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煽尼采さんのコメント: 点数順

★3ブレス(2007/韓国)言葉や‘息’の扱い方、四季の届け方など、発想は巧いが、それらが充分に映画的な旨みが出るほどに展開し得ていないのが惜しい。中盤では既に退屈になりかけているし、終盤は収まるべき所に大人しく収まった観がある。 [review][投票(1)]
★3虹の女神(2006/日)失われゆくレア・アイテムとしてのフィルムと、世界の終焉というヴィジョンとのアナロジー。身近なるものへのノスタルジーとしての「映画」。 [review][投票(1)]
★3人のセックスを笑うな(2007/日)高橋源一郎が称賛し松浦寿輝が罵倒した原作は「布団の国のお姫様と王様の気分で眠った」まで読んだ。スカした稚拙な文体が鼻につく原作のダラダラ感に倣っているようでいてこの映画、日常を淡々と捉えるミニマムさが却って予測不能性を生じさせる。 [review][投票(1)]
★3レイクサイドマーダーケース(2004/日)タイトルバックで既に駄作臭が。ドキュメンタリータッチでもないのに、単語が聞きとれなかったり、つっかえた台詞や、カメラの急速で不自然な動きが放置されているのも変。凝ったつもりの瞬間的なショットの挿入は効果薄。スローモーションの使い方も通俗的。 [review][投票(1)]
★3風が吹くとき(1986/英)夫婦の戯画化された小市民っぷりは、素朴というよりロボット的。微笑ましい平穏な日常と戦争の対比が恐ろしいというより、国民としての義務感に盲目的に従いつつ、殆どゴリ押しのように日常生活を営み続ける機械的な頑なさが恐ろしい。この夫婦はゾンビだ。 [review][投票(1)]
★3ロバと王女(1970/仏)視覚的な面ではやや作りが甘い印象もあるが、この能天気な幸福感、ドヌーヴの柔らかさ清楚さと物語のナンセンスさが結びついた軽やかさは、そう簡単に真似できない筈。設定がシュールな分、演出を牽引する色彩の力が、より純粋な形で発揮されている。 [review][投票(1)]
★3按摩と女(1938/日)一つ一つのショットの構図が美しく、盲人が主役である事を忘れてしまいそうなくらい視覚的快さに満ちた映画。温泉気分の穏やかさの中に、適度にシニカルさとサスペンスが塗されている匙加減が巧い。のほほんとした雰囲気を保ちながらも、平板さを免れている。 [review][投票(1)]
★3息子の部屋(2001/仏=伊)スクエアな映画。誠実に、丁寧に撮られた映画、という枠から一歩も出ようとしないのが、やや窮屈。演出は繊細だが、余りに手堅すぎる。観るべきはやはり、その枠を抜け出してより詩情を獲得した、終盤のシークェンスだ。 [review][投票(1)]
★3ペルセポリス(2007/仏=米)僕らにはテレビ画面の向こう側の世界でしかない、爆撃、拷問、宗教戒律、等々に対し、ヒロインのマルジが徹底して「普通」である事の新鮮さ。半面、マルジの日常そのものが普通の環境に移った途端、単なる普通の女子日記と化すのが難。 [review][投票(1)]
★3ミニヴァー夫人(1942/米)バラは全ての人にとって美しく、状況は総力戦であるという事。 [review][投票(1)]
★3ボディガード(1992/米)依頼人の影に徹するフランク(ケビン・コスナー)と、眩しいスポットライトを浴びるレイチェル(ホイットニー・ヒューストン)。対照的な二人は、仕事に身を捧げたが為にプライベートな時間と空間を犠牲にしている点で、表裏一体でもある。 [review][投票(1)]
★3黒い雨(1989/日)時計の針を、平成元年から逆回転させるかのような、白黒の画面。焦土と化した広島の陰惨な情景に耐えかねたように黒一色に染められた画面は、同時に、黒い雨に染められたようにも見える。 [review][投票(1)]
★3甘い生活(1960/伊=仏)軽薄で空虚な騒ぎが延々と続くという、本来なら地獄のような約三時間の筈なのに、この退屈さが却って誘惑的でもある不思議。神の沈黙と、地上の空虚な騒乱の絵巻。 [review][投票(1)]
★3逢びき(1945/英)ルイ・リュミエールの『列車の到着』から五十年。逆方向へ一瞬で消え去った列車の不在と、ゆっくり消えていく煙、という余韻による詩的演出へ。また、絶えず発車時刻を意識させる事で、不倫という行為に緊迫感を与える作劇術も見事。 [review][投票(1)]
★3捜索者(1956/米)暗闇に開かれた光の入り口に立つジョン・ウェインを内側から見つめる映画。「泣ける」という感想に対しては斜に構えてしまう僕でも、かのゴダールがそう言っているのは気になる。だが、画面の完成度の高さの反面、物語はどこか歪。 [review][投票(1)]
★3オールウェイズ(1989/米)雲、煙、水、光、炎の横溢。山火事の原因が全く言及されない事や、主題歌の詞も含めて、劇中の火は、愛と、その裏面としての執着心、生命の暗喩。要所となる場面での、青の光との対照が利いている。オーラな映画。光と飛翔のスピリチュアリズム。 [review][投票(1)]
★3やわらかい手(2007/ベルギー=ルクセンブルク=英=独=仏)「祖母」から「女」への回帰、という冒険譚。マギー(マリアンヌ・フェイスフル)の、控えめで奥手な表情の裏に垣間見える女らしさがチャーミング。 [review][投票(1)]
★3ブラッド・ワーク(2002/米)交換と接続。製作年を一瞬疑わせるような演出の古典的な安定性が、錆びれた風味を感じさせる。イーストウッドの引き締まった表情は、情念のドラマとしての躍動性よりも、研ぎ澄まされたドラマの持続を演出する。 [review][投票(1)]
★3キングダム 見えざる敵(2007/米)観客の皆さんはぜひ気持ち悪くなっちゃって下さいと言わんばかりに、カメラは要らぬ場面でまで始終フラつくわ(カメラマンは腕の筋力に問題が?)、リズムの緩急も考えずにやたら細かくカットは割りまくるわ(膨大な情報を時間内に無理に詰め込んだ?)、 [review][投票(1)]
★3その名にちなんで(2006/米=インド)言葉、音楽、移動。 [review][投票(1)]