★3 | 原作がほとんど文体の戦略でもって成り立ったような小説だけに、小説はいかに映画化されるべきかという昔ながらの問題が一入に顕在的だ。要するに、人物や風景が実在感を伴って表象されるのは映画の主要な武器だが、創意工夫もなしに小説『悪童日記』にそれを適用するのは果たして賢明の策だったろうか。 [review] (3819695) | [投票(4)] |
★3 | 原作は翻訳本発行時にすぐに読み、かなり魅了された。二作目、三作目とも同様に発売を楽しみにして追いかけたクチだ。しかし、それ以来、再読していはいないので、正直、細部は、ほとんど忘失してしまっているのだが、この映画は、第一感、綺麗過ぎる、と思った。 [review] (ゑぎ) | [投票(2)] |
★5 | 子供たちが親からも親族からも実質的に見放され、過酷であれ、それでも生きていくという人間の絶対的な本質部分を黙々と淡々と、そしてロングショットを多用して客観的に描いてゆく。その荒れ野に放たれた野生の少年たちの生き様からは人間の根源を見る。 [review] (セント) | [投票(3)] |
★3 | 現実の浸食を拒む自衛心が、非情な意志に育つまでの話。これを歪んだ成長とは呼べまい。双子は置かれた環境のなか、忠実に母の「強くなれ」という教えを守っただけで、歪んでいるのは世界の方なのだ。少年の面構えと、乾いた陰影を映すC・ベルガーの撮影に戦慄。 (ぽんしゅう) | [投票(2)] |
★3 | 悪童というより、愚童だね。殴り合ったり、絶食したり。子どもらしい愚かしさであるとは言えるが。 [review] (G31) | [投票(1)] |
★4 | ナチ支配下の東欧で状況を見つめる双子の冷視線は否応なく『ブリキの太鼓』のトリックスター少年オスカルを連想させるが、言うほど弾ける訳でもない。真摯な作風は原作への遠慮の裏返しとも言え、それは映画としてどうなのかとも思う。毒のブローアップ不足。 (けにろん) | [投票(2)] |
★4 | 過激な言葉が充満した、ゴダールの見え隠れする作品。どうせならテロップで画面を覆うぐらいのことをしてもいいのではなかったか。 [review] (寒山拾得) | [投票(2)] |