寒山拾得さんのコメント: 点数順
愛なき女(1952/メキシコ) | ブニュエル曰く「私が製作したもののなかで最悪のものだ」。しかし面白い。 [review] | [投票(1)] | |
哀しみのトリスターナ(1970/仏=伊=スペイン) | 前作『銀河』のラストシーンを本作は引き継いでいるのであり、盲いた巡礼者たちの覚束ぬ歩行が、冒頭、サッカーで敵を引っかける聾唖者の脚に重ねられる。 [review] | [投票(1)] | |
冬物語(1991/仏) | 歪な性格の主人公に付き合っていられたのは、どのショットも一幅の絵になる見事な撮影から目が離せなかったから。そして最後には、彼女のような不幸と幸福もあるものだと得心させられる。映画の力を感じた。シェイクスピアの舞台の撮影が特に印象的。 | [投票(1)] | |
鬼が来た!(2000/中国) | この重喜劇のクレジットに崔健の名前を見つけて吃驚した。天安門事件の後、活動を制限されていた間に曲を提供したことになる。本作は天安門の隠喩として観ることができるのだろうか。 | [投票(1)] | |
旅の重さ(1972/日) | 裸一貫、自分探し、生活への憧れと、70年代だなあ。極度に観念的だが、同時にひたすら地道でもある。現代のしがらみ抱えた16歳は、この映画をみて何を思うのだろう。紅い鼻緒の草履はどこにいったのだろう。 [review] | [投票(1)] | |
アジアの純真(2009/日) | 道行メロドラマの秀作。政治映画としては残念な出来。 [review] | [投票(1)] | |
白人酋長(1922/米) | 昆虫採集からキスシーンまで、クールなキートンが格好いい。アニメ合成なのか、追っかけシーンで何度か空を飛ぶが、見事にきまっていて痛快。帽子を弓で射抜かれるシーンを、黒澤は『蜘蛛巣城』でいただいたに違いない。 [review] | [投票(1)] | |
アリスの恋(1974/米) | いかにもハリウッドな小ネタ満載で愉しく、女性映画にありがちなナルチシズムがないのが好ましい。満点とはいかない人生を上がったり下がったり、日々充実しながら歩んでいる主人公に羨ましさを覚える佳作。 [review] | [投票(1)] | |
台風騒動記(1956/日) | 土建屋系の町会議員三島雅夫ほか助演陣のお祭りのような作品で、これでもかとばかりに露悪的な町議会が、場所を料亭に移してほとんどロマンチックに議事を運営する。多々良純の警官もえげつない。 [review] | [投票(1)] | |
SWEET SIXTEEN(2002/英=独=スペイン) | ネジの一本外れたピンボールなる主人公の友人の見事な造形に、彼に似た高校時代の友人を思い出した。いまどうしているのだろう。 | [投票(1)] | |
とんかつ大将(1952/日) | 佐野周二の貴種流離譚。彼ばかりモテるのがリアルで、かつこれにより人物の入り乱れ具合が統御されており、彼等が立場立場で突入するクライマックスがやたらと白熱する。地域に入ることを讃えた愛すべき作品。 | [投票(1)] | |
マン・ハント(1941/米) | ジョーン・ベネットのジェリーの造形が素晴らし過ぎて(一挙手一投足がラングの演技指導によるものらしい)、本筋が喰われてしまっていると思う。 [review] | [投票(1)] | |
令嬢ジュリー(1951/スウェーデン) | トランジション・ショット(過去と現在が同じカットに共存)が幾つものバリエーションで展開され、白夜の悲劇を妖しく彩る。その後このテクが多用されない(アンゲロプロスを除く)のは、本作が元祖にしてその魅力を使い果たしてしまったからに違いない。 [review] | [投票(1)] | |
バッファロー’66(1998/米) | 無茶な男についていく女という主題からは『サンライズ』が想起される。ボーリング場の件までは抜群の爆笑喜劇なのに、何でこうなるの、と萎えかけたが、本作が現代の『サンライズ』だとすれば、この収束は正当なのだった。 | [投票(1)] | |
東京物語(1953/日) | 高峰秀子がノン・クレジットで出ています。さてどこでしょう? [review] | [投票(1)] | |
万事快調(1972/仏=伊) | 横移動し続けるキャメラが捉えるスーパーマーケットのドタバタは、アンゲロプロスを想起させる鮮やかさ。イヴ・モンタンがやっつけ仕事で撮っているCFも素晴らしく斬新。しかし本筋は対話と喧嘩、というのが全くもってゴダール。 | [投票(1)] | |
月曜日のユカ(1964/日) | いい断片のとても豊富な作品。 [review] | [投票(1)] | |
黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960/日) | 原知佐子が印象的で、女の描けた黒澤映画という趣がある。なんで小林桂樹なんぞの妾になるのか不明だが。 [review] | [投票(1)] | |
われに撃つ用意あり READY TO SHOOT(1990/日) | 画面に登場しない恩人の、20年前の恩義に報いるという動機がとてもよく、劇画調の展開を後支えしている。スナックの閉店パーティのドタバタが充実していい感じ。あとは海にとびこむだけでありますが、気分はハイであります。 | [投票(1)] | |
靖国・地霊・天皇(2014/日) | 真面目に両論併記した結果、民族の情念語る右翼弁護士徳永信一の非論理際立ち、両論になっていない、という滑稽が燻り出されている。よくあることですが。いまや昔の人桜井誠の活躍映像付。創作部分は退屈でいけない。 | [投票] |