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★3飾窓の女(1945/米)女の顔が窓ガラスに浮き上がる時の暗い幻想性はさすが。そのノワールな美貌と男達の卑しい顔付を見れば、ラングが人間を見る眼のいかに醒めているかがわかる。結末はがっくりだが…。[投票]
★3南海の花束(1942/日)日本映画には珍しいヒロイックな肌触り。胸板の薄さと歯並びの悪さは悲しいが自我の強さを厳しく追及する姿勢は清々しい。メカニカルな美しさも南洋に映える。後は美女がいれば…。[投票]
★3激怒(1936/米)ラングの「厭うべき一卵性双生児の片割れ」であるナチとの戦いはここから始まる。法廷での鋼の追及ぶりはさすがと思うも結末は甘過ぎ。『死刑執行人もまた死す』の域には達さず。[投票]
★3薔薇合戦(1950/日)よりパワフル(欲深&バカ)になった戦後版『細雪』。戦前版がしだれ桜なら、これはまさに薔薇のイメージ。しかしこの濃厚さは成瀬の気質には合わなかったか、やや平凡な出来に。[投票]
★3パリところどころ(1965/仏)どれもまあまあ。印象に残ったのは、都会生活者の漠たる不満を描いて巧いルーシュ。何でもないがそこがよいロメール。辛辣で毒のあるシャブロル。ゴダールは相変らず女に甘い。[投票]
★3仁義なき戦い 完結編(1974/日)広島ヤクザより映画会社の方がよっぽど阿漕であることを自ら証明した、完全に蛇足の五作目。『ゼニに体張る言うんのどこが悪いの、おお?』ということであろう。かくして「完結」?[投票]
★3続修羅城秘聞 飛竜の巻(1952/日)緊迫感ゼロだが、「いかに美しいか」がこの映画の眼目では仕方がない。跳ね上がらない語り口に滲む色気は衣笠が女形だったせいか。森の描写における細密なアラベスクには感嘆。[投票]
★3修羅城秘聞 双龍の巻(1952/日)優美そのもの。「偉い人は美しかるべき」というこの映画の命題は全く正しい。中間色を多用する自然描写や語り口の女っぽさは黒澤時代劇と好対照。ダイナミズムにはやや欠けるが。[投票]
★3ブッシュ(2008/米)あの気色の悪い皆さんを完璧に真似ていることにニヤニヤ笑いを禁じ得ない。並んで歩く場面など妖怪映画なみの怪しいオーラが。ストーンの独善にはいつもながら苛々させられるが。[投票]
★3THIS IS ENGLAND(2006/英)ケジメをつけたいという思いがこの映画にはある。大英帝国などもう存在しない、現実は惨めなのだと。悪ガキの〆の潔さ。その激しい気性こそ偉大な父祖達を思わせるではないか。[投票]
★3サーチャーズ 2.0(2007/米)愚かな時代がかつてあった。今、神話は終わってヒーローは去り、私達は砂漠の静寂に取り残される。新しい混沌へと帰る時なのだ。『捜索者』のジョン・ウェインがそうだったように。[投票]
★3ミルク(2008/米)「美しいものは美しい。それを認めようとしないのは愚かだ」と彼らは訴えたいだけ。あらゆるものが甘くリッチな香気に満ち満ちている。そして当然ながらそこには悲しい儚さがある。[投票]
★3メタリカ:真実の瞬間(2004/米)コワモテのオッサン達の悶え苦しむ様に胸を打たれた。どんな種類であれ戦いを描いた映画は美しい。そこには勇気と連帯と清潔があるから。とりあえず生き残った彼らに祝福を。[投票]
★3ズーランダー(2001/独=米=豪)何やら胡散くさいエレガンスに感涙。『ファッション通信』が決して語らない業界の真実!分け入っても分け入っても青い山。ぎんざじゅわいよくちゅーるマキ、と意味もなく書いてみる。[投票]
★3皆殺しのバラード(1966/仏=独=伊)大人の娯楽映画としてイキ過ぎず保守的過ぎもせずのファッションや音楽を見せてくれるのはいいが、余裕をかましすぎて退屈になってしまった。60年代の東京を見られるのは楽しい。[投票]
★3英国王給仕人に乾杯!(2006/チェコ=スロバキア)主人公の追憶のかなりの部分(特に女関係)は虚言だと思うが、給仕人(語り手)としてはむしろ誠実な態度だろう。テーブルの傍から見た現代史。艶めかしく美味。でも毒は足りない。[投票]
★3地獄門(1953/日)途方もなく倒錯した姦通ドラマ。貞淑に見える妻は実は男を欲しかったのである。でなければこの異常な発光の色彩は説明がつかないではないか。―と、思えばまあ面白くなくもない。[投票]
★3刺青(1966/日)モダニスト増村による未来派時代劇。そこで礼讃されるのは、陰翳ではなくスピードとエゴイズム。日本映画の湿った風土を足蹴にする突飛な展開とヒロインの剛毅な啖呵に痺れた。[投票]
★3日本暴力列島 京阪神殺しの軍団(1975/日)ダブルのスーツの助さん格さんが諸国を漫遊し、地元ヤクザに因縁を付けては大組織の代紋に物を言わせる話―と思えば面白い。『悪者はつらいよ 助さん格さん純情旅』と改題すべき。[投票]
★3ドッジボール(2004/米)フィットネス・ヘルシー方面におけるアメリカ人のバカ度は高い。幼稚すぎる戦いに挑む真剣さが不思議な感動を呼…ばないが、「股間自尊心増大ショーツ」の優秀さは評価できる。[投票]