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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★3港へ来た男(1952/日)海の男のいい加減な三角関係ものでいかにも拙い作劇だが、端役の左卜全だけは忘れ難い印象を残す。港町にはこんな人もいたのだろう。彼を主役にしてほしかった。鮎川港の近海捕鯨の記録。 [review][投票]
★4ハワイの夜(1953/日)ハワイ日系人の受難を扱う真面目な作品。甘いロマンスの歌謡映画も意欲的に撮られており、クライマックスは名作『婦系図』の変奏で渋い。マキノは戦後、キリスト教主題を多く撮っている。 [review][投票]
★3月は上りぬ(1955/日)意欲的な演出が幾つもある見応えのある映画。しかし作劇は階層差をネタにする良くも悪くも後期オヅで、観ていて愉快なものではない。ジェンダー・ギャップ特集で観たが、上映趣旨もそういうことなのだろう。 [review][投票]
★4集金旅行(1957/日)面白いホンだと思うのだが、演出のノリが悪いのかあんまり笑えない。ただ収束は定跡覆して見事な喜劇。佐田啓二の喜劇には自らのメロドラマ群を破壊する落差がある。 [review][投票]
★5モダン道中 その恋待ったなし(1958/日)上映作品を横から延々批評し続ける岡田茉莉子のスマしたナレーションが素晴らしい。「タイトルを見ているのは退屈なものでございますね」「ここまでがロケーション、ここからがセットでございます」。悪ふざけが過ぎて監督は干されたらしい。現代ならもっとやれの世界。 [review][投票]
★2天皇・皇后と日清戦争(1958/日)日清戦争史自体が珍しい題材でそれなりに学びがあり、その歴史解釈は今やネトウヨ史観の一典型。中国が気の毒になるような断片も含まれ曰く云い難い感想が残る。大蔵貢の妾高倉みゆきの皇后は不敬と云われた由。アラカンが比較的若作りなのが笑える。 [review][投票]
★3太平洋戦争 謎の戦艦陸奥(1960/日)新東宝史劇ではなく新東宝際物の類。アラカンがA級戦犯嶋田繁太郎を明治天皇そのままに演ずるのは構わないのだろうか。映画は冒頭字幕で「登場人物を始め総て創作」と断り入れただけで無茶する。 [review][投票]
★3恋狂い(1971/日)エロ劇画定番の淫乱地獄巡りは当時新しかったのかどうか、いろんな人がいるなあという感想。序盤はミステリアスないい雰囲気があったが、アントニオーニはほめ過ぎ。 [review][投票]
★4誇り高き挑戦(1962/日)日活ノアールな火口噴煙のニュー東映。夜の街に埋立地、ワンショットの連発にジャジーな劇伴と、後にはお目にかかれない深作。黒眼鏡の鶴田浩二は青春スタアと任侠の端境期、過去の清算しか生きる術がない男がやたら似合う。丹波哲郎は常に同じ。 [review][投票]
★3海軍(1963/日)海軍の個人主義、太平洋戦争では海軍も迷惑受けたというナカソネ好みの史観が後ろ向きに主張される。田坂作品(43)のリメイク(未見)で戦中に同じ内容なら驚きだがどうなんだろう。映画は駆け足で尺足らず。三田佳子の成長の記録だけはやたら面白い。 [review][投票]
★4喜劇 各駅停車(1965/日)森繁のり平喜劇だが意外な燻し銀のタッチが珍しくも好ましく、いつもののり平の発狂を誘う受難も人間味が溢れている。岡田茉莉子は流石の好演、有田双美が可愛い。 [review][投票]
★2怒濤一万浬(1966/日)いつものミフネの高度成長推進軍隊式リーダーものでいかにもやり過ぎ、裏返しのマグロ漁残酷物語にしか見えず、専属医なのに連続22時間勤務の肉体労働させられる田村亮の受ける不条理は告発に値する。マグロを喰うのが恐ろしくなった。 [review][投票]
★4弾痕(1969/日)若大将がゴルゴになる69年、思いっきり反米で、逆さから見られた若松映画の趣。よく東宝でこんなの撮ったものだと森谷を見直す。だた映画は頑張っているが地味な出来、ハードボイルドは得手ではないのだろう。 [review][投票]
★4セックス・ハンター 濡れた標的(1972/日)長谷部の『野良猫ロック』(70)らとも呼応する福生米軍基地最悪事件。科白のない伊佐山ひろ子が強烈な印象残す。テーマ曲もいい曲でどうせ無断引用なんだろうが誰の歌だろう。 [review][投票]
★2球形の荒野(1975/日)ネタばら撒かれる前半は愉しいのだが、大風呂敷の政治暗闘は曖昧にフェードアウトしてしまい、安物の2時間ドラマに終わった。七つの子合唱するなよ。島田陽子鑑賞用。 [review][投票]
★3犯され志願(1982/日)オトコ遊びに精出すインテリアデザイナー有明祥子。バブリーに軽やかで愉し気。そんなことできるのは若いうちだけだよと云いたくなるのはヤッカミというものだろうか。撮影美術は丁寧で好感。 [review][投票]
★4君は裸足の神を見たか(1986/日)神に愛される者愛されない者を『白痴』の価値転倒で描いたキリスト教作品。ロジカルで丁寧なホンが素晴らしい。演出は異様に固く日本映画学校好みに見えたが、思えばブレッソン志向なのかも知れず。 [review][投票]
★3母娘監禁 牝(1987/日)プッツン家出少女とバカ男とのあれこれはバカバカしくも面白く、お互い世の中に無知すぎるのが何とも云えない世界。エロ劇画好みの収束はやり過ぎで私にはトゥーマッチであった。 [review][投票]
★3バターンを奪回せよ(1944/米)日帝陸軍がバターン死の行進付きでボロカスに描かれる。マッカーサーのアイシャルリターン達成が44年10月だからリアルタイムで撮っていることになる。ここまで正義を謳ったなら、米のフィリピン保護の本気度は問われる処だろう。 [review][投票]
★2ミスタア・ロバーツ(1955/米)太平洋戦争末期を扱うドタバタ戦記物。コメディとシリアスが明らかに分裂しており、コメディ自体も低調。フツーに失敗作だろう。ドクター・ロバートは関係ない。 [review][投票]