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disjunctiveさんの人気コメント: 更新順(12/35)

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★4明治侠客伝 三代目襲名(1965/日)鶴田浩二のスケベが筋に組み込まれるように、出来事を構造に織り込む力は彼を津川雅彦の物語の傍観者にしておかない。軟体のように伸びる鶴田の鼻の下は、丹波哲郎の棒読みに繰り込まれるまま、任侠映画という構造そのものに達する。 [review]けにろん[投票(1)]
★4ベルリンファイル(2013/韓国)チョン・ジヒョンの薄幸力がベルリンを神田川三畳一間の情調へ落とし込む。ベルリンで事をやる意味がない以上、窮乏が三畳一間へ空間を改編して舞台の必然性を調達する。その編成の媒質としての、リュ・スンボムの西村ひろゆき顔の明るき寄る辺なさ。けにろん[投票(1)]
★3ソーシャル・ネットワーク(2010/米)プロジェクトや感情移入のきっかけとなるスケベゴコロが、スクールカーストをベースにした説明台詞を出ず、過程という概念も乏しい。物語の目論見としてはスケベゴコロの実体化に関心が向かったようで、真顔で鼻の下が延びる一発芸に帰結。これは見事。寒山拾得, DSCH, 3819695[投票(3)]
★4カメラを止めるな!(2017/日)演出家が演技をすることで本音を出せて役者に報復しえたように、事象のトレスで人格の本質が顕れ、かえって自由になれてしまう。反復であり答え合わせである記述という営みが何ゆえ美的経験をもたらすのか。 [review]t3b, DSCH, ぽんしゅう, けにろんほか5 名[投票(5)]
★4女相続人(1949/米)デ・ハヴィランドがここで抱える外貌や性格の課題は、観察対象としては頼りない。貧乏で汚らしい世間一般のオッサンが被る重篤な障害と比すれば。 [review]ぽんしゅう, 寒山拾得[投票(2)]
★3エスケープ・フロム・L.A.(1996/米)役者根性を試しにかかるこのコスチューム劇はラッセルをナルシシズムに憩わせない。劇中で幾度も自己言及される彼の体のバランスの悪さは、ルームランナー、グライダー、津波を通じて罰ゲームのように絶えず実体化される。 [review]DSCH, ゑぎ[投票(2)]
★3ミッドウェイ(2019/米=中国=香港=カナダ)エド・スクラインの顔面映画である。エメリッヒ作品の湿ったセクシャリティを濃縮したようなあの顔が、極彩色の海原上をスペルマの飛沫の如く飛び交う曳光弾をかいくぐり、トヨエツ&浅野の二大ネオモンゴロイド顔と交錯。國村隼を大いに困惑させる淫猥さけにろん[投票(1)]
★4ナイト・オン・ザ・プラネット(1991/米)人の発見に長けたこの密室劇は、ベニーニのサイコ性をも的確に抽出せざるを得ない。前半の人情噺はこれでぶち壊しになるも、諦観に安住する趣味の悪いヘルシンキの結末にサイコの物的な迫力が何かしらの感慨をもたらしていると思う。けにろん[投票(1)]
★4愛、アムール(2012/仏=独=オーストリア)細部に悲酸が宿るほど経済問題のない介護物の浮遊感は否めなくなるが、そのフワフワを逆手にとって、トランティニャンは気品を隠せない自身の西村晃声に導かれ運命の虐待から卓越していく。その際、イザベル・ユペールのテンパりが対比として効いてくる。けにろん[投票(1)]
★4インランド・エンパイア(2006/米=ポーランド=仏)ローラ・ダーンの内村光良顔がホワイトトラッシュの質感にふれたとき、北米がロシアンパブに覆われていく。その偶発的な軟地盤は構造物を彷徨ううれしさをともないつつ、納品は終わったのに疲弊で不機嫌しか残らない負の達成感に物質的土台を獲得する。けにろん[投票(1)]
★4アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015/英=南アフリカ)この手のモラルチョイスで想定される不作為の被害は数倍が相場である。しかし本作では数十倍になり、モラルチョイスの苦渋が希薄化されている。 [review]死ぬまでシネマ, けにろん[投票(2)]
★4イースタン・プロミス(2007/英=カナダ=米)コテコテのVシネにナオミ・ワッツの筋が絡むカテゴリーエラーの喜劇は、ヴィゴ・モーテンセンの怖気の振るうナルシシズムに帰着する。文体の模索はとうぜん試みられ、ナルシシズムはポルノの物的な迫力へと発展的に誤用される。 [review]3819695, けにろん[投票(2)]
★3川の底からこんにちは(2009/日)作者が満島ひかりに凡人讃美をやらせる。作者も満島も凡人ではないから、これは厚顔であり話に取り付く島がない。偉いのは遠藤雅で、彼を通して厚顔が無感覚ゆえの哀れみに翻案されている。3819695[投票(1)]
★3スカイライン 征服(2010/米)割れ顎、メタボ、男性型脱毛症。B級映画の吹き溜まりのような面々の叫喚が地球の危機を密室劇へと矮小化するセンス・オブ・ワンダー。しかし、この不条理による筋の視界不良によって、宿命という不条理の根源が導かれるのである。 3819695, けにろん[投票(2)]
★4サイレント・ランニング(1971/米)あらゆるカテゴリーを包括してきたニューシネマがSFという際物を持て余してしまう。志に撮影の質感が追い付かない安さは、70年代という文明の根源的な安さを検出せざるを得なくなる。だがその安さは帰属先を喪失した感動的な安さなのだ。ぽんしゅう, DSCH[投票(2)]
★4悪人伝(2019/韓国)ドンソクがキム・ムヨルと取引する必要があるのだろうか。本来ならボーイズ・ラヴを高揚させるはずのその不自然がドンソクのヒロイズムにただ乗りするあまり、童貞やくざ映画という虚無に誤接続する踏み足。けにろん[投票(1)]
★4アメイジング・スパイダーマン(2012/米)偉すぎるオッサンたちの死屍累累もリス・エヴァンスの哀しきクローネンバーグ節も、すべては、一夜の事件に長い歳月を錯視させてしまう失恋した夜の体感の肥やしにしてしまう安定のマーク・ウェブ節。けにろん[投票(1)]
★4さよならをもう一度(1961/米)不可解なパーキンスの熟女趣味もバーグマンが地雷に引っ掛かったと解釈されれば彼女のナルシシズムが母性に変貌する。イヴ・モンタンにとってみればその母性は不倫の仮構となり、性欲を牽引されてしまう。けにろん[投票(1)]
★4パレード(2010/日)役者に個性を展示させるという目を覆いたくなる演出の営みが語り手の度重なる転変を経て造形の放過に至れば、場が人格の隙間を埋めていく。けにろん[投票(1)]
★4沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇(1995/仏)先鋭化する状況依存が自分を語ってしまう逆説。状況が自分を語ってくれるから考える必要がなくなり、あまりにも物的になった筋の運びが省略された社会時評に否応なく回帰する。社会時評に人が乗っ取られることの、あの形容しがたい迫力をともないながらゑぎ[投票(1)]