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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★3霊幻道士(1985/香港)残業帰りにカップ麺喰らいながら下らねえと云いながらひとり観るのに格好の映画。そういう図しか思い浮かばない。 [review][投票]
★5赤い影(1973/英=伊)陽気なイタリアは他国から嫉妬される運命にあるらしく、本作もベニスを英国らしい湿気で塗り込めてしまった。展開されるのは象徴界と想像界の迷路のように入り組んだアラベスク。 [review][投票(1)]
★4デッド・オブ・ナイト(1972/米=カナダ=英)ベースの物語と登場人物の回顧譚5作(1.霊柩車の運転手・2.クリスマスパーティ・3.呪われた鏡・4.ゴルファー物語・5.腹話術師)から成り、モノクロらしい深夜と真昼の得体の知れなさが蔓延している。コメディ作品4がHGウェルズ原作の由。 [review][投票]
★4恐怖の足跡(1962/米)ずけずけ部屋に踏み込む奇怪な隣人リンデンが別の意味でコワいのがとても効いている。河馬みたいなアパートの女主も秀逸。幽霊は石橋蓮司似。ゾンビ集団の登場がロメロより先というのもポイント高いだろう。 [review][投票(1)]
★4アルチバルド・デ・ラ・クルスの犯罪的人生(1955/メキシコ)過去の異常事にかかるトンデモ批評の連発。『銀河』や『ブルジョアジー』などフランス移動後の傑作群に直結するタッチでもって、意地悪爺さんは人の善意と悪意を揶揄い続ける。 [review][投票]
★3ブルー・ガーディニア(1953/米)上質のサイコサスペンス。アン・バクスター横転時のぐるぐる渦巻きのイメージが白眉で『サイコ』に先行している。収束が弱いのが残念。 [review][投票]
★5汝の敵日本を知れ(1945/米)ほぼ正確で穿った大日本帝国の素描。反転させればネトウヨの国家観とまるで同じであり、高市某か稲田某辺りの朗読で日本語版つくったら、そのままその筋の研修ビデオになるのではないだろうか。 [review][投票(1)]
★3呪いの家(1944/米)「星影のステラ」の映画として価値高いが、ジャズ・スタンダードと映画がこれほど乖離しているのも珍しかろう。純粋な幽霊の主題は『幽霊と未亡人』(47)のほうが抜群に優れており(とちらもチャールズ・ラング撮影)、本作はそのエチュードの印象。 [review][投票(1)]
★5怒りの日(1943/デンマーク)検閲通過の韜晦として史上屈指のダブル・ミーニング。凍りつくような沈黙が支配する、『奇跡』の前哨戦に相応しい傑作(含『尼僧ヨアンナ』のネタバレ)。 [review][投票(4)]
★3戦艦バウンティ号の叛乱(1935/米)冒頭、「喜べ、海軍に入れてやる」と酒場に乱入して客を無理矢理連行する強制徴募隊。ボスのクラーク・ゲーブルは悪役なんだなと見ていると以降は正義感になるのが訳判らなかった。昔の常識は計り知れない。 [review][投票]
★3スピオーネ(1928/独)序盤と終盤の演出は冴えまくっている。この調子で全編通してほしいのだが、中盤は淡々と物語を追うのが当時の常識だったのだろうか(オーソン・ウェルズも同様だ)。大半はありがちな物語を追いかけるばかり。ハラキリは笑えるが。 [review][投票]
★3タルチュフ(1926/独)複雑な現実を一方的な視点から裁断しており浅墓な印象。美術は素晴らしく、グロテスクに大きな呼び鈴のベルがいかにもサイレント映画の小物で異常に印象に残る。 [review][投票]
★4素晴らしい哉人生(1924/米)ポーランド人はなんて苦労したのだろう。この苦労は、ドイツ人は忘れてもポーランド人は絶対忘れないのだろう。映画はそんななか、小さな幸せを綴ってIsn’t Life Wonderful?と呼びかける。肉屋の行列の件がすごい。 [review][投票]
★4巨人ゴーレム(1920/独)黒魔術の存在が肯定されるユダヤ人ゲットーの物語。センシティブな話で暗喩は難しく、どう観ていいのか戸惑わされる。カフカ以降の映画なのだからなおさらだ。自己批評を批評する権利があるのは当事者だけなのだろう。 [review][投票]
★4太陽の蓋(2016/日)菅当時首相側からの福島原発事故対応への弁明とテンコ盛りの東電批判。主張において『Fukushima 50』と一対なんだろうが、あなたメジャー館封切こなたマイナーという配置自体が現在の政治状況のトレースという感想。 [review][投票(1)]
★4i-新聞記者ドキュメント-(2019/日)こういう文屋の反骨の成果がテレビでは殆ど流れなくなった現在、映画は記録する価値がある。社会部記者のドン・キホーテのような突撃取材は、政治部記者の大半のサラリーマン化と好一対を成している。 [review][投票]
★2この道(2019/日)北原白秋は「万歳ヒットラー・ユーゲント」(!)も作詞した戦争協力者。しかし本作は彼が国家主義に傾倒した期間をまるで検閲に引っかかったかのようにすっぽり省略し、しかし無視する訳ではなく周辺人物に嘆かせる。この珍しい作劇は何なのだろう。 [review][投票]
★5MINAMATA -ミナマタ-(2020/米=英)天才の優れた晩年の処し方と公害事件の典型を描いて堂々の出来。フォーエバー・ヤングが泣かせる。 [review][投票(1)]
★3太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男(2011/日)戦陣訓を相対化する籠城兵を描いて興味深いが、痒い所に手が届かず竹野内豊の格好いい大尉の話になっちゃった。日米軍事同盟の長期勤続表彰みたいでもある。狐と呼ばれては本人も形無しだろう。 [review][投票]
★3CURE/キュア(1997/日)当時の脳科学ブームからネタ拾ってきたのだろうが、リアルな症例より当然印象薄くなる。何十年にもわたってテレビでじゃんじゃん取り上げられているのだから、オカルトが「権力の弾圧受けた」なんてポーズも芳しくないだろう。 [review][投票(1)]