[コメント] 東京物語(1953/日)
高峰秀子がノン・クレジットで出ています。さてどこでしょう?
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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正解は団扇にプリントされた広告。
杉村春子の美容院で杉村春子が使う。山村聰と待合席に並んで語らう件(45分ごろ)と、笠智衆夫婦が熱海から帰宅する件(57分ごろ)。また、あの印象的な老夫婦の東京放浪の直後、訪ねた友人宅で代書屋の十朱久雄が使う(62分ごろ)。全く同じ柄で、この小道具は使い回されているらしい。原節子のアパートで東山千栄子が使う団扇(41分ごろ)も、柄は違うが凸ちゃんの写真に見える。
小津御大の茶目っ気によるイタズラだろう。酷暑の数日間、登場人物は団扇をあおぎ続ける(葬儀の場面を除く)。人が団扇をあおぐ仕草は、なんてユーモラスなのだろう。杉村春子は脛に纏わりつく蚊の撃退にも転用して、まるで落語みたいだ。深刻に流れがちなテーマを、この小道具は巧みに中和している。
ご注意。私の思い込みかも知れません。機会の持てる方はぜひ確認してみてください。
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