コメンテータ
ランキング
HELP

さんのコメント: 点数順

★4マリヤのお雪(1935/日)愁いと喜びを同時に表す微妙な笑顔。媚を含んだ気怠い物腰。虚無と紙一重の意地。煙管を吹かす姿の格好良さ。決まっている台詞回し。日本の女優にしか見せられない美しさがここに。[投票]
★4告白的女優論(1971/日)水面の月影を追うようなとりとめのない、しかし、美しい映画。虚実を巡って話は転々とするものの、つまりは「見えるものがすべて」。「告白的」と言いつつ、終始表面的に遊んでいる。[投票]
★4金環蝕(1975/日)冒頭の日蝕の薄気味悪さ…。神でも悪魔でもなく、妖怪としか言いようのない面々が、閉じてしまった世界を嬉々として跳梁跋扈する。非凡さの片鱗もない腐敗ぶりがむしろ「昭和」らしい。[投票]
★4大阪の宿(1954/日)下積みの人々の諦めと忍従。サラリーマンの愚劣と悲哀。彼らの憂鬱とともに土佐堀川は流れる…。護岸が人と川面を隔てる以前には、人は笑って人生と和解するすべを知っていた。[投票]
★4やくざの墓場 くちなしの花(1976/日)官僚組織のシステマティックな悪がすべてを牛耳る汚辱の世界。脚本家・監督ら、戦争で死に損なった世代の「戦い」への郷愁は無惨な結末を…。ちなみにくちなしの花は白く、香り高い。[投票]
★4女王陛下の戦士(1977/オランダ=ベルギー)アマチュア戦士達のドタバタ・レジスタンス戦記。太い鉛筆でガシガシと殴り書きしたような語り口(ヘタともいう)。威風堂々として、かつ間抜け、そして一抹の悲哀も漂う現代版騎士道物語。[投票]
★4ブラックホーク・ダウン(2001/米)アメリカの側から見た「世界」の像とはまさにこういうものなのだろう。群集の真っ只中に孤立する兵士達。『北京の55日』の時代にはあった余裕は失われ、恐怖と怒りだけが燻っている。[投票]
★4初恋・地獄篇(1968/日)荒々しい世相を鮮やかに写した街頭風景。土俗とモダンの混交したアングラ的演出。しかし、本質的には、愚直な心情の美しさを描いたシンプルな映画。荒木経惟の写真を連想した。[投票]
★4豚と軍艦(1961/日)基地からこぼれるドルに群がる有象無象。長く伸びたアメリカの巨大な影の中で、「豚」以外の生き方とはあり得るのだろうか?公開から半世紀、今もこの映画は色褪せていない― [review][投票]
★4フーリガン(2005/米=英)素晴らしき暴力マニアたちの世界。アドレナリンによって覚醒する意識。部族的同志愛。生ける伝説として仰がれる男。欧州フットボール文化の底にある「闇の奥」を垣間見ることができる。[投票]
★4遠すぎた橋(1977/英=米)作戦開始前の高揚、華やかな進撃、錯綜する戦況、すべてが終わった後の虚脱…。スポーツの大試合を中継するように、両軍の攻防を俯瞰で描く散文的な語り口に英国人らしさを見た。[投票]
★4マッチポイント(2005/英=米=ルクセンブルク)「欲望」は隠されなくてはならない。上流階級を夢見る狡猾な男。その隠された欲望を煽るアメリカ女。そして、ゲームの勝者はより卑劣な方。ニヒリスティックな結末にアレンの非情を見た。[投票]
★4GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995/日)ネット版『世にも怪奇な物語』。鈍色に輝くチタニウムの頭蓋骨。怪物じみた骨格が水溶液の中、人の形へと変化してゆく、おぞましくもエロティックな姿。このシーンだけでも観る価値はある。[投票]
★4放浪記(1962/日)貧乏で、不細工、おまけに男運も悪い。恋に敗れ、文学に勝った無頼の作家の僻みと意地、悲しみと反抗の昭和文壇戦記。酷いこともサラリと描く成瀬のクールな描写に痺れた。[投票]
★4噂の娘(1935/日)酒に甘口辛口があるように、娘にも甘口辛口がある。姉妹を見守る男たちにも、人生の浮き沈みに対する彼らの態度にも甘口辛口がある。酒屋を舞台に繰り広げられるに相応しい話だ。[投票]
★4初春狸御殿(1959/日)歌あり、踊りあり、お色気ありの時代劇レヴュー。「狸が化けてやってます」ということにして、面白そうなものをごた混ぜにした、アバンギャルドかつ田舎くさい、そしてラヴリーな映画。[投票]
★4大菩薩峠・第2部(1958/日)原作の込み入った筋を追いかけるのに忙しく、やや散漫に。しかし、陽の光の下で生きる人々と、ひとり闇をゆく竜之助の対比は鮮やかだ。悪縁の導くままに、鬼哭啾々の完結篇へ…。[投票]
★4天使のはらわた 赤い教室(1979/日)メロドラマ的展開は男のひとりよがりの裏返しだとは思うが、暗く、重く、サディスティックで、底のない深淵を覗き込んでいるようだ。終盤はほとんどホラー映画になっている。[投票]
★4革命前夜(1964/伊)憂鬱と甘さが、苦さと爽やかさが、影と光が、そして、現実と現実ならぬものとが、絶妙にブレンドされている。『暗殺の森』や『ラストエンペラー』の核になる部分はすでにここにある。[投票]
★3ブラック・クランズマン(2018/米)予想していたよりは楽しかったが、しかしどことなく教師の作った映画という印象を受ける。スパイク・リーは若々しく、自分の頭の良さを社会に対してどう用いるかにも自覚的(少しだけゴダールに似ている)だが、それがおもしろい映画を保証するわけでもない。 [review][投票(6)]