煽尼采さんのコメント: 点数順
恋のいばら(2022/日) | 女は眠り姫なのかゾンビなのか。眠り姫は王子の口づけで目覚められるが、ゾンビは既に死んでいる。 [review] | [投票(1)] | |
竜とそばかすの姫(2021/日) | 終盤に一気に濃度を増す、この独特の気持ち悪さと苛立たしさの正体とは、ファンタジーを通して現実に立ち向かっているつもりのファンタジー(=絵空事)、という幼稚なナルシシズムだ。 [review] | [投票(1)] | |
星の子(2020/日) | 所謂「宗教2世」の話だが、親の過剰な介入で破壊される子の人生というよりは、少し変わった信仰を持つ家族を付かず離れずで描く。それはいいんだが、御布施による困窮も台詞で語られるのみ。何より、ユーモアの欠如によって損なわれる豊かさが惜しい。 [review] | [投票(1)] | |
美しい星(2016/日) | 「美しい星」とは、人類が蔓延る地上を俯瞰する異星なのか、守られるべき生命の星・地球なのか。人工的な光を異星の光に読み換える演出は素晴らしいが、着眼点のみで、『2001年宇宙の旅』級の形而上性に達せず不発。 [review] | [投票(1)] | |
ある天文学者の恋文(2016/伊) | 星からの光。小舟で向かう島。恋人との年齢差。その彼には家庭が。「カミカゼ」行為によって垣間見る向こう側。そして、時空間的な隔たりの向こうから届くビデオメッセージ。 [review] | [投票(1)] | |
るろうに剣心 京都大火編(2014/日) | 喧嘩男のデカウェポン面白アクション封印は寂しいが、神木の縦空間を活かしたアクションは嘘くさいながらも見所。新キャラ登場や変転する舞台等、見応えはシリーズ一。だが大火と言いながらそのスペクタクルを見せない詐欺性。 [review] | [投票(1)] | |
ラブ&ピース(2015/日) | 亀はかわいい。健気だ。地下の、暗さ惨めさ優しさ入り混じる童話的空間も涙を誘う。だが、社会を諷刺的に突く角を出しながらも何かを突き刺すには至らず。「園子温なんで過激っぽいこと入れときました」的なポーズが苛立たしい。 [review] | [投票(1)] | |
イノセント・ガーデン(2013/米) | 原題「Stoker」は、主人公一家の姓である他に、「火夫」を意味する。蒸気機関に燃料を投下するなどして駆動させる者のことである。 [review] | [投票(1)] | |
クロユリ団地(2013/日) | 前田敦子の、仄暗い情念の求心力や、幼児のような無防備さ脆さが、繊細に様々な感情を描く。その女優感は、作品自体の新味の無さを相当に補っている。感情を昂ぶらせるシーンでは、AKB時代の連想で、そのまま過呼吸にならないか心配になったけれど。 [review] | [投票(1)] | |
隠された記憶(2005/仏=オーストリア=独=伊) | 「扉」の内/外の劇。個室、エレベーター、トイレ、等々で際限なく繰り広げられる、他者の排除、或いは逆に、一所に他者と閉じ込められることを巡るサスペンス。 [review] | [投票(1)] | |
暗殺の森(1970/伊=仏=独) | 美しい青の、哀切と残酷。赤の冷厳。断続的に全てを覆う闇。老いに蝕まれる若い性。集団の営みの傍観者として取り残される主人公。 [review] | [投票(1)] | |
ポテチ(2012/日) | 空巣が主人公だが犯罪のディテールは蔑ろ。「代打」というテーマの都合上要請された設定でしかない。それは構わないが、犯罪には当然、被害者がいるわけで。何かを「奪う」側面を孕んでいる筈の状況が「代打」という一テーマに収束させられることの違和感。 [review] | [投票(1)] | |
J・エドガー(2011/米) | 老けメイクを晒すディカプリオの声の若々しさが茶番感を煽る。あの甲高い声がエドガーの人物像とマッチしていると言えば言えるが。科学捜査のディテールがおざなりなせいで、エドガーのモノマニア的性格の描写も弱い。 [review] | [投票(1)] | |
トスカーナの贋作(2010/仏=伊=ベルギー) | 原題の、「認証謄本」を意味する言葉を「正しい紛い物」という矛盾した意味へと読み換えていくような形式が見事、なのだが、嗚呼、やはりジュリエット・ビノシュ苦手だわ、と、徐々にウザさを増していく彼女に耐える約二時間でもある。 [review] | [投票(1)] | |
コレクター(1965/英=米) | “respect”という針で刺す。 [review] | [投票(1)] | |
セラフィーヌの庭(2008/仏=ベルギー=独) | 画面が画布そのものを捉えるカットはほんの僅かで、むしろ、セラフィーヌが歌ったり緑を散策したり下働きをしたりする生活の中の一風景としての制作行為がある。美術愛好家的な視点で観ると物足りないが、これはこれで一つのアプローチとして正当ではある。 [review] | [投票(1)] | |
初恋のきた道(2000/中国) | 全カットに於けるチャン・ツィイーの表情が、それぞれに美しく、それぞれに劇的。それ以外にこれといった見所が殆ど皆無というのもあるが、これはひたすら彼女の演じる村娘・ディの純朴な愛らしさを愛でる映画。 [review] | [投票(1)] | |
ケンタとジュンとカヨちゃんの国(2010/日) | 役者の存在感ある肉体性を、彼岸としての「網走」や「海」、「外国」、「壁」について生硬に語る台詞、多部未華子の人物造形、エンディング曲等々の記号が殺す。映画的コードという「壁」に囲われた中での「彼岸への逃避行」ごっこ。 [review] | [投票(1)] | |
トランスフォーマー ダークサイド・ムーン(2011/米) | 箱庭効果で時々、玩具の戦闘機やロボが闘っているように見えるのもご愛敬。ベイの能天気なアメリカ性はバンブルビーとのやりとりなどでは微笑ましいが、政治絡みになると時に醜悪。[IMAX 3D 吹替] [review] | [投票(1)] | |
毎日が夏休み(1994/日) | 演じる役者の芝居臭さも含めた厭らしさ漂う世界から超脱する、佐伯日菜子の麗しき棒読み。俗世に対する佐野史郎の聡明なる愚鈍さを、良い意味での常識で救う佐伯の安定感。日本映画史上に記憶すべきコンビかも。 [review] | [投票(1)] |