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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★3大阪の女(1958/日)「芸人村」の天王寺長屋もの。期待させる設定だが平凡。見処は中村雁治郎の仕方のない親爺っぷりと色仕掛けの角梨枝子の絡みぐらいか。町角でいいメロディのクラリネット吹く京マチ子が画になる。 [review][投票]
★4愛妻記(1959/日)尾崎一雄の芳兵衛もので清水宏『もぐら横丁』は戦後、本作は戦前。このフシギちゃんの走りのようなキャラ、司葉子のようなウルトラ美人には無理な役処だが鼻詰まったような発声で頑張っていて愉しい。受けるフランキーは理想的な人物のいい造形。 [review][投票]
★3野獣死すべし(1959/日)「アプレゲール」にあった批難のニュアンスは「太陽族」「ハードボイルド」に転じてシニカルに肯定されるようになった。白坂のシニカルも時代の需要だっただろう。本作は真面目な小泉博で相対化しているのがまだ端境期の印象(含優作版のネタバレ)。 [review][投票]
★2明治大帝と乃木将軍(1959/日)スーパージャイアンツの園長先生林寛による余りにも好々爺の乃木将軍。プロパガンダにより出来上がった人物像は、時代の人だから仕方ないなあという感想を惹起する。 [review][投票]
★2アエリータ(1924/露)どのシークエンスも半端で物語は思いつきの尻切れトンボで、フィルムに脱落があるのではないかと疑わせる内容だった。革命も成就されないしSF美術も大したものではない。 [review][投票(1)]
★5彷徨える河(2015/コロンビア=ベネズエラ=アルゼンチン)傑作なのかどうか私の理解を超えているが、少なくとも唯一無二で忘れ難い。先住民たちはアジア系に近い顔立ちで本邦の名画座に屯しているオッサンみたいで、こういう者たちが「夢に従わねばならない」などと真理を吐くのに妙味がある。 [review][投票]
★5パラダイス・ナウ(2005/仏=独=オランダ=パレスチナ)反復される『灰とダイヤモンド』の綱渡り [review][投票]
★4肉体の悪魔(1947/仏)戦争で引き裂かれる恋の話は多いが、本作はこの物語構造を挑発的にひっくり返し、欧州貴族社会の国民国家への敗北を嘆いている。 [review][投票]
★3レッド・サン(1971/仏=伊)別に何ということはないが、アメリカ西部劇に武士という違和感をユーモラスに描くのに成功していて、三船の持ち味が出ている。 [review][投票(1)]
★4アデル、ブルーは熱い色(2013/仏=ベルギー=スペイン)現代風の編集だが、仏の思春期映画はソフィー・マルソーの昔と同じ。一本筋が通っており真面目で、通り過ぎて気障でもある。サルトルの引用が記憶に残る。 [review][投票]
★3アコーディオン(1934/露)みんな笑っているミュージカルによるコルホーズのプロパガンダ映画。この恐るべき明るさの農村、横一列に腕組んで行進する娘さんたちの大らかな男漁りが強烈でとても印象に残る。何なんだ。 [review][投票]
★5ハムレット(1964/露)オーソン・ウェルズ『マクベス』の正統な後継作で重厚の極致、シェースクピア悲劇映画の極北だろう。質量とも『蜘蛛巣城』を圧倒しており、クロサワが巨大予算がないと映画撮らなくなったのはコージンツェフへの嫉妬からではないだろうか。ショスタコーヴィッチが箆棒に格好いい。 [review][投票(2)]
★4スタフ王の野蛮な狩り(1979/露)ホラーのホームズ風謎解きが理に落ちてあんまり面白くないが、それは詰まらない20世紀を始めるための儀式だったのだろうか。謎かけの不思議、ロシアの平原、青を強調した画が記憶に残る。 [review][投票(1)]
★5ステラ・ダラス(1937/米)メロドラマの原石のような作品で、アメリカ享楽の20年代が批評される。ベイビーフェイスのバーバラ・スタンウィックこのとき既に30歳、充実した素晴らしい造形(含『母の曲』ネタバレ)。 [review][投票]
★3夜よりも深い闇(1946/米)中年と若い男女の三角関係はフランス、という定跡が踏襲されるのだろか。丸顔で団子鼻のスティーブン・ジェレイがサイコスリラーに適任とは思われず。ただ『上海から来た女』を想起させるラストは素晴らしい。 [review][投票]
★5静かについて来い(1949/米)表層批評好みの作品の一典型で、突然脱線する黒沢ホラーのタッチの源泉がここにあるのだろう。積極的な物語の軽視、視点の無視、映画的無意識と強度の重視。こういう映画の観方もあるのだという学びがある。 [review][投票]
★3秘密指令(1949/米)気楽なフランス革命史劇で中高生向け。愉しんで学べる学習雑誌の付録漫画みたい。いいシーンが幾つもあるが、勝ち負けが決まっているから話が大雑把に流れるのは仕方ないのだろう。 [review][投票]
★3ビッグ・コンボ(1954/米)投げやりな囚われの美女に惚れる峰岸徹みたいな偏執狂刑事。ヘアトニックの味がする作品。話はありきたりだが部分的な強度は優れている。部分だけを観せたい表層批評好みの作品なんだろう。 [review][投票]
★1チャイナ・ゲイト(1957/米)愚かしいプロパガンダ映画。共産軍絶滅のために仏外人部隊が大活躍するが、製作年は仏軍のベトナム撤退の年であったという間抜け。フラーナット・キング・コール連れてこんなものも撮る経過は何だったのだろう。 [review][投票]
★3ソーシャル・ネットワーク(2010/米)ハンバーガー帝国のヒミツ』みたいな一連のビターな企業成功物語の祖型なんだろうか。ハリウッドはこの10年、遠回しな嫌味がますます上手になった。 [review][投票(2)]