★4 | 撮るべき人に撮られた題材であるという点で、これは幸せな映画だ。が、むろん物語は痛ましい。映画を駆動する散文体のジャーナリズムにワイダはぎりぎりの詩情を込める(雪!)。銃殺のあっけなさは『シンドラーのリスト』だ。女性たちの美しさと気高さも記憶に留めたい。「のこされたもの(生存者/遺品)」をめぐる映画。 (3819695) | [投票(3)] |
★3 | 事実しか描かないという意志の強さが、灰青色の支配する画面の硬質の画調によって保証される。役者の抑制的な演技も決して奇をてらうべきテーマではない覚悟から生まれる謙虚さからか。しかし何千人もの死を徹底的に再現した結末には「抑制的演技」すら抑制する迫真の演出が用意されていた。 (ジェリー) | [投票(1)] |
★4 | ファーストシーン、鉄橋の上でソ連およびドイツから逃げてきた人たちが滞留してしまう混乱。この国はどこが我が国なのだ、という悲痛な思いがこの1シーンに象徴される。この鉄橋そのものがポーランドなのだ。
[review] (セント) | [投票(3)] |
★4 | 老いてなお盛ん。アンジェイ・ワイダ監督に脱帽ですね。 [review] (chokobo) | [投票] |
★3 | この事件と、その後の欺瞞は、70年の時を経た今もポーランド人の脳裏を亡霊のように彷徨う怨念なのだろう。たとえ古色蒼然たる老骨の一喝であろうと、単に被害意識を振りかざすのではでなく、ひたすら加害者の非を責め続けるワイダの執拗さは被害者の鏡である。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(2)] |
★4 | 撮影、演技、美術など全て上質。終盤は話が拡散しすぎて散漫になりかけるが、あまりの衝撃に言葉を失うラストシーンで引き締めた。80代で撮ったとは思えない、実に重く、力強い映画。 (赤い戦車) | [投票] |
★3 | 深度ある撮影と真摯で節度ある演技。時系列に単線な展開の前半は良い。しかし、「その時」を経過し分散された物語は暗澹たる閉じた過去と未来へとのみ向けられる。それが悪いとも思わないが、なら収斂する作劇無きラストの座りが悪過ぎるのだ。 (けにろん) | [投票(2)] |
★5 | 正しく喪に付すアンティゴネの峻厳さ [review] (寒山拾得) | [投票(1)] |