[コメント] 戦場のピアニスト(2002/英=独=仏=ポーランド)
ポランスキーの原点であり終着点。良くも悪くも感想を述べることが私たちの倫理である。
ピアニストの人生であることから美的な旋律に還元されてしまうという表現上の暴力はある。映画的表現を見ても特に新しい面はなく、類似イメージの繰り返しに過ぎないと吐き捨てることも可能だ。しかし、ホロコーストを描くことは映画の使命であり、人類の使命である。生きること、食べること、戦うこと、守ること、愛すること、憎むこと、殺すこと。例え遠い将来、人間が消滅しようとも、ホロコースト映画は人間というものが存在した証として残しておかなければならないと強く思うのだ。人類にはつまるところアウシュヴィッツしかなかったのかもしれない。その意味で、ホロコースト映画は人類にとって常にメタ映画となる。
ポランスキーの倫理を観る映画、私たちの倫理が問われる映画。
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