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disjunctiveさんのお気に入りコメント(4/39)

ロケットマン(2019/英)★4 この映画、そうとうヤバイ精神状態の男が描かれているのに、悲壮感が“可笑しみ”へ転嫁して思わず笑ってしまいます。それはエルトンの生きざまそのもので、ロックンロールと出会いさえしなければ、この天才音楽家は“太った道化師”にならずに済んだのでしょう。 [review] (ぽんしゅう)[投票(1)]
TENET テネット(2020/米)★3 ノーラン自身が『メメント』でやった順逆の時制のコントロール、それを別々の流れを再編するに留まらず、一つ時制、一つの画面に統合するというチャレンジングな試み。 [review] (緑雨)[投票(5)]
ブラック・クランズマン(2018/米)★2 全くアカデミー脚色賞受賞作に相応しい、映画としての、画面の愉悦に乏しいプアな映画だ。さらに云えば、これは映画を作ろうとして作られたものではないとさえ思える。本作中、最も良いカットは、冒頭の南北戦争場面の大俯瞰クレーン移動ショットだ。 [review] (ゑぎ)[投票(7)]
ブラック・クランズマン(2018/米)★3 バディ・ムーヴィとしては粗末である。ジョン・デヴィッド・ワシントンは発端こそ作るものの潜入捜査における貢献が過小だ。またアダム・ドライバーが相対的に優秀に過ぎ、彼が電話対応を兼務しない道理がない。白人の差別主義者を虚仮にするのは当然だが、黒人主人公をも頓着なく侮った演出は不穏当だ。 (3819695)[投票(2)]
へレディタリー 継承(2018/米)★4 トニ・コレットに●●したのは◯よりむしろシェリー・デュヴァルだろう・・・というお話はともかく、『シャイニング』(キューブリック版)等が正しく踏まえられた達成。演出面のオマージュも然りだが、家族という牢獄の中で、秘められた不信と憎悪が顕になることで事が粛々と運ばれる底意地の悪さも。 [review] (DSCH)[投票(1)]
秘密の森の、その向こう(2021/仏)★4 セリーヌ・シアマの実力に惚れ惚れする。これは前作『燃ゆる女の肖像』と打って変わって、極上の掌編小説の趣き。しかし、本作も映画的なスリリングな画面に溢れている。 [review] (ゑぎ)[投票(2)]
秘密の森の、その向こう(2021/仏)★4 時間遡行による関係性の再構築とかないのが良い。その何もない物語の底に潜んでいる不穏さもやがて別離と帰還によって解消されるだろう。子どもの頃の夢と現つの錯綜を描く劇伴なしの静謐でスタティックなフレームワーク。それはどこかエリセを思わせる。 (けにろん)[投票(3)]
特急にっぽん(1961/日)★4 線の上に「にっぽん特急」という文字が右側から出て、「特急」の文字だけが右へ左へと動き、「にっぽん」の前に連結する、というタイトルイン。列車の狭い通路を使った人物の出入りの演出は、川島雄三らしさに溢れたものだ。仰角を主体とした構図、見事な空間描写。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
ドライビング Miss デイジー(1989/米)★4 片や、善良さと清廉さを根本に持つが故に、その矜持を保とうと狷介を譲れぬ者。此方、差別される苦難と闘い続けたけてきたことで、誰よりも本質を衝く見識眼を身につけるに至った者。 [review] (緑雨)[投票(4)]
コンシェンス 裏切りの炎(2010/香港=中国)★3 主役2人の確執は大して劇的緊密があるわけでもなく、寧ろカイチーパオチャンたち双方の脇キャラの切実なドラマが泣ける。だが、何と言ってもダンテ・ラムの過剰が炸裂するクライマックス。炎と水と火薬と血と赤ん坊の産声。わやくちゃである。 (けにろん)[投票(1)]
河内カルメン(1966/日)★4 鈴木清順らしいケレンみのある遊んだ演出がある中で吃驚するくらいオーソドックスかつダイナミックな画面造型が共存している。 [review] (ゑぎ)[投票(3)]
河内カルメン(1966/日)★4 野川由美子! 完璧な美貌ながらそこに人を寄せつけぬ冷たさはなく、能動的かつ受動的な男性遍歴を経ても芯の人格的潔癖を失わず生来の明朗を保つ。演出家が溝口的/今村的な「女性性礼賛に裏付けられたサディズム」を欠くがゆえの魅力的な造型。あるいはそれがカルメン性か。たとえば『故郷に帰る』の高峰秀子も。 [review] (3819695)[投票(7)]
恋の渦(2013/日)★4 3つの部屋しか登場しないのに、140分間、テンションが下がらず実に騒がしい映画だ。見事に「こんな奴いるいる」的類型に描き分けられた若者たちの台詞と行動様式に説得力があるからだろう。大騒ぎの割に恋の顛末は意外と古典的なのは「恋は時代を超える」からか。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
恋の渦(2013/日)★5 限定空間でのエクストリーム下衆同士の駆け引きと騙し合いの応酬が飽くことなくリニューアル版『しとやかな獣』めき、入念な下準備とデジタルを利したマルチカメラの使用で短期日で一気に仕上げた凝縮は新世紀の『日本の夜と霧』。内実と手法の理想的合致。 (けにろん)[投票(1)]
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019/米)★4 甘酸っぱい青春ものをアクションで強引にまとめる手腕はもはや熟練と呼べる域。手堅く★3かと思ったが、ラストで★1つプラス。このラストからのおまけ映像への展開も良き哉。 (ロープブレーク)[投票(2)]
パリ13区(2021/仏)★4 大きな瞳に自身の衝動への戸惑を浮かべつつ暴走し、人生のレールに乗れないインテリ崩れをルーシー・チャンが好演。柔らかなトーンのモノクロ映像が性描写の生々しさを中和して美しい女性映画。何といってもWebという“逃避空間の女”の存在が現代性を担保する。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
アベンジャーズ エンドゲーム(2019/米)★3 サノスの言い分に一理あるし痛みを伴わぬ間引の安楽感ゆえに1時間かけての鎮魂・苦渋は大袈裟な紙芝居めく。タイトな面子が残っての望まぬ自己犠牲な顛末に向け全身全霊で物語を絞っていくところ又かの無駄弾補充で拡散し挙句は何でもぶち込む闇鍋と化した。 (けにろん)[投票(3)]
殺し屋たちの挽歌(1984/英)★4 殺し屋2人が標的拉致ってスペインからパリ目指すのんべんだらり道中だが、間延び展開を間断する殺し屋たちの瞬発的な生業に対するプロ本能。余裕かましたスタンプの土壇場での失落。時間軸の流れが随所で急変するが大方はだるい。人生とはそんなもの。 (けにろん)[投票(1)]
冬薔薇(ふゆそうび)(2022/日)★5 バカでダメな自己都合願望の周りで地を這って生きている者たちは足るを知っている。それが見えぬ彼は弾き出されるしかない。阪本は救済しない。堕ちてまえと突き放す。雪夜のメフィストフェレスとの邂逅は物語が行き着いた大見得。役者陣がほとほと良い。 (けにろん)[投票(4)]
死刑にいたる病(2022/日)★3 優しく語りかける顔から徐々に感情が抜け落ちて、大きな泣き袋だけが浮かび上がる阿部サダヲの能面の不気味。獄中から指示を出す例の羊印の傑作を思い出す二番煎じの設定ながら、サイコパスのキャラは準備万端。でもそれだけじゃスリラーにはならない見本。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]