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ぽんしゅうさんのあらすじ: 投票数順

★3くれなずめ(2021/日)友人の結婚式で高校時代の仲間6人(成田凌/高良健吾/若葉竜也/浜野謙太/藤原季節/目次立樹)が5年ぶりに集まった。すでにアラサーの男たちだか、誰が言い出したか披露宴の出しものに、昔、文化祭で演じた「赤フン踊り」を再現しようと入念に打ち合わせ。高校生のノリで本番に臨んだが、大すべりして招待客にドン引きされてしまった。後味悪く宴はお開き。二次会まではたっぷり3時間。することのない空時間を、6人は夕暮れを待ちながら路上でグダグダとつぶすのだが・・・・。いつしか、突然世を去った“友人”の存在が影を落し始めるのだった。自身が主催する劇団の上演作を松居大悟が映画化。(96分)[投票]
★3狼をさがして(2020/韓国)1974年の夏、三菱重工本社ビル爆破事件を引き起こした「東アジア反日武装戦線“狼”」の実像を追ったドキュメンタリー。2006年、韓国人監督のキム・ミレは釜ヶ崎の労働者を取材中に、終戦から30年を経ようとしていた1970年代の日本に、今も東アジア諸国への侵略は続いていると主張し爆弾闘争を繰り広げた若者たちがいたことを知り衝撃を受ける。その大企業を標的にした爆弾闘争は“大地の牙” “さそり”と名のる別働隊によって旧財閥系企業やゼネコンへと連鎖していった。自らも侵略の加害者だと位置づける彼らの思想を自国の韓国の人々に知らせようとキム監督は、死刑判決を受けた活動家の支援者、家族、友人、かつての同士らのもとを訪ねる。(74分)[投票]
★4街の上で(2019/日)東京、下北沢。古着屋の店員、荒川青(若葉竜也)は、いつもレジで古本を読みながら店番をしている。行動範囲はこの街のなかだけ。突然、恋人の雪(穂志もえか)から別れを切り出されるが納得がいかない。そんな青のまえに、美大の学生監督、町子(萩原みのり)が現れ、ただ本を読んでいるだけでいいので映画に出て欲しいという。馴染みの古書店の店員、冬子(古川琴音)を相手にリハーサルを重ねて出演するが、いざ本番となると緊張のしっぱなしで上手くいかない。打ち上げの飲み会でもアウェー状態の青に、関西弁の衣装係の女の子・城定(中田青渚)が声を掛けてきた。今泉力哉監督・脚本の小さな街の群像ラブコメディ。(130分)[投票]
★3きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020/日)川向こうの町ともう何十年も戦争を続けている津平町。昭和レトロな街で暮らす人々は機械仕掛けの人形のように動き会話する。兵士の露木(前原滉)は、毎朝、軍楽隊の行進で起床し、背広にネクタイ姿で同僚の藤間(今野浩喜)と基地に出勤し軍服に着替える。戦争をしている理由をすでに忘れてしまった町長(石橋蓮司)の訓示を聞き、朝9時の合図で二人は対岸に向けて銃弾を打ち込み始める。いつもの小母さん(片桐はいり)の定食屋で昼食をすませ、夕方の5時まで銃を撃ち続け、帰り道の露店で夕食を買うのが日課だ。そんな露木に、ある日突然、軍楽隊へ転属するよう辞令がおりる。思考停止の日常を皮肉る池田暁監督の初劇場公開作。(105分)[投票]
★4アンモナイトの目覚め(2020/英=豪=米)19世紀のイギリス。独学で古生物学を学び、かつて高い評価を得たメアリー(ケイト・ウィンスレット)だが、いまは男社会の学会から忘れ去られ海辺の町で観光客相手に化石を売って生計を立て、老いた母親(ジェマ・ジョーンズ)と暮らしていた。ある日、彼女のもとを訪れたロンドンの裕福な化石収集家(ジェームズ・マッカードル)から、心のバランスを崩した若い妻シャーロット(シアーシャ・ローナン)を静養のために預かって欲しいと頼まれる。世の中に対して心を閉ざしていたメアリーは激しく拒絶するが、やがて砕かれた岩の内側から化石が突然現れるように封印していた感情が放たれシャーロットへの恋情が露わになるのだった。(117分)[投票]
★4BLUE ブルー(2020/日)トレーナーとして後輩を指導する4回戦ボクサーの瓜田(松山ケンイチ)は、理論的で面倒見が良くみんなから慕われているが肝心の自分の試合では連敗が続いていた。一方、後輩の小川(東出昌大)は才能に溢れ日本チャンピオンを狙える逸材だ。だが瓜田の幼馴染みで小川の恋人、千佳(木村文乃)は彼の異変に気付いていた。プロを目指すヤンキー風の自信屋、洞口(守谷周徒)は、女の子にカッコつけたいだけでジムに通い始めた楢崎(柄本時生)と、そんな楢崎にも丁寧な指導をする瓜田を馬鹿にしていた。挑戦者の席である青(ブルー)コナーにいるボクサーたちの群像劇。自身もボクシング経験をもつ吉田恵輔の監督・脚本作。(107分)[投票]
★4水を抱く女(2020/独=仏)愛する男に裏切られた“水の精霊ウンディーネ”は男の命を奪い、自らも人間の姿を失い“水”に還る宿命にある。― ベルリンの博物館で働く都市研究員ウンディーネ(パウラ・ベーア)は、不実な恋人のヨハネス(ヤコブ・マッチェンツ)から別れ話を切りだされ悲しげに告げる。私はあなたを殺さなければなない、と。絶望のあまり混乱する彼女のまえに現れた武骨な潜水作業員クリストフ(フランツ・ロゴフスキ)。二人は激しい“水”の洗礼にうながされるようにたちまち恋に落ちた。ヨーロッパの古典的「水の精霊神話」に材を得たミステリアス・ファンタジーロマン。ベルリン国際映画祭 最優秀女優賞受賞。(90分) [投票]
★3Mank マンク(2020/米)1940年、ハリウッド。酒びたりの脚本家マンクことハーマン・J・マンキーウィッツゲイリー・オールドマン)は、24歳の気鋭O・ウェルズ(トム・バーク)から次作を依頼され筆記者のリタ(リリー・コリンズ)と缶詰にされる。完成期限は60日後。マンクは実在の新聞王ハースト(チャールズ・ダンス)をモデルに『市民ケーン』の執筆にとりかかる。―1930から34年頃。女優マリオン・デイヴィス(アマンダ・サイフレッド)を通じてマンクはパトロンのハーストと知り合い目をかけられる。やがて、不況下で行われた州知事選を巡りマンクはMGMプロデュ―サーのメイヤー(アーリス・ハワード)やハーストに不信を抱く。(白黒/131分)[投票]
★4まともじゃないのは君も一緒(2020/日)女子高校生の香住(清原果耶)は、教育事業に取り組み子供の未来を熱く語る青年企業家の宮本(小泉孝太郎)に心酔するあまり恋焦がれていた。そんな香住には、恋バナで盛り上がる友人たちが幼稚に見えてしまう。予備校の個人教師、大野(成田凌)を相手に愚痴をまくし立てるが、数学のことしか頭になく世間知らずの大野のとの会話は噛み合わず苛立ちは増すばかり。そんななか、宮本に美奈子(泉里香)という婚約者がいることを知った香住は、恋愛音痴の大野に世の中の“普通”を教えてあげると称して美奈子との仲を取り持ち婚約を破談させようと画策するが・・・。高田亮脚本&前田弘二監督コンビのスクリューボール・コメディ。(98分)[投票]
★3わが生涯のかがやける日(1948/日)1945年8月。青年将校、沼崎(森雅之)はポツダム宣言を受諾した大臣・戸田光政を暗殺する。3年後、戦禍の残る銀座裏のビルに薬物にまみれ落ちぶれた沼崎の姿があった。今は、博徒あがりの右翼系業界新聞の社長佐川(滝沢修)の手先として裏社会の汚れた仕事をこなしていた。そんななか佐川は、沼崎に自分が経営するキャバレーの新人ダンサー節子(山口淑子)を情婦にするために連れてくるように命じる。なんと、節子は沼崎によって命を奪われた戸田大臣の娘だった。運命のいたずらに気づかない二人は、さらに沼崎の旧友高倉(宇野重吉)と節子の義兄で元検事の平林(清水将夫)の戦時下の因縁に翻弄されるのだった。(モノクロ/101分) [投票]
★4ハムレット(1964/露)デンマーク王の急死を聞いて留学中の王子ハムレット(インノケンティ・スモクトゥノフスキー)は急遽帰郷する。城では王の葬儀も早々に、母である未亡人王妃ガートルード(エルザ・ラジン)と亡き王の弟クローディアス(ミハイル・ナズバーノフ)の挙式が披かれていた。驚きで憔悴したハムレットの前に亡き王の亡霊が現れ、私の死はクローディアスの陰謀だと告げる。ハムレットは狂気を装い叔父への復讐の機会をうかがうが、その姿をみてハムレットとの結婚を信じていた内大臣の娘オフェリア(アナスタシア・ヴェルチンスカヤ)の心は揺れる。シェークスピアのソ連版ハムレット。ベネチア映画祭 審査員特別賞(シネマスコープ/白黒/150分)[投票]
★3無頼(2020/日)1956年、静岡。地元の名士の井藤家は財産を失い、幼さが残る中学生の正治(中山晨輝)が酒びたり父親のもと日雇いで一家を支えていた。4年後、安保闘争に社会が揺れるなか、デモ学生をカツアゲしたのが正治(松本利夫)の“無頼人生”の始まりだった。東京オリンピックに湧く1964年、ヤクザともめ服役した正治は、出所後に兄(中村達也)の仲介で地元の川野組組長(小木茂光)と盃を交わして一家を構えることに。高度経済成長がピークを迎えた1971年のことだった。その後の石油危機、バブル崩壊、暴対法施行と激動の昭和から沈滞の平成へと向かう日本の姿が、表社会の波に乗じ、ときに翻弄される“無頼者”たちを通してあぶり出される。(146分)[投票]
★3スタフ王の野蛮な狩り(1979/露)18世紀が終わろうとする年。民俗学を研究する学生ベロレツキー(ボリス・プロートニコフ)は民話を取材するため白ロシアを訪れていた。豪雨の夜、宿を借りに寄った領主ヤノフスキー家の古い館で、若く美しい女主ナジェージタ(エレン・ディミートロワ)に出会う。彼女が語るには、かつてこの地に農奴制の改革を唱えたスタフという王がいたという。農民の支持を集めるスタフ王をうとましく思った彼女の先祖は王を殺害してしまう。以来、ヤノフスキー家の一族は王の呪いで次々に命を落とし、彼女が最後の血縁者なのだという。一族に興味を抱いたベロレツキーは、彼女の周りで起きる奇怪な出来事を目撃し奇妙な人々と出会うことになる。(109分)[投票]
★4あのこは貴族(2020/日)東京の松濤の開業医の三女華子(門脇麦)は名門女子大出のお嬢様。27歳になるが仕事はせず家事手伝いと称し日々を送っている。一族がそうであるように結婚こそが幸せと信じているが良縁に恵まれず薦められるままに見合いを重ねていた。一方、富山の平凡な家庭で育った美紀(水原希子)は努力のすえ慶応大学に進んだが父親が失業。夜のバイトで学費を稼ぐが行き詰り中退。今は仕事にやりがいを見いだせないまま惰性で東京暮らしを続けていた。そんな住む世界の違う二人が、政治家も排出する名門家の独身弁護士幸一郎(高良健吾)を接点に出会い、一瞬交錯する。山内マリコの原作を長編二作目となる岨手由貴子監督が映画化。(124分)[投票]
★3天国にちがいない(2019/仏=独=カナダ=カタール=トルコ=パレスチナ)イスラエル国籍のパレスチナ人で映画監督のエリア・スレイマンが住むナザレの家の周りには、彼を“隣人”と呼ぶなれなれしい男たちが出没する。そんな町を後にして、監督は自身の映画企画を売り込む為にパリへ旅立つ。お洒落なパリジャンが行き交う美しい街だが、唐突に貧困や怒りや権力の姿が顔を出す。売り込んだ企画は「パレスチナらしくない」と良い返事がもらえない監督は、次にニューヨークへ向かう。そこもまた暴力の気配のなかで、あたりまえのように人々が行き交い、警官たちが天使を追いかけ回す町だった。エリア・スレイマン監督自身が寡黙な監督を演じる、皮肉とユーモアに富んだナンセンスコメディ。カンヌ映画祭 特別賞。(102分)[投票]
★3生まれながらの悪女(1950/米)富豪のカーティス(ザカリー・スコット)との結婚を控えた編集者ドナ(ジョーン・レスリー)のアパートに、社長の姪クリスタルベル(ジョーン・フォンテイン)が学校に通うために寄宿する。田舎育ちで上昇志向の強いクリスタルベルは、その美貌でドナの友人の作家ニック(ロバート・ライアン)を虜にし、モデルとして新進画家ガビー(メル・ファーラー)にも接近。さらにカーティスの結婚の相談相手となって策略を仕掛けドナから彼を略奪してしまう。カーティスの財産を使って慈善事業を行い上流社会に地位と名声を築いたクリスタルベルだが、愛のない結婚生活にあき足りず再び作家ニックと関係を持つのだった。(90分/白黒/スタンダード)[投票]
★4セノーテ(2019/日=メキシコ)メキシコのユカタン半島北部の石灰岩地帯には、陥没穴に地下水が溜まった約3500の泉が点在している。セノーテと呼ばれるその泉は、水中洞窟により迷宮のようにつながっているという。セノーテは古代マヤ文明の時代から、人々の生活を支えてた水源であり、雨乞いのために生贄が捧げられた聖域でもあった。その生と死の境界を越えて、水底に姿を消した者は決して戻ってこないと言い伝えられている。今もその地に暮らす人々の原風景の記憶が、セノーテの眩ゆく輝きゆらめく映像と、幻聴のように交錯する音響で綴られる。第一回大島渚賞受賞した小田香の長編ドキュメンタリー。 (75分) [投票]
★3鉱 ARAGANE(2015/ボスニア・ヘルツェゴビナ=日)ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ近郊。100年の歴史を持つブレザ炭鉱で働く男たちを見つめるドキュメンタリー。重機の轟音が鳴り響き続けるなか、死と隣り合わせの世界で肉体を酷使し岩盤と格闘する工夫たち。彼らのヘルメットランプの光跡があたかも剣のように地下300メートルの暗闇に交錯する。小田香の初長編監督作で、小田が一期生として学んだフィルムスクール「film.factory」の主催者タル・ベーラ監督が監修。山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015アジア千波万波部門特別賞を受賞。(68分)[投票]
★4ノイズが言うには(2010/日)海外で映画を学んでいた愛称カッチ(カオリ)は夏休みを利用して帰国した。事前に家族には23歳の誕生日に重要な話があると告げていた。その日、カッチは自分が同性愛者であることを母と二人の姉、そして別居している父に告白する。が、自分の苦悩を理解してもらえず、戸惑い沈黙する家族たちにカッチもまた苛立ち混乱する。そこでカッチは、そのときのみんなの反応を、そのまま家族に演じてもらい映画にして、もう一度彼らに提示する。小田香のセルフドキュメンタリー。なら国際映画祭 2011NARA-wave部門観客賞受賞(38分)[投票]
★3あの優しさへ(2017/日)初監督作『ノイズが言うには』が秘めていたある種の暴力性に悩み、その後小田香は「自分は、いったい何を撮りたいのだろうか」という迷いを抱えていた。そんな小田は、3年間学んだサラエボのフィルムスクール「film.factory」時代の未使用映像や、作品化を途中で断念した映画、そして初長編作『鉱 ARAGANE』を見つめ直し日本で撮った映像を加えながら新たな方向性を模索していく。小田香が自身の精神的再生のステップとしてまとめ上げたパーソナルドキュメンタリー。(63分)[投票]