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★3宮本武蔵・二刀流開眼(1963/日)アクの強い人物が続々と登場し、これでもかと超絶的剣技を披露する。話の展開も美術もメイクも過剰に猛々しい。男根的、と形容したくなる。武蔵のパラノイア的遍歴はさらに続く…。[投票]
★3十八歳、海へ(1979/日)並んで横たわる男と女。枕元に散らかる飲み食いの跡。ゴッコ遊びのチャチな生々しさに、この世の生の儚さ・つまらなさは写し取られている。足は着かない。うねりに身を任せ、漂うのみ。[投票]
★3宮本武蔵・般若坂の決斗(1962/日)暴力とは何か?その内なる衝動はいかに位置付けられるべきか?物語を貫く問いが提示される。死闘の最中の生の高揚。それは甘美でさえある。暴力に憑かれた男に救済はあるのか…。[投票]
★3八月の濡れた砂(1971/日)引き鉄は引かれず、欲望はあらぬ方向へそれる。頓珍漢な逸脱ぶり・非ドラマ的展開・女と男の通じ合えなさ。太陽族映画のようでいてとことん情けない。これは紛れもなく藤田の映画。[投票]
★3誰も知らない(2004/日)彼らには不安も恐れもない。ただ漠然と広がる薄暗闇に佇むだけ。世界はその向こう側にある。侵食してくる闇とそれを押し返す光のせめぎ合い。誰もがかつてはそこにいた。そして今も。[投票]
★3山椒大夫(1954/日)絵巻物のように美しく残酷に奇跡の物語が語られる。非情の世界。見えない糸に操られる人々。か弱い者の内にある反逆の魂。その純粋さを溝口は賛美する。語り口はやや荘重すぎるが。[投票]
★3煙突の見える場所(1953/日)戦後は決して明るくなどなかった。貧しく、冬は寒く、戦争の傷痕は生々しかった。そんな時代、煙突は人の温もりと営みを示す目印だった。生真面目な語り口。しかし意外にセクシャル。[投票]
★3女番長 野良猫ロック(1970/日)地平線の果て(?)から現れる女バイカー。荒野のような新宿。乾いたファイト。何処となくマカロニ西部劇風。クールで馬鹿馬鹿しく、気障でいてマヌケ。スカスカなのがむしろ格好良い。[投票]
★3裸足で散歩(1967/米)無邪気で可愛い(美人ではない)ヒロイン。デクノボーの男前。大都会。二人だけの貧乏暮らし。変な隣人。洒落た題と良い音楽。ラヴコメに必要なものはすべてある。砂糖入れ過ぎだが。[投票]
★3パラダイス・ナウ(2005/仏=独=オランダ=パレスチナ)二つの街の天国と地獄のような対比。その間でウロウロしている二人。此処ではない何処かへ行きたいという焦燥が自爆へと行き着いてしまう残酷さ。正気と狂気の境目は限りなく低い。[投票]
★3東京湾(1962/日)東京五輪前の下町を捉えたロケ撮影。駅前の路地にひしめく飲み屋、老朽アパート群、立ち並ぶ煙突、荒川のボート小屋。殺風景だが精力的。明日への希望と昨日までの悲惨が交錯する。[投票]
★3宇宙戦争(2005/米)worldsと題が複数形になっている通り、侵略者は対話を完全に拒否する。悪夢のような終末を、嬉々として(?)描くスピルバーグの暗い情熱。呆気ない結末にも悪意のようなものを感じる。[投票]
★3コンボイ(1978/米)バカデカく、力強く、大衆に人気があり、いつもお祭り気分。善良だが無法者であり、呑気な漂泊者でもある。「アメリカ」とは国ではない。転がる石のような一種の永久運動・宗教なのだ。[投票]
★3黒の試走車(1962/日)サラリーマンをスマートで近代的な無頼漢として描いたピカレスク映画。高度成長の狂熱に人格を埋没させた男たちの荒廃と無軌道。ニヒリスティックな『巨人と玩具』に比べると、やや甘口。[投票]
★3カンバセーション…盗聴…(1974/米)「聴く」ということに、他人と「繋がる」という意味を見出せなくなった男の当然の自滅。もっと面白くなりそうな話だが…。芸術的野心(?)などは捨てて、娯楽映画に徹してほしかった。[投票]
★3ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場(1986/米)マッチョな題材だが語り口に愛嬌がある。実人生では敗けっぱなしの鬼教官とボンクラ兵士たちの巧まぬ連帯。ささやかな凱旋に滲む静かな満足。男くさく、キュート。イーストウッドらしい。[投票]
★3雲がちぎれる時(1961/日)王道を行くも何故か結晶化せず。渦中の二人が、哀れというよりは愚かとしか見えないようでは…。メロドラマの描写には冷徹さが必須だが、その点、成瀬小津はやはり卓越していた。[投票]
★3若草の萌えるころ(1968/仏)火のついたような気分で夜の街を彷徨する、そんな時期が若い頃にはあるもの。偶然の出会いが人生を左右してしまう不思議さを知るのも、そんな時だ。語り口は叙情的でシュール。[投票]
★3北京の55日(1963/米)野蛮の海に浮かぶ文明の孤島。守るは後の全米ライフル協会会長。痛快なほどに傲慢。「アメリカ人」というドラマにとって、「原住民と対峙する砦」のイメージは欠かせないものらしい。[投票]
★3乱れ雲(1967/日)夕闇に沈む湖面。雨の中で震えるヒロイン。美しい映画だが、メロドラマという様式がもはや時代遅れであることも明白に。一つの様式とともに一人の偉大な監督のキャリアにも幕が…。[投票]