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けにろんさんのコメント: 更新順

★4黒い家(1999/日)ありきたりな風景を異化させるフレームの切り方とロケーション選定の眼力。過度にカリカチュアした人物造形。そういったコンセプトが『家族ゲーム』以降の森田作品中で最も成功している。正味惚れ惚れする。終盤の類型化が惜しい。[投票(2)]
★5リアリズムの宿(2003/日)男と男と女の微妙な距離感が『ストレンジャー・ザン・パラダイス』で間はカウリスマキ。シネアスト好みの骨格だが高踏的実践ではなく地に足着いた面映ゆく青臭いリアリズムで補完する。見た目以上に戦略的であり成功している。[投票(5)]
★1ZOO(1985/英)一片のアナーキズムでもあれば生理的に合わないもんでも何かが共振し得るだろう。しかし、現実から乖離した独自世界で完結する理解不能な物語は余りに閉塞的で退廃的。過剰な手法や音楽のみが自走しても空虚でしかない。[投票(1)]
★3野火(1959/日)「神」を切ったのは一見英断に見えるが、ならば新たな何かを付与するか残されたもの透徹させるしかない。考え得るのがカニバリズムだが表層的である。どんなジャンルも料理して見せるという夫婦茶碗の奢りが産んだ通り一遍の作。[投票(2)]
★3デイ・アフター・トゥモロー(2004/米)エメリッヒ演出は接写と鳥瞰の緩急が巧く、局地的カタストロフが頻発する前半は圧倒的(特にLAの竜巻)なのだが、人類滅亡という暗鬱な詠嘆的基調旋律が台風一過とばかりに一気に陽転してしまうのでは最早唖然とするしかなかった。[投票(7)]
★2背徳の囁き(1990/米)ギアの悪役は、女をたらし込むくらいしか取り柄が無さそうなので何ともパンチ力に欠け、警察の裏側で隠然たるカリスマを発揮するには役不足。ガルシアも彗星の如き登場から時を経ずしてルーティーンの陥穽にはまり、ダルいことこの上ない。[投票(1)]
★2男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979/日)階級が滅んだ時代に、形骸化したそれに拘る姿勢は、底辺からそれを撃つかにみせかけ続けた山田の姿勢がポーズにすぎないことを逆説的に露呈させる。異端の桃井起用も更なる無惨さを煽るだけ。シリーズでも最悪の部類。[投票(1)]
★4アモス&アンドリュー(1993/米)大向こうを唸らせるようなものは無いオールドハリウッドな風刺喜劇だが、完全ブレイク寸前の実力ある2人の役者の四つに組んだ芝居を堪能できる。こういうものが、地方限定公開というニッチな公開のされ方で埋もれる貧困な興行の在り方は討たれてしかるべき。[投票(1)]
★5遥かなる山の呼び声(1980/日)今更の『シェーン』焼き直しであるとか、安易な字幕使用やズーム用途の拙劣さを悉く吹き飛ばす親子の日常を描いた部分のリアリティある切り込み。病院屋上での倍賞吉岡の会話には唸った。そして、ラストの超弩級の感動が決定的。[投票(2)]
★2サスペリア(1977/伊)序盤の嵐の空港での室内外の転調に自動ドアの開閉の内部構造描写を差し込むセンスが強烈に粋ではあるが、あとは全然どうということもない。ゴブリンの音楽が突出してる一方、平板で陳腐な演出がダラダラ続く。[投票(3)]
★5ロスト・イン・トランスレーション(2003/米=日)この日本観に辟易したとしてもグローバルスタンダードな視点からは、こう見えるということを真摯に受け止めるべきで、なのに、さらりと日本専売とも思われるヴィヴィッドな男と女の機微を全うしてしまう。器の違いを感じた。[投票(7)]
★3薔薇の葬列(1969/日)ギリシャ悲劇を基盤に置いたものの、パッションの表出は文字の挿入や時間の解体などゴダール的手法に囚われる余り多分におざなりである。あるのは60年代末のゲイカルチャーの記録価値であり、ピーターのスター性より小笠原修の哀感に惹かれる。[投票(3)]
★5下妻物語(2004/日)時代に迎合して生きるのは嫌だが、迎合しない為には、それはそれで苛烈な努力を強いられる筈。なのに、どうにも2人は受け身でもどかしい。しかし、終盤の大仏前の決闘に漲る本気汁に済し崩しに納得もさせられる。アンナきゅ〜。[投票(1)]
★2宇能鴻一郎の濡れて開く(1979/日)明るいのが良いと言えばその通りなのだが、余りに他愛ない話。映画界に於ける秩序を破壊せんとした作家の養卵機としての日活ロマンポルノを実質支えたのは、こういう数多の作品であった。決して言及されることがない西村昭五郎のプロ魂に敬意を表する。[投票(1)]
★2ダブル・クラッチ(1978/日)時代の上澄みのような軽佻浮薄なる山根の資質を秋吉の先鋭が補完していた事を思い知らされた作。松坂のベタベタな演技はコンビの弱点を決定的に露呈させた。本質が晒された旧時代の形骸とも言うべき駄作。[投票(1)]
★4雨あがる(1999/日)如何にもな黒澤的教条臭が鼻につく一方、主演2人の醸し出す夫婦の間に流れる空気の裏も表もなく互いを思い遣る気持ちの清々しさに心深く打たれる。ただ、小泉演出には1級の贋作を見たかのようなもどかしさを感じた。余りと言えば余りにまんま過ぎ。[投票(3)]
★4ブレイキング・イン(1989/米)人生の裏通りを行くにしては、緊張も鋭利さも無い男達を気負い無く淡々と描いて素晴らしい。達観と諦念の中、一抹の意地と気概を垣間見せるレイノルズが最高に粋。老境にさしかかった元マネーメイキングスターとインディーズ作家達のタッグが心地よい。[投票(1)]
★3CASSHERN(2004/日)汎亜細亜的未来観に又かの辟易感を感じつつも、こうも斜に構えることなく「戦争反対」「LOVE&PEACE」と言われたら鼻白むを通り越して一聴に値するとも思う。幼児の戯言に真実を見出すのと五十歩百歩だとも思うが純であることには価値はある。[投票(6)]
★3震える舌(1980/日)この題材に対して、このコンセプトを発想したという点で敬意は表する。闘病譚を通した家族愛への遡及が常道であろうに、心理描写を多用したホラーのように撮るというのは、ちょっと思いつくものではない。でも、惜しいかな、全体的に緩いのだ。[投票(3)]
★2駅 STATION(1981/日)倉本降旗健さんに仮託した自己陶酔の過剰な思い入れを万人が共有出来るとでも思ってるのだろうか?それが制御し切れずに大長尺になったもんを興行上の制約でやむなくブツ切りせざるを得なかったような代物は退いた目でしか見れない。[投票(1)]