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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★5おれについてこい!(1965/日)クロサワばりの望遠ショット連発が説話法と連動しているのが素晴らしく、オリンピックの栄光も悲惨も全て無限遠点からクールに描かれる。意外なハナ肇の監督が絶品。「練習通りやってくれ。勝つことは俺が考える」 [review][投票]
★4チーちゃんごめんね(1984/日)深夜ラジオ聴いている人たち、トラックの運転手や工員や受験生や屋台の店員たちが、本作の主役という感慨がある。 [review][投票]
★3かあちゃんと11人の子ども(1966/日)左幸子の役名「とら」は原作者の実名。亭主役の渥美清が彼女を「とら、とら」と呼び続けるのが可笑しくて仕方なかった。内容は殆ど児童向けで、五所は社命で撮っているのだろう。見処は豪華娘陣。 [review][投票]
★4高原の駅よさようなら(1951/日)被害者キャラの多い香川京子の熱烈恋愛が面白く、中川演出は意欲的に色んなテクを盛り込んでさすがの抽斗の多さ。香川ファン必見の爽やかな中篇歌謡映画という趣旨が十全に果たされている。 [review][投票]
★3東は東(1952/米)キング・ヴィターとは思われん低予算で地味な映画だが、シャーリー山口の苦労は日米の文化差を埋めるのに幾ばくかの貢献があっただろう。好感を持って観た。 [review][投票]
★4憲兵(1953/日)岸恵子東野英治郎が活躍するのに主役は中山昭二という、新東宝の前後期の端境期に位置するような作品。日中、日米の個人対個人の交流が描かれており興味深く観れるスパイもの。 [review][投票]
★2沖縄健児隊(1953/日)「沖縄島民は日本国民同胞のため、その身代わりのため立ち上がった」という無茶苦茶なナレで始まる、観たくもないような沢松勉の敗戦の弁。映画は全編『ひめゆりの塔』のパクリ。 [review][投票]
★2絞首台の下(1959/日)面白そうなミステリーなのだが、短尺すっ飛ばし演出で謎かけが暴走し、あれよあれよで終わり呆気にとられる91分。愉し気な脇役たちをもう少し見せてほしかった。見処は渡辺美佐子の水着姿での砂浜疾走。 [review][投票]
★4初国知所之天皇(1973/日)夕暮れの町並みを収め続ける8ミリならではの寂しげな映像に抗し難い魅力があるのだが、元祖蓮實重彦みたいなグネグネ文体で語り続けられる他者不在の独白は、80年代の自閉的な事件群の先駆のように思われる。作者は宮崎勉に似ているし。 [review][投票]
★2阿賀の記憶(2004/日)傑作『阿賀に生きる』とは似て非なる中途半端なアート作品。囲炉裏の長回しはワイズマン、舟からの長回しはストローブ=ユイレの模倣に過ぎず、スタッフの記念写真などバカバカしいレベル。何より人物を記録しようという熱意の欠落が貧しい。 [review][投票]
★3ナヌムの家(1995/韓国)元従軍慰安婦の共同生活の記録。その活動は寂し気に描かれ、こんなに地味なものなのだったのかと虚をつかれる想いがする。 [review][投票]
★5戦後在日五〇年史 在日(1998/日)歴史篇は充実しており、法制度と革命党に振り回された時代を丁寧に掬い上げ、教科書として通用するものだろう。人物篇は平凡にも流れるがこの退屈は平和の証なのだろうと思わされる。パチンコ屋の景品売りのお婆さんが忘れ難い。[投票]
★3チーズとうじ虫(2005/日)母を看取る日々を淡々と描いたホームビデオで、技術的に無茶苦茶上手いがそれが厭味に流れてもいる。地方農村の女三代の生活は穏やかでいいですねという位の感想。 [review][投票]
★3めぐみ 引き裂かれた家族の30年(2006/米)横田さん夫妻を中心にした家族会の活動記録。増元照明氏の主張は自民党本部前での野中幹事長糾弾シュプレヒコールから国政選挙出馬に至る一方、蓮池透氏らの批判が採用されない不足感は否めず。 [review][投票]
★4雨果の休暇(2011/中国)少数狩猟民族、エヴェンキ族を記録。お母さんの息子溺愛の強度がもの凄くて圧倒される。事象は徹底して客観的に綴られ、映画だけでは製作者の中国移住政策についての見解が判り難いが、主張はご法度なのかも知れない。 [review][投票]
★3ガートルード(1964/デンマーク)読みとるべき文脈というのがあるのかも知れないとは思うが、愛に生きる女の矜持に全く興味を覚えられなかった。ドライヤー75歳、彼の峻厳な方法論は舞台美術音響に踵を接するに至っている。 [review][投票]
★3拳銃を売る男(1952/伊)ディケンズの名作少年小説のような好篇で、イジワルなロージーが肌に合わない者としては本作は好ましいものがあった。これでも十分イジワルだが。 [review][投票]
★2わが青春のフロレンス(1969/伊)すっ飛ばしダイジェスト仕様と感動的な主題曲垂れ流しにより、ありふれた労働争議がモテまくりの主人公とともに語られる110分。3時間作品の短縮版ではないのだろうか。充実した撮影美術を千切っては捨てる様はアンゲロプロスの対極を往くもので、カンヌの審査員はよく女優の顔を覚えられたものだと思う。 [review][投票]
★5市街(1931/米)話は端折りながらさくさく進み、ただもう格好いいショットだけが連発され、あっという間に終わって爽快さだけが残る。本邦の短尺アクションはこの名作をひとつの亀鑑としたに違いないが、この高みに達するのは稀だった。作劇に抑揚をつけ続ける蓮っ葉なシルヴィア・シドニーが絶品。 [review][投票]
★2歴史は夜作られる(1937/米)至極退屈なハーレクインロマンスで、当時よくあるスキャンダル紙の挿入による筋運びだが本編自体が三流紙並。調子に乗ったレストラン乗っ取りの件などひどいものだ。伊武雅人生き写しのボワイエに対する海運王はジョン・クリーズそっくり。 [review][投票]