人気コメント | 投票者 |
★4 | 海と毒薬(1986/日) | ほとんど猟奇ショーの言い訳にしかなってない文芸モードが、かえって露悪的な歓楽を成田三樹夫の強烈な現場主義とともに充填するのである。 | DSCH | [投票(1)] |
★4 | 八日目の蝉(2011/日) | エキゾティシズムから不安を引き出されないために、文芸的救済の最優先対象たる森口瑤子の荒妄を容赦なく十字架にかけるサービス精神は苛烈。俗化の犀利といってもよいこの操作は、田中泯の宇宙的あざとさとして、一種の美的体験に至っていると思う。 | 3819695, DSCH, けにろん | [投票(3)] |
★4 | 荒野の七人(1960/米) | オッサンらの結集が大好きだ。残念ながら、カルベラにパーソナリティを与えることで馴れ合いが始まってしまい、後半はブリンナーの顔面力が浪費されているように見受けられた。 | ぽんしゅう, けにろん | [投票(2)] |
★3 | 息もできない(2008/韓国) | 偶然の矯飾を侵すまで、然るべきイベントを然るべき時に投入し、世界を不自然に改変するのは、ただひたすらモテたいと願うオッサンの虚栄心。しかしこの邪念は、キム・コッピの退嬰的な愛らしさを胚胎することで、真実となる。 | 3819695 | [投票(1)] |
★4 | 一命(2011/日) | 役所広司の中途半端な善人化の余波をかって一方的に糾弾される青木崇高一派に、『十三人の刺客』のバカ殿を偲ばせるような、意図せざる感傷の詩意を見る。三池らしい冷酷な通俗化である。 [review] | 3819695 | [投票(1)] |
★4 | グエムル 漢江の怪物(2006/韓国) | 面の皮の厚さが、ガンホに現実を認識せしめないのか? それともこれは悟りなのか? | DSCH, ぽんしゅう, けにろん | [投票(3)] |
★3 | パプリカ(2006/日) | 視覚的な情報量の過多と洗練が語彙を減らすかと思えばそうでもなく、野暮ったい詩吟と緩慢な対話劇の抑揚と人格のステロタイプが妙に偏頗的。しかしながら、林原の歳に合わない萌え声が催す劣情を考えれば、この混濁感もけっこう的を得る作劇だったのかも。 | DSCH, 3819695 | [投票(2)] |
★4 | ディパーテッド(2006/米) | トニーとアンディが普通のあんちゃんになってしまった……。ただ、アンソニー・ウォンがマーティン・シーンに変貌したのは地味に凶悪。ただの善良なおやぢにアレはやめてくれ。 | DSCH | [投票(1)] |
★4 | 松ヶ根乱射事件(2006/日) | セキュリティを担保しほのぼのと事件を押し込める店頭取引と水道局のカウンター。鮮烈な雪の反射光を封じ込めるのは寒々しい青のルック。ぬるま湯なのか、閉塞感なのか。 | DSCH | [投票(1)] |
★4 | それでも恋するバルセロナ(2008/スペイン=米) | 忽然とするヨハンソンの顔芸に天然キャラへの嘲笑が含意されるかと思えば、やがて天然であるからこそ果たせる役割が見出される。こうした配慮がイヤミにならず、類型で受けを狙った個々の造形は生きた人間として語り直される。えらいものだと思う。 | 赤い戦車, 緑雨, ぽんしゅう, けにろん | [投票(4)] |
★4 | マネーボール(2011/米) | 『シンデレラマン』と同じ問題を抱えている。相対する能力の分布の均衡が、一様性ゆえにほんの一押しで崩れて、労力がフィードバックした実感に乏しい。ジョナ・ヒルの文系全能感など『ソーシャル・ネットワーク』を超えるものだと思うが、早漏。 | chokobo | [投票(1)] |
★3 | ファイナル・デスティネーション(2000/米) | ロジカルなムードに欠いたジャンル話法が食い詰めるのは致し方なく、死亡フラグのピタゴラスイッチの至るある種の盲目化が、キャラの人生に寄り添おうとする受け手を拒絶する。しかし豊饒な徴証の中に自己を見失うからこそ、残る花もある。 | わっこ | [投票(1)] |
★4 | 黄金の七人(1965/伊) | こんなに真剣に教授の幸福を祈っているというのに、このムッツリめ。教授の挙動への心理的接近を裏切るそのオプティミズムは、やがて受け手の女性嫌悪を糾弾し始める。 | けにろん | [投票(1)] |
★3 | トゥルー・グリット(2010/米) | ヘイリーが聡明さゆえに死者への負債にはまりこんでしまう様を、無理矢理イイ話に見せようとする文芸の力業に見える。これはジェフ・ブリッジズのうさん臭さが悪い。『トロン』で人でなしのおとんを演じて以来、きゃつのことが信用できなくなっている。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011/米) | 物語の自意識が恥への悦ばしい近しさを呼び覚ましている。それは男の友情に向けられた下世話な興味であり、コスプレに抗うリアリズムへの忠誠でもある。やがてヒールを一身に担うケヴィン・ベーコンの微笑みが物語のロジカルな自意識を溶かしてゆく。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | 赤穂城断絶(1978/日) | 新劇寄りの芝居から、とつぜん七五調のうなり声を上げる錦之介が面白おそろしく、藤岡琢也の言を待たずして、キチガイ観測という定義付けは明確である。金子信雄の挑発など、こんなキチガイ相手に大丈夫かと、よろこばせてくれる。 [review] | ジョー・チップ, けにろん | [投票(2)] |
★4 | 英国王のスピーチ(2010/英=豪) | ヘレナ、嫁に来ないか。 [review] | 緑雨 | [投票(1)] |
★4 | ブラック・スワン(2010/米) | ヴァンサン・カッセルのエロ顔が、アトラクションのように心許ない譫妄に詩趣を与えている。セーターを首に巻いて登場する所からキレているが、合法セクハラでもあり修行でもあるような不可視の官能に踏み入れた時、ナタリーの八の字眉は痛みある自足へ至る。 | 緑雨, 3819695 | [投票(2)] |
★4 | パニック・イン・スタジアム(1976/米) | 隊長ジョン・カサベテスのナルシシズム濃厚な薄笑いが、飛行船の非現実的な遊離感とともに、スタジアムを祝祭の場に変える。ほぼ全編に渡る壮大な死亡フラグが、絆を取り戻した人々の犠牲を個別的偶然に見せない。 | けにろん | [投票(1)] |
★4 | ヒア アフター(2010/米) | ジミー大西の魂を眺める享しみを可能にする技術的欺瞞は、暗愁も久しい彼の顔面に微笑が宿るに至り、造形の官能性で以て不毛な自然のスペクタルを圧倒する。その様子を宇宙の中心たる料理教室からシェフが牧者のようなまなざしで見守っている。 | けにろん | [投票(1)] |