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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★3僕と未来とブエノスアイレス(2004/アルゼンチン=仏=伊=スペイン)才気走った演出で良心的な主題を良心的なままに扱っており、良心的だがドラマにはならなかった。 [review][投票]
★4ツォツィ(2005/英=南アフリカ)赤ん坊の世話が具体的なのが本作の美点。新聞紙でのおむつ替えとか、片手で乳房を支える授乳とかの瑣事でこの子の可愛さが際立ってくる。 [review][投票(1)]
★3渇き(2009/韓国)異教徒にはついに判らない世界が延々展開される。バンパイヤが際物にならないのは、キリスト教がイエスの血を飲む宗教だからなんであって、これはキリスト教版密教タントラなんだろう。 [review][投票(1)]
★4弓(2005/韓国)才気走った見事な神話世界を構築するモチベーションに、ギドクという人はこの妄想親爺の淫靡な願望しか用意できないのだろう(含『裸の島』のネタバレ)。 [review][投票]
★5この自由な世界で(2007/英=独=伊=スペイン=ポーランド)本作は現実であり可愛らしいディストピアSFではなく容赦なく観客をペシャンコにする。現代映画のひとつの典型であり、ジャームッシュもカウリスマキもダルデンヌ兄弟も、撮り続けているのは本作の応用編なんだろうと感じさせられるど真ん中。 [review][投票]
★4さざなみ(2015/英)物語技法としてはひとつ優れものだが、登場人物を物語の実験に使っている印象も残った。 [review][投票(1)]
★3怪談乳房榎(1958/日)新味はないが安定の新東宝怪談。美術は充実しており、火の玉の飛ばし方などスリリングで上手いものだ。若杉嘉津子さんはいつも虐められていて可哀想だ。 [review][投票]
★5ヒットラーの狂人(1943/米)ジョン・キャラダインのハイドリヒの傲慢もの凄く、この悪役造形は針が振り切れており忘れ難いものがある(含『母と暮らせば』のネタバレ)。 [review][投票]
★4姿なき軍隊(1945/デンマーク)三角関係ベースの延々たる討論とほんの一瞬の冴えまくったアクション。この配合はゴダールだ。議論とアクションと両方撮りたい志向に本作はぴったり。影響受けただろう。フィルムは16ミリで雨降り、復旧要望します。 [review][投票]
★4松竹映画三十年 思い出のアルバム(1950/日)松竹の歴史から20作品、名シーンのダイジェストが3分づつほど観られる。俳優中心のセレクトで珍しいのもある。作品によっては収束も含まれ、ネタバレの嫌いな人には勧められない。紹介されたのは次の作品。 [review][投票]
★3花(1941/日)若師匠役の田中絹代がすでに戦後作の貫禄を端々に示すのが面白く、とても魅力的。侮辱されて活け花を鋏で切る横からのバストショット長回しが堂々としていて印象に残る。 [review][投票]
★2西住戦車長傳(1940/日)軍部から押しつけられた企画を松竹は吉村に丸投げし、戦争は嫌いだとロケ現場の中国から帰ってきてしまった助監督の木下惠介を城戸四郎は見込みのある奴と褒めている。こういう事実を無視してフィルムと虚心に向かいあっても大したものは出てくるまい。 [review][投票]
★4アリス(1988/チェコスロバキア)実写も本当はこんなかわいい娘ではなくて小沼の『少女地獄』みたいなドロドロにしたかったに違いないのだが、本作の妥協は一般的に云って好ましい。 [review][投票]
★5オトラントの城(1977/チェコスロバキア)研究という範囲を超えて、無駄に過ごされた人生一般に対する批評があった。それを正当と呼ぶかどうかは人によりけりだろう。 [review][投票]
★4ジャバウォッキー(1971/チェコスロバキア)朗読娘の咳払いがキュート、洋服のダンスや内部から増殖する藁人形のイメージ、迷路の反復のリズムが良好で劇伴のセンスも素晴らしい。キューピー系人形は再びブラザーズ・クェイが引用したのだろう。 [review][投票]
★4家での静かな一週間(1969/チェコスロバキア)お化け屋敷への探検のようで実はもっと深いのかも知れず。家具から土砂が落ちてくるイメージが怖い。グロテスクになり行く描写はサイケ美術以降の世界同時多発的事態なんだろう。 [review][投票]
★5庭園(1968/チェコスロバキア)笑えないギャグの全面展開がイヨネスコ風の不条理で、明快にしようがないが何か確信を突いている感触が残る。この画はちょっと忘れ難い。 [review][投票]
★3J.S.バッハ―G線上の幻想(1965/チェコスロバキア)閂と壁と扉と窓が山ほど。こういう音楽と映像って、適当にすれば観客のほうで勝手にシンクロさせて観てくれるものである。 [review][投票]
★3シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック(1964/チェコスロバキア)大道芸とは人を喰ったものだという基本線が遵守される様を眺める。積み木の組合せ変奏が素敵、カナブンは可哀想だ。 [review][投票]
★4精神0(2020/日=米)「患者がいちばん苦労している。ずっと我慢し続けている。あんたは頑張った。よく耐えた」 [review][投票(1)]