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けにろんさんのコメント: 更新順

★3KT(2002/日=韓国)三島に心酔し石原を引用する極右将校が必ずしもファナティックである必要は無いとは思うが、やはり、この創造人物を歴史に割り込ませる必然性が希薄。そして何より主権を蹂躙されても弱腰外交な日本の官・軍・民をこそもっと撃って欲しかった。[投票(6)]
★4悲情城市(1989/台湾)評価が決定的になった侯孝賢が己れの手法に絡め取られたような窮屈さを感じる。同じ構図で再三出てくる坂道のクドさや、いかにもオリエンタル情緒な立川直樹の過剰音楽がうざい。『恋恋風塵』と相似とは言え4男絡みの挿話の詩情は素晴らしい。[投票(1)]
★3インディ・ジョーンズ 最後の聖戦(1989/米)インディの親爺がショーン・コネリーだなんて意外性もくそもなく、てんで面白くない。加えて1作目のオカルト趣向も2作目の密教的神秘も無くなり、それなりに見せはするものの普通の大戦裏話的なものになったのが物足りない。[投票(3)]
★4越前竹人形(1963/日)若尾文子のドライな持ち味があって暗く隠微な筋立てが中和されて頃合いになった。終盤のたたみかけの地獄の底まで転げ落ちて、挙句、これで良かったのかもと強引に納得させるパワーが魅せる。[投票(2)]
★3活きる(1994/香港=中国)今までも散々作られてきた「激動の歴史に翻弄される家族の大河ロマン」の枠組みを1歩も出ない。次々と語り口のスタイルを変えていく映像形式主義者チャン・イーモウらしからぬ平板さ。とは言っても正直、子供絡みのエピソードには何度か泣かされた。[投票(3)]
★2去年マリエンバートで(1961/仏=伊)何が本当で何が妄想なのか…この映画を観たことが妄想だったような気がする。難解は嫌いじゃないが、終始ゆっくりとトロトロ移動するカメラの動きの、はまったツボが俺のレム波動だったのであろうか…。[投票(1)]
★3自殺サークル(2002/日)3流なスプラッター描写も陳腐なサスペンス描写も辟易するが、一方で寺山映画のJ・A・シーザーを彷彿とさせる鎮魂歌のような音楽の吸引力。途方も無い絶望感に覆われた21世紀初頭の日本を描いて文句無く哲学ホラーとして黒沢清よりは深い。[投票(2)]
★4レナードの朝(1990/米)2人の役者の演技は各々の芸風を誇示するのみで相乗効果とまでは言いがたいし、展開も余りに平易なのだが、この映画を包む女性監督らしい慈愛に充ちた優しさには素直に打たれる。やっぱり女は優しさが無いといかんと思う。[投票(7)]
★5レニー・ブルース(1974/米)この男は1人で落ちて行くのではなく女も一緒に落ちて行ってくれたからまだしも救われたような気がする。直前までヴェガスのショーガールだったというバレリー・ペリンの圧倒的な存在感が他の同趣向の作品と一線を画す要因と思う。[投票(3)]
★2アリ(2001/米)「マルコムX」と「徴兵拒否」と「フォアマン戦」をトピックスとして並べただけで批評精神どころかリスペクトの念さえ感じられない。アリの対マスコミパフォーマンスと真摯な実生活とのギャップを埋める創造もなされていない。ボイトのつけ鼻だけが見所。[投票(6)]
★4ジングル・オール・ザ・ウェイ(1996/米)とてつもなくくだらないワンアイデアのみでひたすら強引に引っ張りまくるのが一種清々しい。そう思って見てると終盤で意外にも境界線を越えてしまう悪乗りに現代に於けるシュールレアリズムのポップとの幸福なる融合の在り様を見た。[投票(5)]
★3回路(2001/日)ミニマムな世界で解ったような解らんような終末感を描いてこそ或る意味深遠さを醸し出していたのに、こうも子供じみたビジュアルで具現化された終末世界がヤケにちぐはぐ。大体、武田真治が語る幽霊が出てくるワケの幼稚臭さにはたまげたよ。[投票(4)]
★4パニック・ルーム(2002/米)北北西』的タイトルも『フレンジー』的長廻しも今風なヒッチ風味で嬉しく、ウィティカーの男気に50年代アメリカンノワールの匂いを嗅ぐ。「パニックルーム」という如何にもな設定は後方に追われオーソドックスの安定感が好ましいスリラーの佳作。[投票(9)]
★4陽のあたる教室(1995/米)デジタル時代にアナログ骨董品を見た気がした。ベトナムを第2次大戦に置き換えればこんな映画は何本もあったような気がする。そつが無さすぎるし時代推移の表現などまるっきり紙芝居だが、愚直な素直さに素直に好感を持った。[投票(2)]
★3八日目(1996/仏=ベルギー)これでも綺麗ごとすぎて本人や家族の実際の苦労の1万分の1しか描けてないと言われても、ダウン症の役をダウン症の役者に演らせたのは、知らんぷりするよか100万倍位偉いに決まってる。しかし、一方のサラリーマン男の設定が舌足らずでいかんのだ。[投票(3)]
★3オルフェ(1950/仏)愛の物語の筈なのに、それは結局方便に過ぎないので、そっち方面のエモーションは無い。コクトーの興味は生き彫刻みたいなジャン・マレーとカメラ遊びにしかなかったのだろう。そして、そうであったからこそ面白い。[投票(6)]
★2ことの次第(1982/独)トリュフォーみたいな確信犯になれる野郎じゃないとこういうのはやめた方がいい。ゴダールとかあんたとかは頭が良すぎるんだ…。人事ながら見てて恥ずかしいよ。[投票(2)]
★3鬼が来た!(2000/中国)右か左かを明確にする必要はないが、こうも未整理に成り行き任せの丸投げを見せられても感銘を呼べないと思う。初期設定の帳尻を合わせられず混沌に逃げたような感じ。ラストはポランスキーが既にやっている。[投票(3)]
★3ライジング・サン(1993/米)オリエンタルとジャパネスクが融合された「変さ」には驚かないが、それだけでは片づけられない底の掴みきれないムードがある。そういう面では満喫できるがミステリーとしての底は浅い。[投票(2)]
★3こころ(1955/日)脚色でギリギリかわしているが国民文学の名作も行間の奥行きを取っ払い映像と言う直截な手段で再構築されると単なる三角関係の痴情劇になる。とは言っても雨の泥濘道の擦れ違いのモンタージュは若手作家が挙って模倣しそうな強烈な輝きをいまだに放つ。[投票(3)]