コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 戦場のピアニスト(2002/英=独=仏=ポーランド)

芸術なんてお金持ちの庇護がなければ成立しないってことは、歴史が語っている。戦時下のような極限状態では芸術家なんてボンクラもいいとこ。きっとポランスキーもシュピルマンも60年前は非力だったに違いない。だからこそ、彼らは〈見る〉ことに徹したのだ。しかし、
Linus

時代が変わり、ピアニストは感謝の念を込めて、観衆の前でピアノをひき、 映画監督は、残さねばならない史実として、映像に切りとった。 それだけで良いのだ、と思う。そこには自意識もエゴも驕りもない。 生き延びる運命を担った才人が、ミューズに背中をおされて創った 映画や演奏した音楽(純粋な魂)があるだけだ。

そして私たちはこの映画で、生きるとは〈食べる〉ことなのだと、 示唆される。地面にはいつくばっても食べるおじいさん、 小さな一個のキャラメルを切り分ける家族、 ナチスに見つかっても缶詰めを離さないピアニスト。 人間は、ちゃちなプライドなんかに囚われず、 逞しく生きるべきなのだと、ただただ思い知らされるのだ。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (20 人)シーチキン[*] jollyjoker ジェリー[*] Pino☆ IN4MATION[*] ひろひろ[*] hk[*] 太陽と戦慄[*] すやすや[*] ギスジ アルシュ[*] sawa:38[*] muffler&silencer[消音装置][*] トシ[*] RED DANCER[*] 町田[*] まゆ けにろん[*] 緑雨[*] 水那岐[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。