★2 | イエスタデイ(1981/カナダ) | 何がどうということもない真っ当な悲恋ものであり、それ自体何ら悪いことでもないのだが80年代に登場した割には芸無さ過ぎな促成栽培の仕事。主演女優も清楚だが淡白だし、演出もお真面目でケレンの欠片もない。これじゃ何の為に見てるのかって話なのだ。 | [投票] |
★2 | 次郎物語(1941/日) | 戦中の作品だと割り引いても雑い出来だと思う。同時代の『路傍の石』とセットで上映されることが多かったが格の違いは歴然だった。ただセンスはともかく100本近いプログラムピクチャーを撮り最後は香港に流れて史馬山と名乗った島耕二は敬愛する。 | [投票] |
★3 | ブラックホール(1979/米) | 『2001年』と『SW』という2度のエポックを通過したSF映画史に突如「マッドサイエンティスト」や「ロボット」という50年代アイテムをシャレじゃなく大真面目に復刻されても困る。ディズニーの子供向き映画と割り切って見れば悪くはないにしても。 | [投票] |
★2 | レイズ・ザ・タイタニック(1980/英=米) | 全てはタイタニック引き揚げシーンに収斂すると言うより、そこだけ押さえとけば良しというかの如き地味つまらなさで、ロマンティシズムはもとより諜報戦や工作員の哀感など欠片も見受けられない。華ない役者陣の中ジェイソン・ロバーズの渋さのみ際だつ。 | [投票] |
★4 | 狂った果実(1981/日) | 80年当時としてもここに描かれた社会的ヒエラルキーは時代から乖離しているかのように思えたが、確信的に被虐と浪花節をブロウアップした演出が見る者を揺さぶり続け虐げられし者の爆発的破壊衝動に同期させられる。その踏み切り方はしたたかでさえある。 | [投票] |
★2 | バトルクリーク・ブロー(1980/米=香港) | ジャッキーが毒にも薬にもならない優等生チャイニーズとしてお膳立てされた設定に収まりきって歯痒いことこの上ない。加えて同じ道の達人が闘うのならまだしも異種格闘技がショーとして成立しないことは証明されてしまっている。凡戦ばかりで萎えるわ。 | [投票] |
★4 | 自由を我等に(1931/仏) | 大甘理想主義を謳歌する映画だが、予想外にクールなデザインも有している。そのあたりの欧州的ニヒリズムの存在がキャプラとかの勇気と信念のマッチョな透徹と同工にして異曲だ。工場シーンが『モダン・タイムス』の元ネタっていうのは疑いないだろう。 | [投票] |
★2 | ル・ミリオン(1931/仏) | スラプスティック的な題材だがスピードが無くミュージカルめいた面もあるが躍動感に欠けかったるい。何よりお金を扱いながら全てに於いて切実味が無くお遊びみたいな話なので甘すぎるヒューマニズムのみが前面に浮き上がり見てると反作用で気が滅入ってくる。 | [投票] |
★4 | ブラス・ターゲット(1978/米) | 大戦秘話として目新しいものではないが、ハフ演出が一貫してカットを細分化してテンポが抜群に良い。燻銀とも言えるカサベテスを主軸に添え、途中から絡んでくる殺し屋フォン・シドーも又拮抗し得る渋さ。スイスのシークェンスは篇中でも最高。 | [投票] |
★2 | 華麗なる相続人(1979/米) | この何の芸当もないオードリーの復帰第2作を止める者は誰もいなかったのだろうか。薹が立った爺婆スタッフ・キャストに囲まれ安住するだけの彼女に年相応の枯淡も色香もない。無惨なだけで、つくづく『ロビンとマリアン』で打ち止めにするべきだった。 | [投票] |
★2 | 四季 奈津子(1980/日) | 地方での平凡な生活を価値のないものとしテント公演の前衛劇から天啓を受ける。同時代に生きた者としても稚拙感が横溢する導入。列車内での詩人との会話。ゴダールばりの即興は天賦の才が要る。悲しいことに、あらゆるパートが手抜きの印象でしかない。 | [投票] |
★2 | 少年(1969/日) | この題材を黒塗りの日の丸で規定してしまうところに大島の横暴を感じる。情緒的な泣かせと政治的な反権力指向の狭間で物語は宙に浮いて居所を失う。後者であるならよりブラックな諧謔を、前者であるなら木下イズムへの転向をだが、それはできぬ相談。 | [投票] |
★2 | 復活の日(1980/日) | 世界からの孤絶と追い討ちをかける孤独だけを念入りに描けば良かった。下手にハリウッドマターに竿刺すような前半はチープな上に無闇に暑苦しい。それが身上の深作ではミスチョイスであった。世界の終焉後を描いた鎮魂歌として稀有な作品になり得たのに。 | [投票] |
★2 | 鉄路の闘い(1945/仏) | 映画史の進展に於いて「列車の疾走」と言うスペキュタリティが担ったであろう役割の片鱗をこの映画から感じることはできない。ドキュメンタリズムに立脚したレジスタンスのヒロイズムは過剰とも思わないが妄信的ではあった時代の遺物。良くも悪くも単線構造。 | [投票] |
★4 | 2ペンスの希望(1951/伊) | 美人に追い回されるという男の願望充足と不景気下でも一生懸命頑張っていればいずれ道は開けるというイタリアンな楽天主義が程良いテンポで描かれる。働けど働けど楽にならない時代の妬みや拗ねや諦めとは無縁な前向きさを描いて今こそ顧みられてもいい作品。 | [投票] |
★2 | 炎の舞(1978/日) | 隔絶された世界で燃え上がる恋人達。の筈が全く燃え上がってるように見えないので、妙にしんねりむっつりしただけの代物になった。百恵の能面からは愛の炎は終ぞ表出されず、表面ずらだけストーリーをなぞってみたの誹りは免れない。土台無理筋の題材だ。 | [投票] |
★2 | 土佐の一本釣り(1980/日) | 何が面白いのかさっぱりわからない話。なのは我慢できてもすーちゃんの如き性格も良い別嬪さんが海のもんとも山のもんともわからんガキに惚れ抜いちょるという設定は俺の理解から1億光年隔たっている。むかつきまくりの90分。もうちとマシな男にせえ。 | [投票] |
★2 | スネーキーモンキー 蛇拳(1976/香港) | クンフー映画に於ける格闘としての拳法の対極としての舞踏味を打ち出した新味は斬新であったし、ジャッキーベーシックキャラ確立の試金石なのだから仕方ないとは言え『ヤング・マスター』以前の一連の作は面白いがとにかく安い。自主映画みたく安すぎる。 | [投票] |
★3 | サイレント・パートナー(1978/カナダ=米) | サイコなパラノイアと小心な真面目男という構図は何時しか崩れ小心者はけっこう大胆になっていく。その変化を脚本は巧くは衝いてないので何処か大味。確かにクリストファー・プラマーは相当に不気味だが『殺しのドレス』のマイケル・ケインとダブる。 | [投票] |
★3 | オール・ザット・ジャズ(1979/米) | お手盛りの自画自賛映画だとしても、せめて10年早くフォシー自身の主演で撮って欲しかった。ショービズにどっぷり浸かった男の佇まいがシャイダーではどこか嘘っぽい。ロトゥンノを擁してもフェリーニの夢幻の境地にも到達仕切れなかった。 | [投票] |