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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★3ウンタマギルー(1989/日)マジックリアリズムによる原沖縄のフィクショナルな活性化が目指されたのだろうが、意匠各種はありふれたもので殆どガルシア=マルケスのパクリ。沖縄の文化は見難く盛り上がりに欠けた。 [review][投票(1)]
★3上海特急(1932/米)サイレント時代のようなスタンバーグらしい力感溢れるショットは殆ど観られず、わずかに暴動シーンの夜の白煙と逆光が愉しい程度。褒め処はふくよかに撮られたデートリッヒぐらいしかないんだろう。怪鳥のコスチューム着て何故か芹明香に激似。 [review][投票(1)]
★3バターンを奪回せよ(1944/米)日帝陸軍がバターン死の行進付きでボロカスに描かれる。マッカーサーのアイシャルリターン達成が44年10月だからリアルタイムで撮っていることになる。ここまで正義を謳ったなら、米のフィリピン保護の本気度は問われる処だろう。 [review][投票]
★2ミスタア・ロバーツ(1955/米)太平洋戦争末期を扱うドタバタ戦記物。コメディとシリアスが明らかに分裂しており、コメディ自体も低調。フツーに失敗作だろう。ドクター・ロバートは関係ない。 [review][投票]
★3栄光何するものぞ(1952/米)見処は前半のコメディで破天荒に快活でとてもいいのに、後半戦争に戻ると退屈になる。全部コメディで終わらせて西部戦線を無視したらもの凄いのだけど、勿論そうはならず予定調和の感。 [review][投票]
★2サヨナラ(1957/米)いわゆるらしゃめん映画。長くて退屈だが、米軍側から見た『キクとイサム』と思えば興味が湧いた。日本描写は特に落ち度がなくトンデモ映画の資質欠いているのが痛い。女優はアングラポルノ好み。 [review][投票]
★4歌え!ロレッタ愛のために(1980/米)恥ずかしいのを基本とする邦題のなかでも本作は最悪の部類だろう。タイトル「炭鉱の娘」で曲も映画もヒットしちゃうアメリカ文化というのは素晴らしいなあと羨んでしまう。 [review][投票]
★4面影(1948/日)亡妻を巡る奇妙に倒錯した恋愛譚で、陰翳に富んだ撮影美術と相まって三角関係話をホラーに近づけており、敗戦の傷跡を浮かび上がらせている。若山セツ子の花柄ビキニも見逃せない。 [review][投票]
★2わが愛(1960/日)どれも退屈な『白い牙』『猟銃』と続く井上靖三部作の第一作は、妾を手玉に取った小説家の酒場での打ち明け噺系。なんでこんな作家がノーベル賞候補だったんだろうカッパブックスレベルではないか。 [review][投票]
★5かあちゃん結婚しろよ(1962/日)邦画全盛期らしい品格のベタ映画。『煙突の見える場所』的横滑りの作劇が変奏される地獄巡りが突然に過激で伴淳が冴えまくり、体育教師ハナ肇と子役時代の中山千夏が素晴らしい。 [review][投票]
★2100万人の娘たち(1963/日)宮崎が新婚旅行のメッカだった時代を記録しているのが興味を引くが地味。出来合いの好いた晴れたが特に何の閃きもなく展開されるなか、見処は小畑絹子吉田輝雄の新東宝コンビの入浴に蜘蛛が新東宝らしく侵入する件。 [review][投票]
★4恐れ山の女(1965/日)当時らしいフォークロアものだが、全編ギャグ映画としても観られる奇妙な二枚腰演出があり、呪術譚への没入を異化して日本の原像を脱構築していると解した。すると奇怪な東野英治郎の投入も大笑いできる。 [review][投票]
★5女と味噌汁(1968/日)懐かしい懐かしい東芝日曜劇場。この軽やかな喜劇の元祖は五所ら松竹陣な訳で云わば先祖返り。池内淳子長山藍子の最強コンビは存外ヨロメキ系で魅力たっぷり、ライトバンの出店は先駆的。年配者で大入りの劇場で東芝三分割の年に鑑賞。 [review][投票]
★3糸あやつり人形劇映画 明治はるあき(1968/日)糸吊り人形劇自体珍しいので興味深く観られた。明治百年の文化庁企画で愉しめる美術もあるが復古趣味は臭い。話はちょっと美しかった。 [review][投票]
★4わが街三島 1977年の証言(1977/日)五所遺作は三島市の水源枯渇に係るドキュメンタリー。高度経済成長の歪みを糾して誠実な作り。作品では触れられないが、三島は市民運動でコンビナートを建設断念に追い込んだ歴史がある由。 [review][投票]
★3素浪人罷通る(1947/日)当時全盛の産みの親賛美の物語のなかでもある意味極北。現代では見事にリアリティが失われた物語構造で、醒めて眺めるとかえって面白かったりする。序盤のドタバタが面白い。 [review][投票]
★3われ幻の魚を見たり(1950/日)いかにも明治の人間が喜びそうな夫唱婦随の立志伝。控え目に云って苦手だが、端々の描写に明治大正の含蓄が篭っているのが見処。 [review][投票]
★2王将一代(1955/日)阪妻版より長い期間を一篇に押し込めて描写は淡泊、辰巳柳太郎なのに三吉は印象散漫で、収束に至っては訳が判らない。現像失敗などトラブルが多かったらしく、不幸な一作なのだろう。 [review][投票]
★4花嫁の寝言(1933/日)姉妹編『花婿の寝言』から教訓を取り去ったようなナンセンスコメディ。いつもの面々がバカバカしいお笑いに打ち込む様が美しい。 [review][投票]
★5愛撫(アムール)(1933/日)家父長制はある日突然破綻したのではなく、このような和解の積み重ねでもって相対化されたのだと判る好篇。フランス語のサブタイトルが効いている。本作の岡田嘉子は小川真由美似。 [review][投票]