乗り越え自分を受け入れることが大人になるということなのかも知れない。しかし、静香(薬師丸ひろこ)が幸福な選択をしたのかどうかは分らない。 [review] (ぽんしゅう)[投票(6)]
クリード 炎の宿敵(2018/米)★5 不覚にもドラゴ親子に感情移入してしまい大変な鑑賞となる。それだけドラゴ親子の不遇を丁寧に描けていたと個人的には思えた。ドラゴ対クリード戦の際のクリード登場シーンでビアンカが先導した点が演出としてかなりお気に入り。明らかに世代交代、新時代の幕開けだ。 [review] (IN4MATION)[投票(1)]
クリード 炎の宿敵(2018/米)★3 ドラゴ父子積年のルサンチマンが結晶するタイトル戦で裂帛の気迫に折られた心が立ち直る契機が赤ちゃん誕生ではだが、流石にそこは体に沁みたボクサー魂の回帰として描く。だが彼我の力量差の均衡には虎の穴の猛練習ではね。仲良し親子のランニングもトホホ。 (けにろん)[投票(1)]
レジェンド&バタフライ(2023/日)★3 くっさいタイトルだが見れば成程本質をついたもんだと思わされる。信長&帰蝶の戦乱の時代を背景にした反目→融和→別離の一大ロマンクロニクル。今の時代にこういうもん作る気概は買いたいが、如何せん題材もキャストも手垢感満載で枠をはみ出すものも皆無。 (けにろん)[投票(1)]
酔いどれ天使(1948/日)★3 ファーストカットはメタンガスが湧くドブ沼。畔で侘しくも拙いギターを爪弾く男。物語の舞台は全てこのドブ沼の周辺。バカでかい広告看板、頭の上を走る高架の電車、闇市の域を出ない駅前の商店街。終戦直後の、貧しくも猥雑と活気に満ちた庶民の生活感を印象に焼き付けるロケーションが強烈。 [review] (緑雨)[投票(4)]