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[POV: a Point of View]
バイブル
佐藤忠男著「世界映画一〇〇選」秋田書店・昭和49年刊

小6で買ったこの本は今でもチョクチョク読み返す。100本の映画を死ぬまでに全部映画館で見たいものだ。A〜Gは各1910年代〜1970年代を分別。極私的POV。
A★3カリガリ博士(1919/独)セット美術の前衛な奇形には最早何の感慨も抱かぬにしてもニューロティックの原型としての価値は認める。4分の3世紀を経ても俺達が見せられ続けてるものは、この映画の変奏曲に過ぎないと思わせられるからだ。圧殺の民族史観は穿ち過ぎだろう。投票(2)
A★0イントレランス(1916/米)
B★5キートンの探偵学入門(1924/米)時制と空間を支配しようとする強固な意志とそれを為し得る技と力。勃興期の映画の数万哩先に数十年早く到達した奇跡。見たときは捜し物を見つけた気がした。問答無用なテンポの快感に末梢神経の先まで覚醒させられる。投票(2)
B★4チャップリンの 黄金狂時代(1925/米)靴食などの飢餓表現が笑いのフィルターを通して尚、切ないまでのリアリティを感じさせ伝説的ないくつかの名シーンは至芸と言っていいのだろうが、これでもかのメロメロな情がてんこ盛りで、その過剰さがチャップリンの自己愛をときに垣間見せてしまう。投票(2)
B★4戦艦ポチョムキン(1925/露)フィルムに写し取った被写体が予め持つものだけが意味を持ち得た時代に、断片を組み合わせて意味を構築するという数百歩すすんだ発想。そして、オリジナルは伊達じゃない。教科書的な文法のみでは到底説明し切れない強烈なエモーションがある。投票(1)
B★4サンライズ(1927/米)後戻り出来ぬ決定的過ちを犯した夫が妻を必死の思いで懐柔し笑顔を取り戻させる迄の話で、そういう意味で冒頭と終盤の挿話は余分に思えるほど。林の中に突如現れる列車や近未来的アトラクションパプなどの豪奢なセット美は独表現主義と自然主義の類稀な融合。投票(1)
B★0ロイドの人気者(1925/米)
B★0東への道(1920/米)
B★0母(1926/露)
B★0三銃士(1921/米)
B★0ロイドの要心無用(1923/米)
B★0イタリア麦の帽子(1927/仏)
B★0幌馬車(1923/米)
B★0結婚哲学(1924/米)
B★0キートンのセブンチャンス(1925/米)
B★0ニーベルンゲン 第一部 ジークフリートの死(1924/独)
B★0血と砂(1922/米)
C★4風と共に去りぬ(1939/米)些か波瀾万丈過ぎな展開なのに、何がどうであろうと有無を言わせぬ堂々たる物言いを貫徹している。その感動的なまでのブレの無さ。栄光の汎アメリカ時代の幕開けを担う単視眼だが確信的強靱さ。下手な訳知り顔を捨て諸手を挙げて物語に身を委ねよう。投票
C★4どん底(1936/仏)煌めく川面やそよぐ草むらといったルノワールアイテムが木賃宿の閉塞感に風を吹き込む。その妥協を排した黒澤版がやけに傑作に思えてくるがまあこれも有りか。男爵キャラの不均衡な脚色、レストランでの大移動の過剰は歪に映画であることを示顕する。投票(1)
C★4街の灯(1931/米)ベタベタな情に流されそうに見えて、やるべきとこでは意外なほどにスラプスティックしている。その醒めたバランス感覚こそがベタを押し通させるのだ。でなけりゃ半素人相手に何十回もリテイクを出せるだろうか。その冷徹こそが本物を産み出す。投票(2)
未登録作品:『生恋死恋』『人生の関所』『過去からの呼び声』『君の同時代人』『ルシア』『エミタイ』『義士安重根』又『黄色いリボン』と『大地のうた』は三部作として挙げられたものを代替した。
この映画が好きな人達

このPOVを気に入った人達 (8 人)HW Santa Monica トシ ぽんしゅう 寒山拾得 町田 くたー