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けにろんさんのコメント: 更新順

★3バトルシップ(2012/米)序盤で「絶対に勝てるわけないやん」的圧倒的力量差を提示してるのに、結局はガッツと友情で何とかなっちまう相変わらずの竜頭蛇尾。が、今回はアホ映画であることを最初から結構曝け出してるので許せる気がする。ニーソンのセルフパロディが笑える。[投票(2)]
★5博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964/英)基地で反共将軍が、作戦室で元ナチ博士が、コックピットでテキサス少佐が、狂った本性を発酵・醸成させる。作戦室のパンフォーカスと基地のロングの当意即妙。スコットヘイドンのタカ派演技とセラーズの天才。2つの印象的楽曲使用。全て完璧。[投票(4)]
★3禁じられた遊び(1952/仏)年月を経て「遊び」の背徳性は濾過され、残ったのは従容とした農家の日常。家族の死さえ瞬く間に埋没する。だが、半端に巧いクレマンは打算との狭間で根源的モチーフに迫れない。「別れ」と「遊び」に因果関係が無いのもすっきりしない。[投票(3)]
★4僕達急行 A列車で行こう(2011/日)主役2人の持って生まれたキャラもあるにせよ、この末世日本で浮世離れたノンセクショナリズムを貫徹しポジティヴであるという在り得ない閉じた世界を現出させた。だが、後半は余りに定型のトレースに堕した。男2人の空間の異様な親和には目を瞠る。[投票(1)]
★4恐怖に襲われた街(1975/仏=伊)アメリカ製ポリスアクションに一歩も引けを取らない活劇の連鎖。飄々とスタントをこなすスターベルモンドが醸す余裕とユーモア。朴念仁的相棒デネとのコンンビネーションの味わい。それらを統べるベルヌイユの演出の冷徹に随所で痺れる。[投票(1)]
★3ヒューゴの不思議な発明(2011/米)パリの広大な駅セットを縦横に駆け巡るカメラがアクションみたいなものを映し出しているがマニュアルに従属した形骸でしかなく、スコセッシが映画愛を語るにメリエスと言うのが又胡散臭く本気汁は一滴も感じられない。機械人形の無意味さにも萎える。[投票]
★3日本侠客伝 絶縁状(1968/日)端境期に設定された風俗のアンビバレンツに興趣を覚えはするが、所詮はシリーズ常道の縮小再生バージョンに過ぎない。見所もないマキノ演出でエッジの効かない渡辺寛美が醸す敵味方総小物感の中、黒眼鏡の菅原謙二が渋く締める存在感。[投票]
★4うなぎ(1997/日)男の再生譚なのであろうが、贖罪とか予定調和な展開はかわされ、ただ幼児のように女性の懐中で甘えたいという今村の潜在願望が露呈した理想郷。対置された悪意の権化柄本の不気味と田口のドツボ感。一筋縄ではない粘着力のある演出を満喫。[投票(1)]
★4NINIFUNI(2011/日)前半は精緻と言うには遠いし、後半の導入で全てが解ってしまう単線構造ではあるが、にしても、開発を放棄されたかのような幹線沿いと小汚い海辺での荒涼こそが「今」を訴求する。「絆」とか糞甘い言説が持て囃される今への反歌。始めるのはここからしかない。[投票]
★5おとなのけんか(2011/仏=独=ポーランド)融和と反目を繰り返す4人の順列組み合わせの果てしない錯綜が、中盤以降、アルコールが触媒となり一気に暴走し始めるあたりがポランスキーの面目躍如。それを牽引するジョディの青筋芸と拮抗するケイトのゲロ芸。一方で退く男たちの醸すリアル。[投票(7)]
★3津軽じょんがら節(1973/日)後に『祭りの準備』で熟成される中島の都市と対置する地方論が、現代やくざの土俗との邂逅という虚構の中で未だ生硬。ルルーシュかぶれの都会派映像主義者斉藤の思い込み映像は、それでもアンビバレントな虚仮の一心とも言うべき迫力はある。[投票]
★4トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part1(2011/米)全体の半分をひたすら男と女が乳繰り合うだけに費やすという豪奢な作りに、古来より映画が委ねられた本来の時間律を想う。そして、半ばよりの怒涛のような釣瓶打ち展開のダイナミズムと最高潮での中断。真っこと笑っちまうくらい素ん晴らしいでやんの。[投票(2)]
★4犬の首輪とコロッケと(2011/日)犬畜生扱いされる在日のアイデンティティはシャレで躱して、ひたすらに「喧嘩」→「彼女」→「漫才」という目の前にある日常の最重要項目に対峙し脇目を振らない前向き姿勢に打たれる。3番煎じな題材だが地に脚が着いて清清しい。主演の3人も好演。[投票]
★5仮面 ペルソナ(1966/スウェーデン)神の不在という命題から解き放たれベルイマンは「女」を描くことに、のたうつ様な快楽で臨んでいる。アンデルセンからウルマンへ過渡する冷徹がニクヴィストのトリッキーでシャープなアイデアで最尖鋭化する。『沈黙』と並存する最高峰。[投票(2)]
★3すいばれ一家 男になりたい(1971/日)元祖チャラ男とでも言うべき山城のモテモテぶりも今一納得いかぬ鈍重で冴えぬことが味とは言え、女親分宮園と並んで物語りも締まりない。文太遠藤が担う任侠マターで一安心の体たらくなら生パンまで持ち出された小百合に詫びるべし。[投票]
★4メランコリア(2011/デンマーク=スウェーデン=仏=独)1部は悪意と諧謔が混在するブニュエル由来アルトマン経由のパーティ映画として圧倒的な密度だが、その多様な悲喜交々が放棄され鬱病人間こそが終末に対峙し得るという2部のテーゼは余りに単線で唐突。トリアーの断定癖が今回は空疎に見える。[投票(4)]
★4アラビアのロレンス(1962/米)シャリフクインを従えてのアカバ攻略をピークに映画は長い凋落に停滞感を強める。リーンの力技が随所に効いて惑わされるのだが構成は歪。色を添えるロマンスは皆無で代わるロレンスの少年愛嗜好も半端。その歪や半端を奥深さと捉えるも可だが。[投票(1)]
★2ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011/米)少年の母への過剰な反撥へ共感も無く、一転しての心の融解は余りに形骸的。全篇を占める心の触れ合い旅路はトリッキーな設定だが心揺さぶるほどの挿話は遂には見当たらない。こんな勘違いガキに付き合ってるほど世間はヒマではないと思う。何か胡散臭い。[投票(6)]
★4フライトナイト 恐怖の夜(2011/米)大人悪ガキでマッチョな吸血鬼ファレルの押し出しパワーが序盤のルーティーンを打破し、中盤以降は砂漠の孤立ニュータウンと一本道で繋がる歓楽都市ベガスの距離感も展開に絶妙に寄与。テナントの胡散臭さも棄て難い佳作。2D鑑賞。オリジナル未見。[投票(1)]
★3エニイ・ギブン・サンデー(1999/米)ダンスや格闘技と同じくスポーツという題材はコマ切れカットの誤魔化しでは撮って欲しくなく且つストーンの技巧も黴臭い。前半で退いた気持ちを立て直すドラマトゥルギーも胡散臭いパチーノの熱語りと馴染まぬ役のキャメロンのお座成りで雲散。[投票]