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けにろんさんのコメント: 投票数順

★4ノーマ・レイ(1979/米)社会意識ゼロのノーマが徐々に問題意識に目覚める過程が男と女の惹かれ合う感情とリンクされ納得性ある展開。何よりレイノルズの可愛い子ちゃんだったサリー・フィールドの捨て身の変貌と題材が絶妙に同期してる。一期一会とは本作のようなのを言う。[投票]
★2ファイナル・カウントダウン(1980/米)曲がりなりにもタイムスリップという映画的題材を主題としながら、見所は本物の空母ミニッツと艦上から発進する戦闘機だけという竜頭蛇尾ヘタレ映画。大体、肝心の「パラドックス」ネタに踏み込む前に終わっちまうんだったら端からやめとけよと言いたくなる。[投票]
★3マデリーン 愛の旅路(1950/英)手堅い演出だし退屈することもないのだが、41歳のアン・トッドが適齢期の女性を演じるのが土台無理であり華が無さすぎ。男達にも魅力がないのでグダグダの恋愛の泥沼は正味どっちでもよくなる。構成上の煮え切らなさもあり気持ちの持って行き場がない。[投票]
★4バレンチノ(1977/米)生きる縁を本能で知悉したように飛び石の如くに女たちを伝って時代を駆け抜けるバレンチノの内面をラッセルが描こうとしたとも思えない。20年代ハリウッドを取り巻くショービズ界へのノスタルジーが全てで、そういう点で徹底的に凝りまくっている。[投票]
★3アレンジメント 愛の旋律(1969/米)8 1/2』的自己探求と言えば聞こえは良いが単なる不倫の自己釈明と思えなくもない。どっちにせよカザンの想いは1人よがりで普遍化されているとは思えずニューシネマ勃興期に登場した出遅れのフェリーニもどきの感が拭い難い。これは老残であろう。[投票]
★3土曜の夜と日曜の朝(1960/英)閉塞感に支配された斜陽の大英帝国。油に塗れて働いて週末パブで女を引っかける。その繰り返しの日々に出口なんかない。アンチモラルや無軌道であることでしか鬱屈は晴れないが出る杭は打たれるのだ。遣る瀬無い日常の僅かな曙光を噛み締めて人は生きていく。[投票]
★3ネットワーク(1976/米)役者もスタッフも揃ったが、視聴率至上主義と言っても今更当り前過ぎて更なる過激なカリカチュアが欲しかったところだ。さすれば狂気と狂気の狭間で諦観するホールデンなぞもそのシニズム故に更に生きてくる筈だった。ルメットは生真面目で愚直すぎ。[投票]
★4さよならを言わないで(1969/伊)行き場のない刹那感に思い出はあくまで美しく縁取られ、やがて確実に来る終着点に向かって愛は昇華されていく。そして、美しい2人を、これ又圧倒的に美しく哀しい秋の佇まいが包み込むのだ。世の規範に背を向けてひたすらに閉じた世界に埋没していく佳品。[投票]
★1地獄の天使 紅い爆音(1977/日)数年後に日本映画の一時代を担う陽造荒井がロジカルな構成の因縁劇を構築しているが、如何せん主演が余りに大根過ぎて背負った陰だけが強調され番を張ったという強靱さが余り感じられずケレンだけが上滑る。何だか見てるのがひどくこっ恥ずかしい。[投票]
★4夜の儀式(1969/スウェーデン)土壇場での攻守の逆転というモチーフは『魔術師』から10年を経てTVという枷の中で凝縮された。「様式」と「室内」という基調に刹那的に差し込まれる「リアリズム」と「屋外」がニクヴィストの撮影で煌めく。それにしても、この緊迫感は只事ではない。[投票]
★2サンチャゴに雨が降る(1975/仏=ブルガリア)アルジェの戦い』に自戒を篭めた仏映画人達の叩き潰された南米左派政権への共振。なのだろうが多分に時流追従めいている。叙情過多のスローモーションの垂れ流しはセンチ過ぎでポリティカルなことの本質から映画を遠ざける。ピアソラの音楽が勿体ない。[投票]
★5インテリア(1978/米)神の不在と女の性というベルイマン2大要件から神学的前衛を除いたエピゴーネンだとしても姉妹、親子、そして夫婦の確執は腰が据わってドラマラスな醍醐味を満喫させる。自分本位の基準による統御は周囲を歪ませる。破綻と崩壊から新たな世界が始まる。[投票]
★3不良少年(1961/日)物語を通して何かを提起するというよりドキュメンタリズムの荒削りな即物性の生々しさをフィルムに刻印することで完結してしまっている。小宇宙での内ゲバではなく、社会性の中での善悪や正邪の相克といった相対化の試みが無ければ単なる観察記録でしかない。[投票]
★3シャーロック・ホームズの素敵な挑戦(1976/米)反転されたホームズとモリアーティの関係にフロイトを絡ませるという設定のアイデアありきで、それ以上でも以下でもない。一線級のスタッフの仕事は卒がない出来とは思うが、エモーションが物語を推進することは遂ぞ無い。所詮は枠内に収縮するしかないのだ。[投票]
★2素晴らしき放浪者(1932/仏)片っ端から世の不文律を破壊し勝手気儘に物事を成せばアナーキーだとでも言うのだろうか。どれだけルノワール的な川と光で全篇が彩られていようとも、この親爺の生き様には快感も共感も得られない。何故なら破壊されるべき何物も呈示されていないから。[投票]
★2風の又三郎(1940/日)製作時に観たならどうだったか知れぬが、こうも特殊撮影のアラが目については乗れない。その部分に負ったリリシズムこそが肝の題材だけに致命的。これが更に10年前の作品であったなら、よりレトロな風情も加味され別種の感興もあり得たかも知れないのだが。[投票]
★4用心棒(1961/日)一塵の風と共に仲代登壇以降はヒリヒリする腹の探り合いが物語を引き締めるのだが、相対する勢力のバカさが黒澤流カリカチュアの形骸を露呈する。切り落とされた腕を犬が銜えて走る町にしては荒みが足りないのだ。既のところで神話に到達し損ねた。[投票]
★2女王陛下の007(1969/英)エモーションは隠し味としてそこはかとなく臭っていればいいのに、隠し味が前面に出れば料理はぶち壊される。シリーズの転換期に主役と映画の色調を同時に変えてしまったのが変化を好まないファン心理を逆撫でした。レーゼンビーが悪かったわけじゃない。[投票]
★3さよならの微笑(1976/仏)モラリズムの枷を取っ払って行くとこまで行けばというサバけた解放感が良いが、主役の2人がどうにも素人臭くて魅力に欠け、脇のピジェマルシャンの方が強烈な個性を放って輝いたのでは今いち真の至福には至れない。が、男と女の相性はそんなもん。[投票]
★2オルカ(1977/米)ジョーズ』便乗企画を巨大シャチで勝負するラウレンティスの映画屋魂はありとしても無機的な殺人魚に対して情てんこ盛りの擬人化親子愛ダダ漏れでは古めかしすぎる。北海の景観は情緒を味わうまえに寒々しくて辛気くさくアクションはキレなくショボい。[投票]